Nikon Z9+Leica Lens:レンズ情報手動設定による手振れ補正

以前Z50やZ5でレポートさせていただいたように、Zマウントはオールドレンズや他社のこだわりのレンズで遊ぶには優れた設計です。

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55mmの大口径

日本の有名カメラメーカーの中で、35mm判フルサイズカメラのレンズマウントとしては最大口径です。したがって、アダプタさえあれば何でも装着できます。口径の差によってケラレルこともありません。

ただし、撮影できるかどうかは別問題です。物理的に取り付けられても電子化された中途半端に新しいレンズはマニュアル操作ができないものもあります。フォーカスも絞りも完全にマニュアル操作ができるレンズに限ります。自己責任で事前にご確認ください。

16mmのフランジバック

マウントの座面からセンサー表面までの距離をフランジバックと言いますが、現在出ている有名メーカーのミラーレス一眼の中では最短のフランジバックです。そのため、物理的に装着さえできれば、ほとんどのマニュアル絞り、マニュアルフォーカスのレンズは使えます。

フルサイズ

ライカ判と言われるフィルム時代からのデファクトスタンダードとなっている36×24mmのフルサイズフォーマットをラインナップしています。ライカやツァイス、フォクトレンダーなど、レンズの「味」にこだわりをもった製品はフルサイズ用に設計されているものが多く、ボディ側がフルサイズでないとせっかくの「味」を楽しめなくなってしまいます。Zマウントはもちろんフルサイズ対応です。

手振れ補正

ミラーレス時代になり、センサーシフト方式によるボディ内手振れ補正が一般的になってきました。普通にZのボディでZのレンズを使っている分には今までのFマウントボディにVR付きのFマウントレンズを使うのとほぼ同様な結果が得られますが、オールドレンズを使う時はZのボディ内手振れ補正が今までにない効果を発揮してくれます。

上記のように、Zマウントはアダプタさえあればオールドレンズにやさしい仕様ですが、さらにこのボディ内手振れ補正の恩恵を受けることもできるのです。これはオールドレンズフリークには画期的なことです。つまり、世の中に手振れ補正などという概念すらなかった頃に設計されたレンズでも、現代の英知を寄せ集めた最新のカメラで手振れ補正を効かせて撮影できるということです。これは素晴らしい。
たとえ100年前のレンズであっても、手振れ補正付きで撮影できます。今まで暗くて撮れなかったシーンや、ブレブレになってしまうようなシーンでも撮れるようになるのです。今まで撮れなかったものが撮れる。それだけでもワクワクします。

設定

オールドレンズは電子接点などというものは一切なく、カメラ側はどんなレンズが取り付けられているか知る由もありません。そのため、単にアダプターを買って取り付けただけではボディのVR機構を作動させることができません。ボディ内VRを有効にするためには、レンズ情報を登録する必要があります。

レンズ情報手動設定

Nikonのミラーレスカメラのセットアップメニューには、「レンズ情報手動設定」という項目があります。これは他社のレンズや他社のオールドレンズに向けたものではなく、おそらく自社のVRが付いていない頃のレンズに向けたものなのでしょう。他社レンズの使用を推奨するのは変ですので。
しかし、おそらく焦点距離の情報だけからでもある程度の手振れ補正ができるようで、他社のレンズであろうと、ここに情報を入れるだけでVRが有効になります。もちろん、Leicaのマニュアルレンズでも、焦点距離が合っていればVRが予想以上に効くことが実感できると思います。設定と効き具合は次の動画で示しました。参考までに。

やはりTTArtisanのM-Zアダプタの方がカッチョイイですね。精度も高く、カッチリはまります。

作例

義理の父の形見、Leica SUMMILUX-M 1:1.4/50を装着しました。

ボディ内VRの効き

ボディ内VRがはたして何段分くらい効くのか、試してみました。

手持ち限界は、一般的には1/焦点距離(mm)と言われています。50mmのレンズだと1/50sが目安となります。1/60から1段ずつ試してみました。4段分相当の1/4sまでは余裕で手持ち撮影ができます。5段相当の1/2sあたりからかなり怪しくなります。頑張れば何枚かに1枚はブレずに撮れる程度で、6段の1秒になると相当怪しいでしょう。7段の2秒は全滅でした。

上の手持ち1s写真の等倍拡大。VRはかなり効いている印象ですが、1sはやりすぎでしょう。

歩留まりからすると、1/4sまでは普通に撮れるので、VRの効きは約4段分と評価できます。Nikonとまったく関係ないLeicaのレンズで、しかも数十年前の設計ですが、本家Leicaでは撮影できなかったような暗い状況でも1/4sのシャッター速度で撮影できてしまいます。不可能を可能にする技術です。

しかもZ9は20個もレンズを登録できます。自社のオールドレンズ用だと分かっていても、何にでも使える 「レンズ情報手動設定」 の機能はあらゆるオールドレンズを推奨しているように思えてなりません。
業界最大口径、最小フランジバックは、オールドレンズや他社製レンズを使える能力を秘めているのです。


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ライカMマウントレンズをお持ちでニコンのZマウントカメラで使いたい方にはおすすめです。ライカMマウントの方がフランジバックが長いので、ほぼすべてのライカMマウントレンズがZマウントカメラで使用できます。
もちろん、マニュアルフォーカス、マニュアル露出ですが、ミラーレスでの操作性は大変良く、フィルムカメラで育った人たちには違和感なく使えるでしょう。
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野鳥撮影にも最強のパフォーマンスを発揮するミラーレスフラグシップです。被写体検出機能で野鳥も認識して目にフォーカスを合わせてくれます。本格的に野鳥撮影をする方にはおすすめです。
FTZ-IIを介して今までのFマウントの超望遠レンズも問題なく使えます。ZマウントのNIKKOR Z 800mm f/6.3 VR Sとの組み合わせは5.5段のVRが効き、800mm(DXで1200mm)ながら手持ち撮影が可能になります。


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NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S

位相フレネルレンズ採用の通称ロクロクサンと呼ばれる600mmF6.3の単焦点レンズです。
全長278mm、重量1470gで、600mmの焦点距離からは想像できないほど小型軽量です。レンズ単体で5.5段、Z9やZ8との組み合わせではシンクロVR機構によって6段分のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると900mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで840mmF9、1200mmF13、DXで1260mmF9相当、1680mmF13相当となります。
最短撮影距離が4mなので、野鳥が近い公園などでは有利となります。

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NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S

位相フレネルレンズ採用の通称ハチロクサンと呼ばれる800mmF6.3の単焦点レンズです。
800mmの超望遠レンズとしては驚くほど小型軽量で、全長385mm、重量2385gしかありません。レンズ単体で5段分、Z9やZ8との組み合わせでは、シンクロVR機構によって5.5段のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。 最短撮影距離が5mあります。野鳥が遠い公園や小型の野鳥を大きく写したいときに有利となります。
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著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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