身近な野鳥カレンダー2027

身近な野鳥カレンダー2027年版も続投が決まりました。2026年版をご購入いただいた方々に感謝申し上げます。販売数は増加しているとのことでしたので、このネット時代に紙のカレンダーの需要が増えているということに驚いています。ありがとうございます。

撮影枚数に自分でもびっくり

緑書房から2027年版続投のご連絡をいただいて、写真の整理をはじめたのですが、何と昨年1年間二人で撮影した写真の合計枚数が、415,303枚にもなっていました。40万枚オーバーです。フィルム時代でしたらとっくに破産しています。
やはりZ9もZ8もミラーレスな上、シャッターレスなので、音や振動もなく、際限なく撮れてしまうのが問題です。一眼レフ時代は合計シャッターカウントが増えるとシャッターユニット交換の心配をするようになりますが、ミラーもシャッターもない現代のカメラは壊れる機械部品がなく、初期投資以外はほとんどお金もかからないので、罪悪感がなくなります。

しかし、40万枚もあると選別が大変です。締切にまったく間に合わず、編集部にお願いして延期していただきました。こんなに撮影してはいけないということを悟りました。

表紙

毎年何枚か表紙候補を先に編集部に送らせていただき、編集部内での投票で決めていただいております。青い鳥という指定がありましたので、今年は6枚のルリビタキに絞りました。個人的にはとにかくヒタキ系の顔が好きなので、青い鳥と言ったらルリビタキ一択です。
上で40万枚撮ったと言いましたが、そのうちの90%以上はルリビタキのオスとジョウビタキのメスが占めています。その他の鳥は10%未満です。
様々なポーズのルリビタキをお送りしましたが、個人的に大好きな「ねじくり」ポーズが選ばれました。

中面

中面の13枚も決定しました。

1月アオジ
2月ミソサザイ
3月ジョウビタキ
4月ベニマシコ
5月ホオジロ
6月カイツブリ
7月スズメ
8月エナガ
9月ヤマガラ
10月エゾビタキ
11月オオルリとキクイタダキ
12月ニシオジロビタキ
2028年1月シメ

今回は今までよりも少しマニアックな鳥種も入れてみました。たまたま近くの公園に立ち寄ってくれたベニマシコやエゾビタキ、ニシオジロビタキなどが若干レアものでしょうか。

個人的にヒタキ系の顔が好きなので、いささかヒタキに偏った選択になっていますがご勘弁ください。可愛さ重視で、独断と偏見で選んでいます。また、雌雄に違いがある鳥種に関しては、ヒタキに限らず特にメスの顔が好きなので、自ずと優先度が高くなってしまいます。
また、幼鳥の写真もいくつかありますが、営巣中ではなく、巣立った個体のみ警戒されない距離からの撮影です。
会員ではありませんが、日本野鳥の会の野鳥撮影マナーに従っています。それに基づき、野鳥保護の観点から撮影地なども公開しておりません。悪しからずご理解いただけますよう、お願い申し上げます。

今後のスケジュール

5月末で中面の写真を決定し、編集部に送らせていただきました。
これから、キャプションの作成、色校正、印刷を経て、8月末頃に完成する予定です。
進捗や販売開始は、ここでもアナウンスさせていただきますので、ご期待ください。

写真解説

表紙:ルリビタキ

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/50
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 1800
Exposure Compensation : -2/3

今年はルリビタキの当たり年でした。近くの公園に2羽のオスが越冬してくれました。完全に縄張りが重なっていましたが、1羽は若鳥だったためか、うまいこと共存していたようです。オス同士だと普通は縄張りを巡ってかなり激しいバトルをすると思うので、珍しいパターンだと思います。

しかし、ルリビタキは暗い谷間が好みなので、撮影にはいつも苦労させられます。使用カメラの高感度耐性があまり高くないので、ISOを2000以下に抑えるためにシャッター速度を1/50sまで落としています。800mmで1/50sは無謀に思えますが、優れた手振れ補正と一脚で何とかブレを回避できました。手振れ補正もないフィルム時代のカメラでしたら不可能でした。進化したカメラの恩恵にあやかっています。


B4サイズのカレンダーにするには、このくらいのピント精度と解像感が必要です。センサーが小さくても、レンズのF値が大きくなっても回折現象の影響で解像感が失われてしまいます。フルサイズカメラと単焦点レンズにこだわる理由です。回折ボケを避けるため、絞りも開放で撮っています。特に目の周りの羽毛が少しでもボケていたりブレているものはボツです。カレンダーは至近距離で見られる宿命なので、自分の中では通常の写真よりも基準を高くしています。

中面

1月:アオジ(メス)

Camera : Nikon Z8
Lens : NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/60
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 800
Exposure Compensation : +1

家内が撮ったアオジです。私よりも目が良いので、次々と鳥を発見します。年明けのアオジは人馴れしてくるので、かなり至近距離に寄ってきます。いつも行く公園では、863だとピントが合わないので、これは663で撮影したものです。前ボケがちょっと良いアクセントになっています。
やっぱりアオジもメスが可愛い。たいていはペアでいますが、最近はメスしか狙わなくなってしまいました。


2月:ミソサザイ

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/40
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 1600
Exposure Compensation : -2/3

ミソサザイはいつまでたっても難しいターゲットです。とにかく暗い沢などを好み、ちょこまか動き回るので、ブレ写真を量産します。でも、連写しているとフッと止まることがあり、1/40sでもビシッと撮れることがあります。フィルム時代はそんな撮り方はできませんでしたが、今はデジタルの恩恵を受けています。
日本の野鳥で一位二位を争うほどの小型種である上、目立たない地味な色なので、言われても見えなかったりします。しかし、ときおり体に似合わず大きな声を出すのでばれてしまいます。


3月:ジョウビタキ(メス)

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/80
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 450
Exposure Compensation : -1/3

ジョビコはヤバイ鳥です。あまりに可愛すぎるのです。昨年の暮れから3月末に帰ってしまうまで、ほぼ毎日この子に会いに行きました。縄張りをつくるので、越冬する間は同じ公園のだいたい同じ位置で過ごしてくれます。毎日顔を見せていると、向こうも認識してくれるようで、会いに行くとどこからともなく飛んで来て目の前でこのようにポーズを決めます。野鳥とは思えない仕草です。もちろん餌などは一度も与えたことはありません。ジョウビタキも人の近くにいると安全であることが分かっているのでしょうか。目の前で安心して採餌したり昼寝をしてくれたりします。いつも真っ暗になって彼女が寝床に帰るまでいっしょにいました。
今年は例年より早く、3月末に帰ってしまいました。また会えるといいな。


4月:ベニマシコ(オス)

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S + Z TELECONVERTER TC-1.4x
Exposure Time : 1/1000
F Number : 9.0
Exposure Program : Manual
ISO : 1100
Exposure Compensation : -1

知り合いに「今ベニマシコが来てるよ」と教えていただき、急いで撮影しに行きました。普通に駅から歩いて行ける公園です。
いました。
彼らは渡りの途中でしばらく滞在しますが、そう長くはいません。せいぜい1週間くらいでしょう。

距離があると思ったので、863に1.4倍のテレコンバーターを装着して挑みました。DXフォーマットで撮影したので、1680mm相当です。F9になってしまいますが、明るかったので感度も上がらずに済みました。
かなり近くに出てきてくれて、ばっちりでした。背景が真っ黒なのは、日陰を流れている川です。鳥が引き立って丁度よかったと思います。
1680mm相当の超望遠レンズを手持ちで使えるなどということは、一昔前では考えられなかったことです。撮影者の技術ではないところが残念ですが、不可能を可能にする現代カメラの進歩に脱帽です。


5月:ホオジロ(メス)

Camera : Nikon Z8
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/500
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 800
Exposure Compensation : +1/3

ホオジロもメスがフォトジェニックです。オスは歌舞伎のくまどりのような模様で強そうなイメージですが、メスはうってかわって可愛く、優しい顔になります。
集団で行動しているのですが、公園によっては集団になかなか出会えません。いるところにはいますが、公園によってはまったくいません。かなり環境に依存しているようです。
これはメスのホオジロファンの家内が863で撮影したものです。背景のボケもきれいです。


6月:カイツブリ(幼鳥)

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/1250
F Number : 8.0
Exposure Program : Manual
ISO : 900
Exposure Compensation : 0

営巣中の野鳥の撮影はご法度ですが、カイツブリは例外だと思っています。彼らは身近な公園などで、人の近くに浮巣を作って子育てをします。交尾、産卵、孵化、育雛(いくすう)の過程を包み隠さず池の縁に集まった観客に見せてくれます。おそらく人の近くの方が天敵が来ないことを知っているのでしょう。賢い選択だと思います。人がたくさん集まっていることこそが、彼らの安全を作り出していることになります。なので、遠慮なく撮らせていただいています。
しかも、カイツブリの幼鳥は極めてカワイイのです。雛が生まれると池のほとりは多数のカメラマンで大混雑します。数か月後には全員が無事に巣立って行くところをみると、特にストレスになっている様子もなく、かえって安全に子育てができているようです。
幼鳥は好奇心が強く、人のことも恐れないので、異常に近づいてくることがあります。「この大きい生き物は何だろう」、「この黒い筒は何だろう」というような顔をしてこちらを観察しているようです。


7月:スズメ(幼鳥)

Camera : Nikon Z8
Lens : NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/500
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 2200
Exposure Compensation : -1/3

スズメは現在、絶滅が危ぶまれる速度で減少しているようです。古い日本家屋がなくなり、スズメが巣をつくる場所が現症していることや、地球温暖化、田畑の減少やそれに伴う昆虫の減少などが原因として考えられています。自分が少年だったころは家の周りにたくさんいましたが、現在住んでいるマンションの周辺ではまったく見なくなってしまいました。公園などでたまに見つけると貴重な鳥に出会ったかのように撮影してしまいます。
これは家内が663で撮影したスズメの幼鳥です。親がしきりに餌を運んでいました。いつも「がんばれ!」と応援しています。


8月:エナガ

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/160
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 250
Exposure Compensation : -1

世の中は空前のシマエナガブームです。
でもね、ここだけの話し、自分はこの普通のエナガが好きです。丸い頭におちょぼ口、まん丸の目、ずんぐりした体に不釣り合いなほど長い尾羽、ピンクの背中など、パーツがいちいち可愛いのです。
ただし、撮影はいつも困難です。うまく撮れたためしがありません。頭が真っ白で、目の周辺が真っ黒なので、新郎新婦と同様、どちらかにしか露出が合いません。いつも頭頂部が飛び気味です。集団で行動していますが、いつもせわしなく動いているので、一瞬が勝負です。


9月:ヤマガラ

Camera : Nikon Z8
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/60
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 1400
Exposure Compensation : 0

ハッピーヤマガラです。
ヤマガラはいつも笑っているように見えます。ヤマガラにだって気分の浮き沈みはあると思いますが、正面からみるといつも笑って見えるのです。野鳥によっては正面顔があまり可愛くないものが多いのですが、ヤマガラに限っては正面顔をつい狙ってしまいます。この笑い顔を見ると何だか元気をもらえます。もしかすると「何撮ってんのよ!」と怒っているのかもしれませんが、そうは見えないのです。


10月:エゾビタキ

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/200
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 2000
Exposure Compensation : 0

撮っている時、「なんじゃこれはー」と思いました。こんなに目が大きくてかわいい鳥は見たことがなかったからです。目の直径が頭の直径の1/3ほどあります。専門家に見てもらったところ、エゾビタキの幼鳥とのことでした。その年の夏に生まれた個体で、冬に向けて東南アジアに移動する途中なのでしょう。
この可愛さにやられてしまいました。イチコロです。


11月:オオルリとキクイタダキ

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/30
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 3600
Exposure Compensation : -2/3

オオルリの撮影をしていたら、「私も撮って!」と言わんばかりにキクイタダキが乱入してきました。なので、ピントはオオルリにしか合っていませんが、オオルリの深く濃い青と、キクイタダキの明るく黄色いおでこの対比が鮮明です。オオルリはその名の通りルリビタキよりも一回り大きい鳥で、落ち着いた風格があります。一方のキクイタダキは日本で一位二位を争う小型鳥で、ちょこまかと動き回り、撮影が困難です。よく見るとタヌキ顔で愛嬌があります。


12月:ニシオジロビタキ

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/640
F Number : 8.0
Exposure Program : Manual
ISO : 1100
Exposure Compensation : -1

比較的レアなので、公園などに出没すると大混雑するほど人気の野鳥です。ヒタキの中では小柄で、とにかく仕草が可愛いのです。尾を立て、こちらを向いた姿は妖精のようです。まるで「こういうポーズをすればオジサンたちが喜ぶ」ということを知っているかのようです。その姿をみて、オジサンたちは狂喜乱舞するのです。自分もその一人です。

腹側は白いので、白飛びしないように注意深く露出を補正します。明るい場所だったので、被写界深度を稼ぐためにF8に絞りました。最短撮影距離に近い距離では、開放だとミリ単位の深度になってしまうので、目とクチバシ程度しかピントが合いません。F8に絞るとクチバシから背中あたりまで深度内に収まっているので、ちょうど良い絞り値だったようです。


2028年1月:シメ

Camera : Nikon Z9
Lens : NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S
Exposure Time : 1/80
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 1800
Exposure Compensation : -2/3

「何を怒っているの」と聞きたくなる表情をしていますが、これがシメの普通の顔です。怒ったような顔も良く見るとどこか人間味があって、可愛くみえてくるのが不思議です。大きすぎるくちばしとずんぐりした体形がアンバランスに見えるからでしょうか。いつまでも見ていたくなります。
よく見ると羽には構造色の青色が使われていて意外とカラフルなのです。

進捗状況(6月中旬現在)

キャプションの校正が終わって全体のサンプル確認中です。
あとは色校正です。これは実際の紙でチェックするので、現物を見ながらの打合せです。
8月末か9月頭に販売開始のアナウンスができればと思っております。


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DXフォーマットで使用すると900mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで840mmF9、1200mmF13、DXで1260mmF9相当、1680mmF13相当となります。
最短撮影距離が4mなので、野鳥が近い公園などでは有利となります。




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1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。
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