100歳になると:謎めいた長寿の秘訣

内閣総理大臣からのお祝い状

わが家は家系的に女性が長寿のようです。先日、叔母(おば)が100歳で亡くなりました。身寄りがなかったので、一番動ける自分が色々と手続を行いました。残念な出来事ですが、大往生で、痛みや苦しむこともなかったのが救いです。

すばらしいことに、生涯ボケることなく、髪も白髪が多少混ざってはいましたが、概ね黒々としていました。亡くなる少し前まで自分で歩いて買い物に行って、調理もしていました。耳は遠くなっていましたが、補聴器を付ければ普通に会話ができ、時折ジョークを言うほど冴えていました。

叔母の母である私の祖母は103歳まで生き、同じようにボケることなく亡くなる数週間前まで自分で買い物に行き、料理、洗濯、掃除など、身の回りのことはすべて自分でこなしていたようなので、そのような遺伝子なのでしょうか。

横浜市長からのお祝い状

そんな叔母の遺品を整理していて出て来たのが、国や市から送られてきた100歳祝いの品です。県からは何も届いていないようです。

考えてみると100年は一世紀ですから、100年前からの日本の歴史の生き証人だったわけで、それだけで表彰されるくらい価値があることなのでしょう。私も随分戦前や戦争中、戦後の復興などの話を聞きました。物も食料もない時代をよく生き抜いたと思います。

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国からのお祝い状及び記念品

お祝い状

本人はあまり興味がなかったのか、筒に入った賞状と箱に入った銀杯が無造作に置いてありました。何気なく筒を開けたら、ビックリ。冒頭写真のような賞状が出てきました。内閣総理大臣から贈られるお祝い状でした。

今の時代、100歳越えはそれほど珍しいことではなく、毎年何万人もいらっしゃるようですが、菅政権は短かったので、 菅義偉さんのサイン入りのお祝い状は希少なのではないでしょうか。自分は結構感動したのですが、母もあまり感心はないようで、「持っててもしょうがないから棺にいっしょに入れようか」などと言うので、あわてて回収してきました。こんなものは二度と手に入らないものなので、大切に保管しようと思っています。

記念品

お祝い状の横に四角いきれいな紙の箱がありました。開けてみると中からさらに桐の箱がでてきました。それを開けると中からビニールに包まれた銀杯が出てきました。酸化するから素手で触るなと注意書きがあり、ビニールがかかったままだったので、未使用なのでしょう。本人がちゃんと見たのかどうかも分かりませんが、包まれたままだったので、これもあまり関心がなかったのかもしれません。
誰もいらないと言うので、危うく捨てられるところでした。これも回収してきました。
銀食器はすぐに酸化して扱いが大変なのですが、お酒が好きだった叔母を偲んで日本酒を飲むときに積極的に使わせてもらおうと思っています。

銀杯

長生きの秘訣

祖母は103歳、叔母は100歳で亡くなったと言うと、毎日何を食べて長生きしたのか、とよく聞かれます。さぞや健康に気を付けて体に良いものを食べていたのだろうと。

大変申し上げにくいのですが、二人とも世間的にはあまり良くないと言われているものが大好きでした。

祖母

103歳まで生きた祖母は、とにかく水分摂取量が多く、好きな飲み物はコカ・コーラでした。私が小さい頃からそうでしたから、少なくとも晩年までの30年以上はコーラを飲み続けたことになります。冷蔵庫のコーラだけは切らさなかったようです。
年寄りはお茶を飲むのが定番と思ったら大間違いです。遊びに行くと「コーラ飲むか」と言ってコーラを出してくれました。

その影響なのか、私たちもコーラ好きで、1.5Lのカートンを通販でとっています。ただ、さすがに糖分ゼロのコーラにしています。ダイエット中なので。

叔母

100歳で亡くなった叔母はとにかくアイスクリームが大好きでした。アイスクリームで生きていたと思えるほど、1日に三つも四つも食べていたようです。タンパク質不足になるから豆腐なども食べさせようとしたのですが、すぐにアイスクリームに戻ってしまいます。アイスクリームを買うために毎日買い物に行っていたようなものです。それも健康に役立ったのかもしれません。

これも多少なりとも影響を受けているのか、私たちもアイスクリーム好きです。冷凍庫にストックがないと不安になります。

分析

銀杯の裏にも「内閣総理大臣」の刻印

二人とも糖分の摂取量が異常に高かったのは興味深い事実です。
祖母が飲んでいたのは、前述のように昔はゼロカロリーのコーラなんかありませんでしたので、糖分がばっちり入ったコーラです。現在、健康に気を付けている方々から砂糖入りの炭酸飲料は諸悪の根源のように言われていますが、何十年も飲み続けて100歳以上生きたのも事実です。

叔母も糖分が多いものが好みで、食事はろくにとらず、アイスクリームばかりの食生活です。歯がないため、野菜が食べられないと言って全部残していました。入れ歯はしていたので、食べられないことはなかったとは思うのですが、きっと野菜嫌いだったのでしょう。周りからもっとタンパク質を摂るようにいつも言われていましたが、なしのつぶてです。

食べ物以外で、100歳超えの二人の共通点は、二人ともとことん「歩く」ことです。車の運転はしません。どこに行くにも歩いて行きます。毎日の買い物も往復2kmほど歩きます。足は第二の心臓と言われているように、歩くことによって全身の血行が良くなり、脳の血流も増えるのではないでしょうか。健康のためにノルマとして歩くのではなく、きっと歩くのが好きだったのでしょう。とにかく毎日歩いていました。歩く以外に特に運動はしていませんでした。

とにかく歩くことと、糖分を多く摂取していたというのは二人に共通した事実です。歩くことはいかにも体に良さそうですし、よく言われていることなので、多少なりとも長生きやボケ防止の要因にはなっていたのでしょう。
しかし、糖分の過剰は一般的には良くないと言われているので、コーラ好き、アイスクリーム好きが、長寿にどのように作用したのかはよく分かりません。
脳は体の中で一番カロリーを消費する臓器なので、歩いて血行が良い状態で高カロリーな飲食物で脳が活性化されていたということも考えられます。この辺りは統計的に有意差があるのかどうか、調べないと何とも言えないことです。
もしかすると家系的に特異体質なのかもしれません。普通の人だったら糖尿病やその他の成人病を引き起こしているであろう量の糖分を摂取していたと思います。健康のためにお茶しか飲まないという人もいますが、糖分摂取量が少ないと早くボケるなどといった統計データはないのでしょうか。甘党の方がボケにくいなどといったことが分かると面白いと思うのですが。
叔母の晩年は甘酒にはまって、甘酒ばかり飲んでいました。自分も同じものを飲んでみましたが、相当甘い甘酒でした。

好き嫌いが多く、嫌いなものは絶対食べません。好きなものだけを食べるという食生活が実は良かったのかもしれません。

考察

結局DNAなのでしょうか。

健康ヲタクやダイエットをしている人からするととんでもない食生活です。

一つだけ言えることは、「ストレスがなかった」ということです。健康のために嫌いなものを食べたり、食べたいものを食べられないのはストレスです。体が欲するものを好きなだけ摂取するのが、案外ストレスなく、病気にならない秘訣なのかもしれません。

感覚として長生きの秘訣は、DNA50%、歩くことが30%、ストレスフリーが20%くらいのように感じています。そして糖分摂取量はボケと因果関係があるように思えてなりません。どなたか若い世代の今後の研究に期待しています。

コーラは体に良いのか。正直分かりません。コカ・コーラも時代とともに健康に留意した様々な取り組みを見せています。やはり糖分が悪者扱いになっている風潮を反映して、糖分ゼロやトクホの認定を取ったものまであります。透明なコーラはちょっと違和感があります。さらにカフェインで眠れなくなる人もいるようで、ゼロカフェインのコーラも登場しました。
ビールやワインと比べてどうか。糖分の有無はどう影響するのか。人工甘味料は果たして安全なのか。考え出したら怖くて何も飲めなくなります。牛乳だってお茶だって体に悪いという人もいます。そういう人は水しか飲むものがありません。水だって神経質な人はカルキが害を及ぼすとか、ミネラルウォーターもPETボトルから化学物質が溶け出しているなどと言う人もいます。そんなことを考えることが一番のストレスになっていそうです。
二人ともタバコは吸いませんが、お酒(日本酒やビール)は飲んでいました。まあ、飲みたいものを飲むのがストレスなく、それが一番の長寿の秘訣なのかもしれません。

ご注意

上記親戚の嗜好は事実ですが、「コーラとアイスを飲食すると長生きする」などと解釈しないようにご注意ください。最近はこういうことを書くと曲解されてそのことだけがネットに拡散されてしまう恐れがあります。「ねぇねぇ、長生きしたかったらコーラとアイスがいいみたいだよ」、「へー」みたいに。そんなことは言っておりません。

元々丈夫なDNAなのか、特異体質なのかもしれません。もしかしたら、コーラやアイスを飲み食いしなければもっと長生きしたのかもしれません。逆に私たちが制したので、それが多少なりともストレスになって本来放っておけば110歳まで生きた寿命を短くしてしまったのかもしれません。これは誰にも分かりません。

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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