建築系の写真を撮る必要があり、超広角ズームであるNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sを購入しました。14-24mmというズーム域について考察してみます。
なぜ14-24mm
14mmから24mmは10mmの差しかないので、中途半端なズーム域のように感じることもあるかもしれません。広角側をもうちょっと広げて12-24の2倍ズームにできなかったのかとか、望遠側をちょっと伸ばして35mmくらいにできなかったのか、といった声も散見されます。14-24という数字は、Fマウントからの伝統的なズーム域であったということもあるのかもしれませんが、使ってみるとNikonはとことん画質にこだわり、下手にズーム域を広げるよりも誰も真似ができない究極の超広角ズームを目指したということが良く分かります。ズーム比で言うと、たったの1.7倍ズームです。12-24mmとか14-28mmにして何とか2倍ズームにするよりも、ズーム比を抑えてでもとにかく高性能な超広角ズームを無理なく設計すると、14-24mmの焦点域になったのでしょう。おそらく何度も設計を繰り返し、試行錯誤や試作品でのテストを繰り返しての決断だと思います。
他社から12-24mmが出ている中、14-24mmで勝負に出るにはよほどの自信があってのことでしょう。しかもF2.8という明るさです。
使ってみてNikonの意気込みが分かりました。おそらく、広角レンズで有利となるフランジバックが短いZマウントの優位性を活かして、単焦点を超える広角ズームを作ることがテーマになっていたのではないでしょうか。この焦点域には14mm、16mm、20mm、21mm、24mmなど、よく使う広角レンズの定番焦点距離が包含されていますが、これらの焦点距離の単焦点レンズを超えた描写力を目指して設計したように思えます。それだけNikonのこだわりが感じられるレンズです。
10mmの差の画角変化
超望遠レンズの焦点距離10mmの差は誤差のようなものですが、超広角レンズの10mmの差は思ったよりも大きく、14mm~24mmは画角で言うと114°~84°となります。これも数字を見ても分かりにくいので、同じ位置から広角端で撮影した画像と望遠端で撮影した写真を見ていただいた方が直感的に分かりやすいと思います。
14mmと24mmの画角比較
14mmと24mmの画角変化を同じ位置から撮影した画像です。ズーム以外同一条件です。
Body:Nikon Z9:Ver. 4.01:FXフォーマット
Lens:NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S


解体が始まった新宿の小田急百貨店。14mmと24mmではかなりの画角変化になることが分かります。


定番の都庁です。向かいの歩道から撮影すると14mmでは全体が写せますが、24mmでは一部切り出しのような状態になります。
それにしても気持ち良いくらい真っすぐな線がまっすぐに写ります。変態的な非球面レンズを多用することにより、ディストーションが皆無に感じます。


東京都議会議事堂。こういうものを写すと、14mmと24mmの違いが如実に分かると思います。10mmの差は結構大きいと感じます。描写が歪んでいるのではなく、建物が実際歪んでいるのです。


近所の駅ビル兼ホテル。これも画角変化が分かりやすい画像だと思います。広角端も望遠端も直線はあくまでも直線に写ります。水平に構えても、煽っても直線は直線です。


最寄り駅の商店街。
ズーム域について
広角域の10mmの差は確かに想像以上に画角の変化がありますが、もう一つの名玉ズームと言われている24-120mmの目から鱗だった5倍ズームの衝撃と比べるとおとなしい変化量です。こだわった点が異なるのでしょう。この14-24mmは明るいF2.8で、とにかく各種収差を徹底的に除去し、周辺までシャープな描写にこだわって設計されたレンズなのでしょう。
さて、しばらく使ってみましたが、実際14-24mmのズーム域はどうなの、と問われると、ちょっと微妙です。おそらく、このレンズを購入した多くの方々も同じだと思いますが、ほとんど広角端で使っているのではないでしょうか。それほど広角端の14mmの画角と描写が素敵です。
今回はテスト撮影として14mmと24mmで撮りましたが、そういう目的がなければ、ほぼ14mmのままずっと撮っていたでしょう。まれにもう少し大きく撮りたいと思っても、そのためには24mmはちょっと焦点距離が足りない気がします。ましてや、その途中の焦点距離で使うことは個人的にはあまりないかもしれません。旅行などで邪魔なものが写らないようにするためにズーミングをするくらいでしょうか。
Nikon Zマウントの超広角ズームレンズです。FXフォーマットでは画角114度で、最も画角が広いレンズです。 11群16枚(EDレンズ4枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり)のレンズ構成は伊達ではありません。フランジバックが短いZマウントはどのメーカーよりも広角レンズに有利だと言われていますので、Nikonの威信にかけて設計した超広角ズームレンズのようです。 |
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