鎌倉八幡宮の大銀杏

信心深いわけではありませんが、中学生の頃から初詣は鎌倉の八幡様に決めていました。大晦日に出かけて、深夜に八幡様の階段を登ってお参りをするというパターンです。特に願うことがなくても喜んで出かけたのは、子供が唯一徹夜でどこかに出かけることが許されたイベントだったからかもしれません。横浜から鎌倉までもちょっと距離があるので、小旅行のような感じで、非日常の雰囲気を楽しむために中高の頃は毎年出かけていたのでしょう。

鎌倉八幡宮は人気の神社ですから、若宮大路から本殿まで長蛇の列で、何時間も並んでちょっとずつ進み、最後に急こう配の階段を登ってようやくたどり着きます。そのとき、いつも見守ってくれているのが階段左側にある大銀杏でした。

大学に入ってからは初詣は行かなくなりましたが、鎌倉は好きでよく行っていました。鎌倉に行けば必ず八幡様へのお参りをしていましたし、大きなしめ縄が施されている大銀杏にも挨拶をしていました。

樹齢は1千年と言われ、八幡宮のご神木であり、神奈川県指定の天然記念物でした。

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大銀杏倒れる

2010年3月10日。朝のニュースで八幡様の大銀杏が倒れたというニュースが流れました。衝撃です。あのご神木が台風の影響で未明に倒れたとのことです。1千年もの間、人々を見守ってきてくれた大銀杏が倒れたというニュースを聞いて、なぜかひどく動揺しました。

心配で、次の休みには見に行きました。何もできないことは分かっていても、この目で確かめて、応援を送りたいと思ったのです。

2010年3月19日(金)

仕事がつまっていて、ようやく来れたのが9日後です。

黒山の人だかりかと覚悟して来たのですが、関心を持っている人は少ないようです。

右上の囲いが元立っていた場所、左が倒れた本体を4mほど切り、移植したものです。根付いてくれるか。

2010年4月30日(金)

1ヵ月半後、新しい芽が出始めていました。

元生えていた根からもたくさんの芽が出ています。ものすごい生命力です。エネルギーを貰えた気がします。

2010年5月21日(金)

2ヵ月後。こんなに生い茂っていました。うれしくなります。

2010年5月28日(金)

2010年12月31日(金)

無事に2010年を乗り越えました。葉は黄葉・落葉していますが、再生はうまく行ったようです。安心しました。優秀な樹医のお蔭でしょう。

枯れているわけではありません。冬で落葉しているだけです。
こんなに枝が伸びていたことが分かります。すくすくと育ってくれているようです。
もう大丈夫でしょう。ここからまた1千年以上の歴史がはじまります。

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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