眼科撮影のための機材

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カメラ

眼科の症例写真や治療の経緯は、学術的にも貴重な記録となるため、下記条件を満たせる機材が必要になります。

  • 高解像度
  • 高感度
  • 高い色再現性
  • 暗所でも速いAF
  • 等倍マクロ撮影可能

デジタルカメラは進化が早いので、コンパクトカメラやスマホでも十分な写真が撮れるようになるかもしれませんが、現時点で上記条件を満たす可能性が高いのは、デジタル一眼レフカメラか、ミラーレス一眼になります。

どちらも等倍(センサー面に実物の大きさで投影できる)まで撮影できるマクロレンズがあるので、かなり目が小さな動物で拡大して写すことができます。

センサーのサイズはフルサイズやAPS-C、フォーサーズなどのフォーマットがありますが、拡大率が上がるので、APS-Cが有利になります。フォーサーズはより拡大率が上がりますが、少し小さすぎるようで、現在の技術では、解像度や高感度耐性で不利になります。経験的に、おすすめはAPS-Cフォーマットのセンサーを有するカメラです。

レンズ

眼科撮影の必需品はマクロレンズです。マクロレンズは様々な焦点距離のものがありますが、60㎜か100㎜前後のものが使いやすいと思います。焦点距離が伸びると遠くからでも同じ拡大率で写せますので、徹照像などが得やすくなります。
しかし、焦点距離が長くなると、ブレやすくなるので、200㎜クラスのマクロレンズは取扱が難しくなります。

個人的に使用しているメーカー

システムの汎用性を考えると、ニコンかキヤノンでシステムを揃えられれば間違いないでしょう。この2社であればどちらでも眼科撮影に必要なものはすべて揃っています。

個人的には2001年にD1xという一眼レフを買ってからニコンユーザーになっています。それまではブローニーフィルムの645サイズのカメラを使っていたのですが、当時キヤノン、ニコンのデジタルカメラを撮り比べてみて、ニコンの方が血の色の再現性がよかったからです。今はこの2社は互角でしょうから、どちらを選んでも問題ないでしょう。

一眼レフは、レンズを交換して使うものなので、一度システムを構築したらずっとそのシステムを使うことになります。それをふまえて、最初は慎重に選びましょう。

個人的に使用している撮影システム

具体的に仕事で眼科撮影をするときに使用している機材を紹介しておきます。
あくまでも個人的に使用している例です。

カメラボディ:Nikon D500
レンズ: Nikon AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)
ストロボ:SB-800、クローズアップスピードライトコマンダーキットR1C1、パワーブラケットSK-6

Nikon D500

今まで、D1x、D2xs、D300s、D500とAPS-Cフォーマットの機種をずっと使い続けています。APS-Cフォーマットカメラの方が、望遠やマクロ撮影が有利になるからです。

最新のD500は高感度耐性に優れていて、解像度も高く、眼科の撮影には最適です。

Nikon AF-S VR Micro-Nikkor ED 105mm F2.8G(IF)

これは眼科撮影のために作られたのではないか、と思わせるほど、眼科撮影にうってつけのレンズです。等倍マクロでありながら、適度に焦点距離があるので、ちょっと離れた場所から等倍撮影ができます。しかもVR(手振れ補正機構)が付いてるので、手持ちでマクロ撮影ができてしまいます。
開放F値も明るく、超音波モーターによるフォーカシングもすばやく、手放せないレンズです。
唯一の欠点は、大きく、重いことでしょうか。

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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