扇の井

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鎌倉十井:扇の井(おうぎのい)

扇の井らしき井戸を発見。個人宅の敷地内のため、見学はできません。

散歩コースなので、何度も確認しに行きました。

300㎜で撮影。はっきりと「扇の井」と読めます。間違いないでしょう。

扇の井に恋い焦がれて何度遠くから眺めたことでしょう。しかし、この日、長年の夢が叶う素晴らしい出来事がありました。所有者様の好意により、撮影許可をいただけました。

この石段の上で静御前が舞い、投げた扇が落下した場所を掘ったら水が湧き出てきたと言う話も聞かせていただきました。一千年近い時を経て、階段はもうかなり風化しています。

恋焦がれた扇の井とご対面です。

普段はゴミが入らないようにトタンで覆われています。内部を覗ける蓋を開けていただきました。

扇の井。感無量です。

扇の井は今でもこんこんと水が湧き、井戸水は生活用水として利用されているそうです。
いよいよご対面です。

中を覗かせていただきました。
静御前が扇を納めた話や、岩山の形が扇型だったから、など、様々な言い伝えがありますが、決定的に面白いのが、井戸自体が円形ではなく、わざわざ扇型に掘られていることです。構造的には円が最も強く、直線の辺があるとその部分は外圧に弱くなるため、本来は扇型に掘るのは力学的には意味がありません。施工も大変だったはずですが、鎌倉時代の人がそれ以上の何か強力な理由があってこの形に掘ったということが大変興味深い事実です。

撮影許可をいただいて、内部を撮らせていただきました。本当に扇型です。

はじめに扇型の井戸があったから様々な伝説が生まれたのか、本当に静御前が投げた扇が落ちた場所から水が出て、それに敬意を表して扇型に掘ったのかは今となっては分かりません。

所有者の方には厚くお礼を申し上げます。ご迷惑をおかけするといけないので、場所は伏せておきます。

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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