公園のマナー:タバコ

先日、ルリビタキのメスが出没する公園で撮影していた時のことです。

数メートル横には公園によくある4人がけの木のテーブルとイスのセットがあり、家族連れが気軽にピクニックで食事ができるようになっています。
到着したとき、そのテーブル席にはお年寄りが二人座り、将棋をさしていました。

じろっと睨まれて「来るなよオーラ」を出してきましたが、野鳥にはまったく興味がない様子なので、ちょっと嫌な予感がしながらも、私たちは撮影をしていました。

しばらくすると勘が的中し、二人がタバコを吸い始めたのです。今どき公共の公園でタバコを吸う奴がいるのか。

驚いて遠巻きに見ていましたが、なんとあろうことか、近くの石垣に向かって立小便までする始末です。

実写ではありません。「公園でタバコを吸うマナーが悪いお年寄り」のキーワードでAIが書いてくれた絵です。スゴイ!びっくりしました。まさにこんな感じです。 Image Creator

さすがにたまりかねて管理事務所に通報しました。
以前、別の禁煙の公園で、喫煙者に直接文句を言ってやめさせた話を管理事務所に伝えたら、「マナー違反を見つけたら、まず管理事務所に連絡して、決して直接注意や警告をしないでほしい」と言われました。ことが大きくなったり、刑事事件に発展することも多いそうなので、くれぐれもまず事務所に連絡をするように念を押されました。園としては大きなトラブルに発展することは避けたいのでしょう。

そんな経緯があったので管理事務所に喫煙と立小便を報告したら、「立小便は軽犯罪法違反なので、すぐに指導に伺います」とのことでした。
あれ?喫煙は?

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禁煙じゃない!?

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事務所の人の話を聞いて、さらに驚きました。何とその公園は禁煙ではありませんでした。禁煙ではないので、たとえルリビタキの出現スポットであろうと、目の前でタバコを吸っても何も指導できないとのことです。
かりにも東京ドーム7個分ほどもある比較的大きな森林公園で、神奈川県が管理する県立公園です。冬にはジョウビタキやルリビタキが飛来し、夏にはキビタキが毎年飛来する場所です。オオタカも営巣して、バーダーたちも多く集まる公園です。
そんな県民の憩いの場が、実はタバコ吸い放題だったのです。

帰り際に入り口付近の看板などを再度確認してみましたが、焚火やバーベキューは禁止でしたが、確かに禁煙とはどこにも書いてありません。喫煙可なのです。ベンチで隣の人がタバコを吸っても文句を言うことができません。びっくりです。
空気が悪い都会の路上は禁煙なのに、空気がキレイな自然公園が喫煙可なのは根本的に間違っているように思えます。

最近は公共の場での喫煙は禁止になっていることが多いので、公園などは当たり前に敷地内全面禁煙だと思っていましたが、そうではなかったのです。受動喫煙防止法は主に施設内の喫煙に関する法律であり、屋外については市や自治体などに任せられているのが現状のようです。

公園としてそれで良いの?

家に帰ってネットで調べてみて、さらにびっくりです。神奈川県内では、藤沢市や大和市のように、公園の敷地内全面禁煙化をすすめている市もありますが、公園の敷地内全面禁煙化を実現しているのは県内19市中6市しかないようです。相模原市はようやく2023年に公園内全面禁煙になったようです。
県内で一番メジャーな横浜市は2025年に禁煙化する案が出ているだけで、未だに試験段階としていて、一部の公園を除いて禁煙ではないのです。横浜市の全公園が敷地内全面禁煙化すれば、他の自治体の禁煙化も加速すると思われますので、ぜひともすすめていただきたい事案です。こんなことは、県や国のレベルで条例化・法令化すべき問題ではないでしょうか。

色々と大人の事情があるのかもしれませんが、老若男女が都会の喧騒を離れ、森の空気でリラックスするために訪れる公園が敷地内全面禁煙ではないことの方が不思議でなりません。自治体の幹部の方々がヘビースモーカーなのでしょうか。JTから圧力でもかけられているのでしょうか。

下手をすると公園が近所の人の喫煙場所化しそうです。公園なのですから、全国のすべての公園は、早急に敷地内全面禁煙にすべきです。

結局冒頭の二人は立小便の注意を受けただけのようです。禁煙ではないので、喫煙についてとやかく言われる筋合いはないのでしょう。立小便についても軽犯罪法は現行犯でないと取り締まれないため、警察に連絡しても動いてはくれないようです。彼らの迷惑行為の方が擁護されているようで、すっきりしない思いでした。

喫煙スペース

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いつも行く他の公園は、喫煙スペースを除き敷地内全面禁煙でした。

一応喫煙スペースが設けてありますが、この喫煙スペースがまた曲者です。1つの公園は喫煙スペースを示す看板が立っているだけで、囲いも境界線もありません。当然タバコを吸う人もそんなに密集して吸いたくはないでしょうから、適度に散らばって吸うようになり、自分の解釈で喫煙スペースの看板が見えている範囲くらいは喫煙スペースだと言わんばかりに平気で離れた場所で吸う人が多くなってきます。
もう一つの公園は一応囲いはありますが、狭いためか、その囲いの外で吸う人が多くなります。

囲いがあろうとなかろうと、煙は何の処理もされずにそこから周囲に拡散されるだけです。多くの喫煙スペースは園の端の方に設置してありますが、風向きによっては園の中央に向かって煙が流れます。
囲いの有無は、受動喫煙に関しては意味がありません。園内に排出される煙の量としては変わらないのです。

そのため、屋外に喫煙スペースを設けるという発想は中途半端だと思っています。屋根付きの立派な喫煙スペースが設けられている公園もありますが、囲われているだけで空気の出入りはオープンです。どこに設置しようと副流煙は垂れ流しで周囲に拡散するだけです。

条例か何かでどうしても喫煙スペースを作らなければならないのでしたら、密閉空間で煙を完全に浄化して排出する空気清浄機能を持たせるべきでしょう。ガスチャンバーのような密閉空間で、園内に煙が全く出て来ない仕組みであれば許せますが、かなりの費用がかかることが予想され、喫煙者のためにそんな予算をつぎ込むのも馬鹿らしいでしょう。
敷地内全面禁煙が難しいようなら、全国の公園に完全煙浄化装置付き喫煙用チャンバーをタバコ税で設置すればいいように思います。

公園は子供たちが遊ぶ場所であり、お年寄りの散歩の場所でもあり、野生動物や野鳥なども集まる場所です。病気や呼吸器疾患の療養に訪れている人もいらっしゃるでしょう。
そんな場所で発がん物質を大量に撒き散らすことが許されていていいのでしょうか。
喫煙者はリラックスするためにタバコを吸う自由も主張したいのでしょうが、他の方々に害を与える公共の場所ではなく、自分の部屋でやってもらいたいことです。

利用者の健康のためはもちろん、野生動植物の保護の観点からも、全国のすべての公園の敷地内全面禁煙化を嘆願します。

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追記

横浜市は2025年4月1日から市が管理する公園約2700個所を全面的に禁煙にする事が決定したようです。ようやく横浜市が動いてくれました。これは神奈川県全域、ひいては全国の公園禁煙化に拍車をかけることになるでしょう。

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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