Nikon Z9+NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S レビュー(総論)

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究極の超望遠レンズ

https://www.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_800mm_f63_vr_s/

2021年12月14日に開発発表されてから話題沸騰のNikonの超望遠レンズです。位相フレネルレンズを採用し、小型で超軽量な800mmです。野鳥、航空機、電車、スポーツなど望遠レンズが多用されるシチュエーションで多大なる威力を発揮することが期待されています。
位相フレネルレンズのフレアやコントラストの低下は克服できているのか、F6.3に抑えられていることのメリットデメリット、5段(Z9との組み合わせでは5.5段)分の手振れ補正は本当か、など、気になることが満載です。すべて噂のスペック通りだとすると、800mmを手持ち撮影できる夢のようなレンズになります。

購入の経緯や使用感などのレポートをしてみたいと思います。自分は野鳥撮影の目線での評価しかできませんが、検討されている方の参考になれば幸いです。

開発発表から予約

画期的なレンズとして発表直後から注目を集めたレンズでしたので、清水の舞台から飛び降りる覚悟で頑張って予約しました。

初見

何とか無事に入手でき、ご対面です。

重量

800mmF5.6の約半分、500mmF4+テレコン+アダプタよりも1kg以上軽い800mmです。

手振れ補正

夢の800mm手持ち撮影は本当に可能か。

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軽いと評判のNIKKOR Z800mmですが、Nikonの公式サイトの写真のように女性が軽々と手持ちで扱えるレンズなのでしょうか。発売と同時に購入して4ヵ月ほど使用した家内のレビュー動画を作ってみました。決して軽いとは言いませんが、本当に女性でもフィールドで手持ちで扱える画期的なレンズでした。

解像度

解像度、コントラストを示すMTF曲線が驚異的に天井に張り付いています。素晴らしい光学性能を示すはずです。実際の画像で確認してみましょう。

フレア・コントラスト

位相フレネルレンズに不信感を持っている人も多いようです。確かに今までは逆光気味のシチュエーションなどではフレアに悩まされたりコントラストが低下することもありました。かなり改良が進められているようですが、はたして本レンズはどうでしょうか。

動体撮影

Z9との組み合わせで動体撮影を試みました。

追記

Z9のファームウェアがVer. 3.00にアップデートされ、本レンズの性能をより引き出すことができるようになりました。

テレコンバーター

4ヵ月かかってようやく2倍テレコンが届きました。元の素性が良いので、限界にチャレンジしてみたくなってしまいました。テレコンバーターは賛否両論ありますが、Zマウントの新しい世代の単焦点レンズとテレコンバーターは今までのテレコンの悪いイメージを払拭してくれるかもしれません。

レンズフット

純正のレンズフットは持ちやすく作られていますが、アルカスイス互換ではないので、様々な器具を取り付ける際に何かと不便です。自分は上に向けて照準器を付けていますが、位置の再現性のため、アルカスイス互換のプレートとクランプが必要です。

リュック

私は今まで500mmF4を入れていたリュック(VANGUARD ALTA SKY 66)があります。800mmの方が小さいので余裕で入ります。
家内も同じレンズを買ったので、家内用のリュックを新調する必要がありました。色々と検討して最適なリュックを購入しました。aosta Sanctuary III RK650です。黒のカモフラージュがなかなかカッコいい。

手持ち撮影のための装着

野鳥撮影は手持ち撮影でないと撮れない鳥が多く、個人的に三脚は使いません。レンズとカメラをぶら下げてフィールドを練り歩き、野鳥を見つけては撮影するスタイルです。どこにどうぶら下げるかが使い勝手と安全面で大変重要です。私達が実践している方法を紹介させていただきます。

未作成

野鳥撮影

サンプル画像

ビデオレビュー

女性でも使えるのでしょうか。
はい。十分使えます。
Z50との組み合わせで家内が4ヵ月使ったので、使用レビューを動画で作ってみました。

総評

個人的な感想は、「未だかつてない夢の超望遠レンズ」だと思いました。本当に手持ち撮影できる800mmです。今までの既成概念はすべて捨て去って評価しなくてはなりません。三脚なんか使ったら魅力は半減するでしょう。積極的に手持ちで撮影したくなるレンズです。

レンズ単体で5段、Z9との組み合わせで5.5段の手ブレ補正は伊達ではなく、フルサイズで800mm、DXで1200mmに相当する超望遠レンズを1/100秒前後のシャッター速度で撮影できてしまいます。

フィールドで持ち歩いて、野鳥を見つけて手持ちでサッと撮ることができます。こんなことは、1年前には考えられなかったことです。おそらく、長年超望遠レンズを使っていた人ほど驚きが大きいでしょう。「800mmを手持ちで撮影するなんて、うまく撮れるはずがない」と思うのが普通です。それが見事に覆され、逆に「三脚なんか使ったらもったいない」と思うようになります。

野鳥、航空機、電車、自動車、スポーツなどを手持ちで撮影したいカメラマンで、800mmの焦点距離が必要な方にはおすすめできるレンズです。


カメラ関連
Nikon Z 9 ボディ

野鳥撮影にも最強のパフォーマンスを発揮するミラーレスフラグシップです。被写体検出機能で野鳥も認識して目にフォーカスを合わせてくれます。本格的に野鳥撮影をする方にはおすすめです。
FTZ-IIを介して今までのFマウントの超望遠レンズも問題なく使えます。ZマウントのNIKKOR Z 800mm f/6.3 VR Sとの組み合わせは5.5段のVRが効き、800mm(DXで1200mm)ながら手持ち撮影が可能になります。


Nikon FTZ II

予備バッテリーEN-EL18d

予備バッテリー室カバー

L型ブラケット

液晶保護ガラス
メディア

最速650GB
動画メインの人にはおすすめ

最速325GB

128GB

256GB

128GB
標準ズーム

24-120mm f/4 S
イチオシ標準ズーム

24-50mm f/4-6.3

24-70mm F/2.8 S

Z 24-70mm f/4 S

28-75mm f/2.8
単焦点レンズ

NIKKOR Z 20mm f/1.8 S

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NIKKOR Z 85mm f/1.8S

NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
野鳥撮影用おすすめ超望遠レンズ(Zマウント)
NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S

位相フレネルレンズ採用の小型軽量の800mm単焦点レンズです。全長385mm、重量約2385gで、800mmの超望遠レンズとしては驚異的な軽さです。5段分(Z9との組み合わせでは5.5段)のVRにより、手持ち撮影が可能です。DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。
Zマウント純正テレコンバーター

Nikon Z TELECONVERTER TC-1.4X

Nikon Z TELECONVERTER TC-2.0X
野鳥撮影用おすすめ超望遠レンズ(Fマウント)

AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR

NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VR

マウントアダプターFTZ2
著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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