
最近は物騒な世の中になってきました。一向に減らないあおり運転、増加しているアクセルとブレーキの踏み間違いなどの連日のニュースを見ていると、いつか自分も被害者もしくは加害者になってしまうのではないかと不安にかられます。
若いころは車好きでしたが、最近はもっぱらキャノピーにしか乗りません。本業の医療撮影で近くの動物病院に行ったり、公園まで野鳥撮影に出かけるにはジャイロキャノピーは最高の乗り物です。超望遠レンズ付きカメラがすっぽり入るトランクを取り付けてますし、なんてったって屋根があります。しかし、原付は車から見ると邪魔な存在なようで、あおられたり、無理な追い越しや幅寄せなどをされて、結構怖い思いをすることがあります。これは何かあってからでは遅いと思い、ドライブレコーダーを取り付けることにしました。
MAXWIN id-C5Pro
例のごとく、物にはこだわりがあるので、半年くらい悩みました。バイク用と名打ったドライブレコーダーは、安いものは数千円から、高いものは数万円まであり、10倍以上の開きがあります。この手のものは聞いたこともないメーカーの安かろう悪かろうの製品が多いので結構危険な賭けになります。ちゃんと買うなら良いものを入手すべく、レビューを徹底的に読みまくりました。レビューもサクラが書いている可能性もあるので信頼性が微妙ですが、少なくとも正しい日本語で論理的な内容であればある程度は信頼できます。便利な世の中になりました。
機種は以下の条件を満たすものを選定しました。
- 配線は面倒
- バイク用なので、着脱が簡単
- あまり遠出はしないので、録画は2-3時間できれば十分
- 昼も夜も、どんな天候でも信号とナンバーが判別でき、証拠が残せる高画質
- バイクの振動に耐える防振機構
- 防水
最終的に選んだ機種はMAXWINのid-C5Proです。要求仕様よりも遥かに優れたスペックでした。
すぐ使える
id-C5Proの電源は内蔵の充電バッテリーです。車だったらドライブレコーダーは固定なのできちんと配線しますが、バイクのドライブレコーダーは盗まれるので、使い終わったら必ず取り外して持って帰ります。そのため、単体でケーブルなどもなく、着脱が簡単なことが重要です。
充電は家でUSB電源でできます。しかも、フル充電で9時間使用できるので、日常の使用では十分でしょう。万が一充電が足りなくなった場合、モバイルバッテリーから給電しながらも使える仕様です。親切なことに、給電しながら使うためのUSBケーブル付きの交換用裏蓋まで付属してます。撮影に行くときは大容量のモバイルバッテリーをいくつか持って行くのでいざというときには安心です。

高画質
画質の評価は、昔は買ってみないと分かりませんでしたが、今は様々な人のレビューを拝見できるので大変参考になりました。この記事もどなたかの参考になるかもしれないので動画をアップしておきましょう。なかなかの高画質です。最近はそうなってきているのかもしれませんが、なんと4Kの解像度で撮影できてしまいます。ドライブレコーダーだけで使うのはもったいないほどの高画質です。2Kでフレームレートを上げた1080/55pのモードもあります。
4K:2160/27p
一般のカメラでしたら2160/30pなのですが、信号機対策で関西地区の60Hzと完全に同期しないように27fpsになっています。これで信号が消灯状態で写ることはありません。
上のYouTubeの動画は視聴環境によってビットレートを変更するので、4K品質で視聴できるとは限りません。キャリア電波や遅いWi-FiではHD以下になることもあります。
2K:1080/55p
フレームレートを上げたモードです。一般のカメラでしたら1080/60pであるところ、こちらも信号機対策として55fpsとなっています。解像度は4Kよりも落ちますが、動きはより滑らかになり、ドライブレコーダーとしてはこちらの方が良いかもしれません。
27fps、55pについて
LEDの信号機は点滅していることをご存じない方も多いと思いますが、実はその地域の電力の周波数の2倍で点滅しています。整流しているので、1波長が2つの山になります。関東は50Hz、関西は60Hzなので、それぞれ1秒間に100回(関東)、120回(関西)で点滅しています。人の目は1/15秒ほどの残像がありますので、関東でも関西でも肉眼的にはどちらも点滅しているようには見えません。しかし、写真や動画を撮ると、タイミングによって点灯して写っていたり、消灯して写っていたりします。特に一般的な動画撮影は秒間30コマなので、関西地域ではタイミング悪く点滅の消灯状態から録画を開始すると、1/30秒後も消灯状態、その次も消灯状態、と、ずっと消灯状態しか撮れず、まるで信号が消えているかのように写ってしまうことがあります。ドライブレコーダーですから、信号が青だったか赤だったかは重要な証拠なのに、それが写っていないというのは致命的です。
それを回避するために、一般的な動画のフレームレートよりも数フレーム低いレートで、あえて電力周波数から少しずらして正数倍にならないフレームレートが選べるようになっています。これによって点滅しているように映ることはあっても、完全に消灯しているように写ってしまうという問題を回避できます。この機種では、27fps、55fpsが選べるようになっています。
なお、信号が写らなくなるのはシャッター速度が速い明るい日中に起きる可能性が高く、夜間はシャッター速度が遅くなるので、1/30秒の間の信号機の点滅を拾える可能性が高くなるので信号機は写りやすくなります。点滅もあまり分からなくなります。
手ぶれ補正
手ぶれ補正と言うよりも「振動キャンセラー」と呼んだ方が伝わるかもしれません。本体は目の前についているので走行中はいつも視界に入っているのですが、「大丈夫か」と思うくらい激しく振動しています。しかし、動画を見てみると大変スムーズなのです。これは驚きです。バイクの振動は車の比ではないので、このあたりは「バイク用」とうたっているだけあって、相当がんばって作っています。電子的にかなり高度な補正が施されているようですが、ここまでスゴいとは思いませんでした。手でもって歩き回っても大変スムーズです。これでしたら、ドローン撮影はもとより、一般撮影にも使えるレベルです。もっとも、ファイルは最大でも5分単位の細切れになってしまうので、用途によっては編集が大変ですが、短いものでしたら十分使える仕様と画質です。
手持ちで歩きながら撮影したサンプルです。
防水
IPX6レベル相当とうたわれています。これは、「全方位からの強い暴噴水から保護」を意味していて、シャワーや強い雨にさらされても内部に水が入らない防水性能です。水没させてはいけませんが、あらゆる方向から水をかけても大丈夫ということです。キャノピは屋根があるのでそこまで濡れることはありませんが、一般的なバイクに取り付けることを想定するとこの性能は必須でしょう。そこまで濡れないとしてもIPX6がうたわれていれば安心感があります。

Wi-Fi
このWi-Fi接続がちょっと曲者でした。すんなりいった人は問題ないのでしょうが、私の場合はここではまってしまいました。提供されるidgoliveというスマートフォン用ソフトの問題だと思いますが、自分のスマホでは最初はうまく接続できませんでした。インストールは問題ありませんが、機種の登録がどうやってもできませんでした。Androidスマホです。
仕方ないので、iPadで接続したらすんなり接続できました。普段はそれほど頻繁に使わないので、一度接続できれば、各種設定を行えるので、大勢に影響はないのですが、ちょっと四苦八苦しました。
後日、AndroidスマホのidGoLiveをアンインストールしてインストールし直したら問題なく接続できました。何だったのでしょう。間が悪かっただけでしょうか。
それ以降は何も問題なく、快適に使えています。
付属品

多数の付属品が付いているのもポイントです。至れり尽くせりです。バイクも乗るし、自転車も乗る人には最高です。
総論
しばらく使用していますが、やはり安心感が違います。自分は運よく未だ経験がありませんが、事故発生時の信号が青だった、赤だったという双方の食い違った不毛な議論に対して決定的な証拠を突き付けることができます。また、他の車の事故の証拠として提出することもできるでしょう。
今回は画質に驚きました。解像度だけではなく、電子手振れ補正の効きがすばらしく、バイクの激しい振動が除去されてスムーズな映像として記録されています。ずいぶん技術が進歩したものです。
露出も概ね問題なく、事故時の証拠として十分役立つことでしょう。
他の機種と比較はしていませんが、コストパフォーマンスはかなり高いのではないでしょうか。
耐久性などはまだ分かりませんが、真面目に良い製品を作っている会社のようなので、期待しています。
改善要望
取り付け台座はワンタッチで取付、取り外しができて、よく考えられていると思いますが、1/4インチの三脚取り付けネジ穴が欲しかったと思います。そうすればアルカスイス互換に統一しているクランプでどこにでも取り付けられるのでより便利に使えます。別売りでも良いので、三脚取り付け穴の台座を出して欲しいと思いました。
また、スマホアプリidGoLiveで最初はまってしまったので、改善していただきたいと思います。もしくは、より詳しい説明書があると回避できたかもしれません。
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ドライブレコーダーに求めるものは人によって異なると思いますが、バイクで気軽に高画質の映像を記録するには優れた機種だと思いました。手振れ補正と言うか、バイクの振動のキャンセラーが秀逸で、得られる動画は信じられないほど滑らかです。露出も問題なく、日中も夜間も問題なく録画されます。LED信号機対策がされているので、消灯のように写ってしまうこともなく、証拠を確実に残すことができます。 |