Nettuno 1911:ネットゥーノ 1911 ボールペン(nereo)

もう何度目かの「またペンかよ」攻撃です。
イタリアMaiora社のNettuno 1911という素敵なペンを見つけてしました。
結婚36周年のお祝いにかこつけて家内へのプレゼントとして購入しました。

Nettuno 1911 Nineteen-Eleven nereo ballpoint

イタリアにはアウロラ・オマス・モンテグラッパビスコンティーなど、素晴らしい筆記具メーカーがたくさんあります。ネットゥーノは1911年に創業したイタリア最古の万年筆メーカーVecchietti社が製作した人気のシリーズでしたが、残念ながら1950年代にVecchietti社はなくなってしまいました。創業以来、高度に熟練した職人の手作りで生産していましたが、近代化の波にのまれてしまったのでしょう。
一方、創業1982年と、歴史はそれほどありませんが、登場とともに一躍イタリアを代表とする筆記具メーカーとなったデルタ社は、残念なことに2018年に突如廃業してしまいます。鮮やかなオレンジ色の軸が特徴の高級万年筆は各国首脳が集まった調印式のサインで使われるほどのブランドに成長していました。デルタのドルチェ・ヴィータシリーズは大変美しいシリーズで、中古品でもプレミア価格が付くほど根強い人気を誇っています。
そのデルタ社の創業メンバーの一人である Nino Marino 氏がNettunoシリーズの伝統を蘇らせるべくMaiora社でNettuno 1911というシリーズで復興させました。おそらく、近代化による大量生産ではなく、熟練の職人が一つ一つ作るペン作りにこだわりを持つ製品を作りたかったのでしょう。Nettunoブランドを復興させるために、Nino Marino氏はかつてのデルタ社の職人たちを集めたそうです。そのため、Nettuno 1911のデザインにはどことなくデルタの面影があり、デルタ社のDNAを受けついでいることがわかります。
Nineteen-Elevenと名付けられたシリーズは昔ながらの優雅な形状に、ボローニャの街並みに見られるポルティコ(柱廊)の連続したアーチをモチーフにした装飾リングを施し、クリップには社名であるネプチューン(海王)が持つ三又の鉾のマークをあしらっています。軸は全て上質なアクリルを職人が削り出したものです。
奇をてらったデザインではなく、伝統を重んじていて、知的で落ち着きのあるエレガントな雰囲気を醸し出しています。その中にどことなく可愛さも兼ね備えていて、どちらかと言うと女性向きのデザインだと思います。

Portico of Bologna : Courtesy of Google Maps

同シリーズには万年筆、ローラーボール、ボールペンがありますが、今回も最も使用頻度が高いボールペンをチョイスしました。もちろん、このペンもリフィルがパーカータイプであることを確認済みです。どうせ海外のリフィルは太くて使えないので、国産のお気に入りのパーカータイプリフィルに交換するためです。

イタリアから個人で直輸入しました。受注生産のようで、注文してからできるまで3週間かかりました。空輸はDHLで4日です。いつものように、DHLは、今ローマでピックアップされた、経由地のドイツのライプツィヒに到着、成田に着いた、横浜の税関を通った、と刻一刻報告してくるので、ローマからわが家までどんどん近づいてくるのがわかってワクワクします。で、ついに到着。より一層愛着が湧きます。はるばる日本にようこそ。

開封の儀式

シンプルですが、おしゃれな箱です。
鎮座まします Nettuno 1911 Nineteen-Eleven nereo ballpoint 。
本当は透明なビニール袋に包まれていました。撮影のために除去。
最後の最後まで白軸と迷っていたのですが、このブチ柄がとってもかわいく見えたので、今回はブチ柄にしました。いつか白軸も買おうと思います。
さすが熟練職人の仕上げは素晴らしいと思いました。
ボローニャは一度だけ行きましたが、道路に面した建物の1階部分がポルティコと呼ばれるピロティーになっていて、車道とは上部がアーチになった列柱で仕切られた大変美しい街です。ヨーロッパではよく見かける建築様式ですが、ボローニャは特に有名です。そのポルティコをモチーフにした装飾リングが施されています。自分たちの文化に誇りを持っている様子が伺えます。
軸の中央部分に
NETTUNO
Nineteen-Eleven
MADE IN ITALY
と刻印されています。
こちらも手作りの証として1本ずつシリアルナンバーが入ります。1からはじまっているのか分かりませんが、2073番でした。
エンドキャップには海王を表す波のアイコンが入ります。
海王が持っている三又の銛のモチーフ。

リフィル

西洋のボールペンの例にもれず、やはり最初に入って来るリフィルは驚くほどボール径が大きく、とても細かい漢字を書く日本文化には適していません。アルファベットやサインを書くには適しているのでしょうが、これも「襲」なんて書くと「■」になってしまう太さです。

いつものようにさっそく国産のリフィルに交換です。

左から、入っていたリフィル。何も刻印がなく、正体不明です。ねっとりした書き味で、悪くはありませんが、いかんせん太すぎます。欧米社会のサイン用としては適しているでしょう。
左から2番目はジェットストリームの0.5mm、3番目は同じくジェットストリームの0.38mm、一番右はオートのゲルインクニードルポイントです。

見てください。こんなに違います。左から2番目がジェットストリームのボール径0.5mmです。一番左の付属してきたリフィルのボール径は軽くその4倍はありそうな大型のボールです。繊細な日本人には不向きです。

全て入れ替えて試し書きをさせたら、ジェットストリームの0.5mmが一番書きやすいとのことだったので、それで使うことにしました。オートのニードルポイントは個人的にはイチオシだったのですが、確かにこのエレガントな軸にはあまり似合わないかもしれません。

いずれにしても、万国共通のパーカータイプ(JISのG2規格)は厳密に寸法が定義されているので、今まで入れ替えて適合しなかったことはありません。軸を買う時にリフィルがパーカータイプであることを確認できれば、軸がどこのメーカーでも、後で日本人向けの国産の優れたリフィルに自由に交換できます。お気に入りのリフィルを、お気に入りの軸で使うのが筆記具フリークの醍醐味です。専用のリフィルであったり、クロスタイプのリフィルを使用している軸は、使える国産のリフィルが限られてしまいます。パーカータイプ(G2)か、4C規格のリフィルがデファクトスタンダードになっているので、海外の軸を買う時は注意が必要です。

ペンシース

今回も筆箱に他の筆記具とがちゃがちゃ入れると傷つきそうだということで、オリジナルペンシースを作りました。ブンチョウのモチーフです。
すべて100均の素材だけです。フェルトとをニードリングで癒合させたものです。

総評

Nettuno 1911 Nineteen-Eleven nereo ballpoint とブンチョウ

家内には大変喜んでもらえました。製品としては大変きっちり作られていて、職人のこだわりが伝わってきます。回転式ですが、適度なクリック感があり、それが大変小気味よい操作感なのです。写真でしか見たことがなかったのですが、実物を手にすると比較的大きく、立派な風貌です。適度な重さもあり、写真で見るよりも遥かに良い印象です。白軸も欲しくなりました。いつかレポートするかもしれません。

できてまだ3年ほどのNettuno1911ですが、Delta社のDNAを引き継いで末永く発展して欲しいと願っています。

後日談

やはり白軸のenopeも気になり、購入してしまいました。同じシリーズですが、軸の色が違うとまるで別物です。他の色も買っても良いかなと思ってしまいます。
nereoは可愛い感じのブチ柄ですが、enopeは高貴なオーラを放つ美しいイメージです。

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オート 替芯 ゲルインク替芯 0.5mm 黒 PG-M05NP-BK 定評があるオート社のニードルポイントで、金属ボディにセラミックボールを使用しています。
インクはGELインクで筆記は濃くなめらかです。
パーカータイプ(G2)なので、同サイズのリフィルにはおすすめです。ちょっと癖になる書き心地です。
著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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