Ginger or Mary Ann?

勉強が大嫌いで、ほぼオール2の落ちこぼれ小学生が、アルファベットも知らずにいきなり親の転勤でアメリカの小学校に入れられてしまいます。今考えるとひどいことのように思えますが、半年もするとカタコトで英語を話していました。元々社交的ではないので、あまり積極的に話したりはしませんが、不思議なことに相手が言っていることは分かるようになります。特に英語を習いに行ったりはしていません。一番影響を受けたのはテレビだと思います。

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Gilligan’s Island

勉強嫌いにとって、当時のアメリカは天国でした。学校はランチボックスだけ持って登校し、空のランチボックスを持って帰るだけです。教科書やノート、筆記道具などはすべて学校から支給され、学校に置いて帰ります。学校のものなので、持って帰れませんでした。
ですから、当然宿題も出ません。学校から帰ると、寝るまではとにかく遊ぶだけが仕事です。海も近いし、随所にプレイグラウンドや公園があるので、遊び場には困らないようにできています。自転車でも1台あればどこにでも行けます。

日が暮れると家に帰り、寝るまでずっとテレビを見ているか、プラモデルを作って遊んでいました。中でも1960年代はカラーテレビが爆発的に普及したころで、空前のテレビブームです。TVディナーなどというものが登場し、テレビを見ながら簡単に食べられる食事が大ブームでした。まさにアメリカンな文化です。アメリカ人は大型冷蔵庫に冷凍してあるTVディナーをオーブンに放り込んで、テレビを見ているとできて、それをまたテレビを見ながら食べるという寸法です。
食べ物はなじめませんでしたが、私たち子供は夕方から寝るまでずっとテレビを見ていた気がします。

いつも面白がって見ていたのは、いわゆるアメリカっぽいドタバタコメディードラマです。中でも記憶に残っているのは、当時大流行していた Gilligan’s Islandというドラマです。日本でも「ギリガン君SOS」の邦題で1966-1967に放映されていたようです。
ハワイでの3時間ほどの観光クルーズの船が嵐に会い、地図にも載っていない無人島に難破します。観光旅行で来ている客なので、乗客の客層はばらばらです。主人公のおっちょこちょいな一等航海士(Gilligan)の他、船長、大金持ちの夫婦、ハリウッド女優(Ginger)、教授、くじでツアー券が当たって参加した田舎娘(Mary Ann)などが無人島から脱出すべく毎回ドタバタ劇を繰り広げます。1964-1967の放映なので、私が1970年前後に視聴したのは再放送だったのでしょう。最初の放送の視聴率が25%とのことなので、アメリカ国民の1/4が見ていたことになります。その後も繰り返し再放送をしているので、このドラマのことを知らないアメリカ人はいない、と言っても過言ではないほど有名なドラマです。当時自分は小学校4、5年でしたが、ほぼクラス全員見ていたと思います。

英語が聞き取れるようになったのは、おそらくこの Gilligan’s Island のお蔭です。とにかく毎週夢中になって見ていたのを覚えていますし、学校でもこのドラマの話題が度々登場するので、一番の英語の先生だったのかもしれません。言葉を覚えるのに、テレビは重要なポジションを占めていると思います。
英語の聞き取りには、くだらなくても面白いアメリカどたばたドラマを英語で見ることをおすすめします。大人向けのドラマはダメです。子供でも楽しめるコメディがおすすめです。当時はこの Gilligan’s Island のほか、Partridge Familyという、こちらもドタバタコメディドラマが絶大な人気で、私の英語はこの2つのドラマから得られたものです。なので、そこから脱することはできず、未だにビジネス英語はできません。

これはアメリカからの輸入DVDで、リージョンコードが日本と異なるため、一般的なDVDプレーヤーなどでは再生できないのでご注意ください。
再生にはリージョンフリーのDVDプレーヤーなどが必要です。
3シーズンまとめたコンプリートボックスです。ファーストシーズンは白黒、セカンドシーズン以降はカラーです。シットコムの原点と言うべき作品です。
アメリカのドタバタコメディが好きな人や、アメリカ文化を学びたい人向けです。
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怪しい3千円台の聞いたことがないメーカーから、数万円のSONY、Panasonic製のものもあります。世界の様々なDVDなどを見ることが多い場合は有名メーカーのものをおすすめします。3千円台の怪しいプレーヤーは検索すると沢山出てきますが、アタリハズレが相当あるようです。
外国語を勉強するために様々な言語の輸入DVDを見たいという場合は必需品です。
掲載した製品は推薦している商品ではありません(自分は持っていません)。責任は持てませんので、自己責任でお選びください。

英語の勉強には映画もいいのですが、複雑なストーリーだと難しいと思います。ある程度聞き取りができるようになってからの方が良いでしょう。最初はGilligan’s Islandに限らず、個人的にはアメリカやイギリスのコメディドラマがお勧めです。言葉だけではなく、文化を学ぶこともできます。イギリスには伝説的なモンティパイソンなんかもあります。
いずれにしても、吹替も字幕もないドラマや映画を一生懸命聞きとろうとすることが大切だと思います。

Ginger or Mary Ann?

そんなアメリカ人で知らない人がいないほど有名なドラマだったので、登場人物の顔はみな知っているのが当然です。主人公のGilliganはおっちょこちょいで何をしてもうまく行かず、いつも事件を引き起こす問題児の役割です。
船長、大金持ちの夫婦、教授などは年配の役者ですが、その中で若いきれいどころとして存在感をアピールしていたのが、ハリウッド女優役のGingerと、カンサス州ウィンフィールドの農場からくじに当たってたまたま乗り合わせた田舎娘Mary Annです。

Gingerはおそらくモンローを意識したセクシー女優風の女性、一方のMary Annは近所にいる素朴なおねえさん風で、キャラクターが明確に分けられていました。その二人のどちらが好みか、を聞くことによってその人の女性の好みの傾向がわかるということで、”Ginger or Mary Ann?” というアメリカ人にとっては大変有名な質問が出来上がります。これは現在でも使われるフレーズですが、このドラマのことを知らないと、何のことだかさっぱりわからないでしょう。

Ginger と答える人は、美しいセクシータイプの女性が好みで、Mary Annと答える人は童顔で可愛いタイプの女性が好みということが分かります。ちなみに、私は断然 Mary Ann 派でした。

数年前、アメリカ人の知り合いと話していて、そんな話題が出てビックリしました。彼女はまだ30過ぎの若い女性なので、もう到底 Gilligan’s Islandの世代ではないと思っていたのですが、アメリカでは未だに再放送もされていて、彼女の世代も全部見たそうで、 ”Ginger or Mary Ann?” という質問は現在でも生きているとのことでした。それほど人気があったドラマだということです。

その後

すでに50年以上経っているので当時の俳優さんはほとんど亡くなっているのですが、 2020年12月30日に Mary Ann役のDawn WellsさんがCOVID-19によって82歳で亡くなったという悲報が流れました。カリフォルニア州で起きたパンデミックの犠牲者の一人です。
Gilligan’s Island 放映中は毎週5000通以上のファンレターが来ていたほどの大人気だったそうなので、この悲報に打ちひしがれたファンも多かったことでしょう。私もその一人です。
ご冥福をお祈りします。

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、出世するのが嫌で退職。現在は大学非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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