
Z9だけの機能ではありませんが、Zシリーズには「レンズ情報手動設定」なる機能があり、オールドレンズや他社のマニュアルレンズを登録してボディ内の手振れ補正を作動させることができます。使うレンズの焦点距離、開放F値を登録するだけで済みます。
前回、TTArtisanのM-Zアダプタを介してLeica SUMMILUX-M 1:1.4/50を装着して実験しましたが、レンズ情報として50mm、F1.4の情報を登録するだけでボディ内手振れ補正が大変良く効くことが分かりました。50mmレンズでは一般的に1/50sのシャッター速度が必要ですが、約4段分の手振れ補正がなされるようで、1/2~1/4sくらいまで手持ちで撮影可能です。これは今まで撮れなかったシーンの撮影が可能になる画期的なことです。
手持ち撮影で動いているものだけをブラす
三脚を使った長時間露光で人を消したり、車を消すテクニックがありますが、先日の手振れ補正テストの感触からZ9ならそれを手持ちでできるのではないかと思い、チャレンジしてみました。狙ったのは背景がまったくブレず、街行く人だけがブレているような写真です。三脚ではなく、ボディ内手振れ補正を活かした「手持ち」で撮ることがポイントです。50mmレンズであれば、1/4s前後のシャッター速度で歩く速度程度の動きは十分にブレてくれます。
カメラを普通に構えると往来を止めてしまったりして迷惑をかけてしまうので、ウェストレベルに構えて、液晶を起こしてそれを見ながらシャッターを切りました。がっちりホールドしないとブレますが、1/2sでも期待通りに動くものだけブレ、背景はブレてない写真が撮れました。1/2sだとちょっと流れ過ぎなので、1/4sや1/8sでも良かったかもしれません。
ファインダー像サンプル
ブラックアウトフリーが売り文句ですが、さすがに1/2sのシャッター速度だとブラックアウトします。1/8s以上でブラックアウトフリーになるようです。マニュアルフォーカスで、ピーキング表示にしているので、ピントが合っているエッジは赤く表示されています。
完全に手持ちですが、思ったより手振れ補正が効いていて、ファインダー像もあまり揺れません。
作例

Exposure Time : 0.5
Exposure Program : Manual
ISO : 100
50mmレンズ、シャッター速度1/2sで普通に歩く人はこのくらいブレます。師走の夕方、家路を急ぐ人の雰囲気が出ていて、なかなか良い感じです。1/2s手持ち撮影でも背景はブレていません。残念ながら腕ではなく、Z9の強力なボディ内手振れ補正のお蔭です。

Exposure Time : 0.5
Exposure Program : Manual
ISO : 100

Exposure Time : 0.5
Exposure Program : Manual
ISO : 72
まだ少し明るかったので、かなり絞り込んで撮影しました。1/2sは結構限界で、1/4sや1/8sくらいの方が歩留まりが上がると思います。この写真も人物は程よくブレてくれましたが、背景もよく見るとちょっとブレています。
Z9はISO 64まで使えます。こういう撮影のときに重宝します。
絞りは開放から絞っても数段程度、ISO感度は可能な限り低感度で使いたいのでシャッター速度の選択幅が広いことが撮影の幅を大きく広げてくれます。Nikon Z9では、50mm標準レンズで1/2s~1/32000s、なんと14段もの幅が提供されます。もちろん、その場の明るさに応じて使えるシャッター速度の制限はありますが、上記範囲内であれば選べるというだけで、撮影の幅が広がります。


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