NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S:レンズフット

ハチロクサンの唯一の欠点は、レンズフットがアルカスイス互換ではないところです。サードパーティ製のレンズフットに交換すれば良いのですが、販売開始してもうじき1年経っても好みのレンズフットが出てきません。信頼できそうな実績があるメーカー製のレンズフットを待っていましたが、ツーピース構造であったり、より大型になったりと、なかなか目的に合うものがないのです。

野鳥撮影は手持ちにこだわっているので、三脚はつかいません。そのため、バランス取りのために前後に移動する必要もなく、長いレンズフットよりも必要最小限の長さで十分です。それよりも高さが低く、軽いものを探していました。

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Haoge LF-Z48

買ったことがないメーカーなので不安でしたが、価格も安かったので試しに購入してみました。

到着した製品を見ると、大変まじめに作られた良い製品だと思いました。製品の説明には以下のように書かれれいます。理系男子が大好きな「削り出し」です。


AS標準インターフェースで、すべてのAcra-Swiss Styleクイックリリースプラットフォームと互換性があります。
ソリッド1ピース一体型レンズメタルフィート、航空機グレードのアルミニウムから精密CNC加工、サテン陽極酸化表面-耐摩耗性と耐腐食性を向上。
ハードアルマイト加工により、外部環境からの保護を強化。
2つの安全停止ネジが両側にあり、誤って落下するのを防ぎます。
1/4インチと3/8インチのねじ穴は、下部にはDRストラップ穴があります。
ストラップホール内蔵。
長さ:125mm
高さ:29.5mm。
重量:165g
対応機種:
Nikon NIKKOR Z 800 f/6.3 Z VR SラインレンズNikon NIKKOR Z 400 f/2.8 TC Z VR SラインレンズNikon NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR Sラインレンズ

長さはほぼ同じですが、高さは5mmほど低く、純正のフットにはアルカスイス互換にするために9mm厚ほどのプレートを付ける必要があるので、総合的に14mm前後低くなります。

個人的にはレンズフットは上に向けてドットサイトを取り付けるためのベースとしているので、遥かに扱いやすくなりました。

装着

専用に作られているだけあって、ぴったりです。レンズ側の台座には微妙なアールが付いていますが、それにもぴったり合うように加工してあり、取り付け後の違和感はまったくありません。当然ですが、ネジ穴もぴったり合います。今回はもともとレンズについていたネジを使用しました。
剛性感もあり、大変しっかりした作りです。

アルカスイス互換のプレートとしては全く問題なく使用できます。プレートとしての精度は十分です。

欠点

純正と比べると持ちにくくなりました。座面の反対側(レンズ側)は溝が切ってある単なるフラットな面です。レンズフットを上に向けて取っ手としてとして使う場合は、やはり純正のレンズフットはよく考えられています。純正のレンズフットは握ってしっかり持てる形状です。

強度と耐久性

まだ使用期間が短いので、評価できません。

三脚で使用する場合、レンズフットの強度と耐久性は最重要項目です。使用中に折れたりしたら致命的なので、純正からの変更は、無責任におすすめできることではありません。
個人的には光学照準器(ドットサイト)の取り付け用としてこのアルカスイス互換のレンズフットに交換しました。照準器の台座としては十分な強度と耐久性があるでしょう。
レンズやボディの支えとして使用した場合は遥かに大きい曲げモーメントやせん断応力がかかると思いますので、レンズフットの交換は自己責任で行ってください。無条件でこの製品を推奨しているわけではございません。
また、交換したレンズフットの破損や不具合によってレンズやカメラなどが破損しても責任を負いません。ご自身で仕様や強度をご確認の上、ご自身の判断でご検討ください。

総評

極めてコストパフォーマンスが高い863用レンズフットです。加工精度もよく、ピッタリと装着できます。プレート側も問題なく、アルカスイス互換のクランプに問題なく装着できます。
個人的に野鳥撮影で三脚は使わず、ドットサイト装着用にレンズフットを上向きで使っていますが、今までよりもレンズ光軸近くに設置できるようになったので、パララックスが減り、より使いやすくなりました。
今までのレンズフットより価格もかなり抑えられていますので、自分の用途では大変満足できる仕様でした。

Nikonは頑なにアルカスイス互換のフットにしません。大人の事情があるのでしょう。
個人的にはカメラ周りの接続はすべてアルカスイス互換に統一しているため、すべての望遠レンズのレンズフットの交換を余儀なくされます。無駄な出費が強いられますが、それも一つの楽しみと思うことにします。
これから各社の863用のアルカスイス互換のレンズフットが登場することでしょう。より良いものが出たら試してみます。望む仕様は、純正のフットと同じくらい持ちやすく、アルカスイス互換なだけなのですが。

有名メーカー製のレンズフットが軒並み数万円で販売されている中、不安になるほどの安さです。しかし、実際に使ってみるとしっかりした作りでレンズとの接合部も、アルカスイス互換のアリガタ部も高精度に作られています。
強度や耐久性はまだよくわかりませんので、純正からの交換は自己責任でお願いします。

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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