Nikon Z9:記録メディアについて:HOT CARD警告

なにこれなにこれ。おいしいの?

Nikon Z9の記録メディアとして使用できるのは、CFexpress カード(Type B)とXQDカードです。さらに、Z9の仕様ページを見ると、

  • ハイスピードフレームキャプチャ+撮影を行うには、最大250MB/s以上の転送速度を持つCFexpressカードまたはXQDカードをおすすめします。
  • 動画の撮影および再生には、最大45MB/s(300倍速)以上の転送速度を持つCFexpressカードまたはXQDカードをおすすめします。
  • 画像サイズが大きい動画やフレームレートが高い動画の撮影および再生には、最大250MB/s以上の転送速度を持つCFexpressカードまたはXQDカードをおすすめします。転送速度が遅いカードでは、動画の記録および再生が途中で終了することがあります。

と書いてあります。

基本的に仕事は静止画がメインで、動画を撮るのはまれです。動画を撮る場合でもフルHDで十分で、8K60pなどのフルスペックで使うことはありません。そのため、今まで信頼していたLexarのCFexpress type B 128GBを使用していました。

LEXAR CFexpress type B 128GB

2021年末のZ9と同時に購入しました。今までも Lexar 社のメディアを使っていて、何百万枚撮ったかわかりませんが一度も壊れたことがないので、自分の中では一番信頼しているメーカーです。
Z9も半年ですでに13万枚ほど撮影していますが、データの破損は皆無です。

問題発生(HOT CARD)

梅雨も明け、7月になって猛暑日が続くと「HOT CARD」の警告が出るようになりました。確かに30度を超えた炎天下で数時間フィールドを歩き回るという過酷な使用条件ではありますが、少なくとも人が活動できている環境なので、もう少し頑張って欲しいところです。もっとも、HOT CARDの警告が出てもすぐに撮影不能になったり、データが失われたりするわけではありませんが、警告が出続けているのは気持ちが悪いものです。電源を切り、ふたを開けてあおいだりしていると消えますが、炎天下ではまたすぐに警告が出てしまいます。メディアの問題なのか、カメラの問題なのか、それとも問題ではなく「仕様」なのかも判断がつきません。

調べてみると、CFexpressのハードウェアにはTLCとSLCといったいくつかの仕様があり、発熱の度合いが異なるようです。 SLCタイプの方が書き込みが高速で発熱量も少ないが高価になると。各社価格帯に応じて様々な方式を採用しています。そんな中、ProGrade Digital のCOBALTシリーズはすべて発熱が少ないSLCを採用しているとのことでしたので、買い替えてみました。

ProGrade Digital CFexpress Type B COBALT 1700R

まがい物ではないかと疑うほど簡易なパッケージングです。無駄なことにコストをかけないという企業の姿勢だそうです。地球にやさしい。

Nikon Z9のウェブサイトの仕様ページにも推奨メディアとして掲載されているProGrade Digital CFexpress Type B COBALTシリーズですが、今まで325GBと650GBしかなく、8K動画などをメインで撮影する人には必需品でしょうが、静止画メインのユーザーにはオーバースペックと思っていました。価格も高額で、650GBに至っては10万越えです。

HOT CARD警告に悩まされてどうしようかと思っていたら、ちょうどよく、COBALTシリーズの165GBタイプが発売になりました。HOT CARD問題が解決されるのかどうかわかりませんが、試しに購入してみました。

自分はダブルスロットを順次記録方式で使っているので、今までのカードはスロット2で使っています。
はたしでどうでしょうか。

ブンチョウさんも興味しんしん。

再度HOT CARD警告

最高気温33度の炎天下の使用で ProGradeDigitalでも再度HOT CARDの警告が出てしまいました。LEXARでもProGradeDigitalでも同じでした。Z9の温度センサーが過敏なのでしょうか。いずれにしてもLEXARのメディアが悪いわけではありませんでした。疑って申し訳ありません。

今のところどちらのメディアでも同じようにHOT CARDの警告が出るだけで、データが失われたり、撮影不能や連写不能になったりはしませんが、ファインダーに黄色でいかにも警告っぽい表示が出ると気持ちが悪いものです。気にせず使い続けて良いものなのか、心配になります。気温30度超えの炎天下で数時間撮り続けるのは普通ですし、夏場のスポーツカメラマンなどはそれが日常でしょうから、その程度で使えなくなってしまっては仕事カメラとしては問題です。

全く異なるメーカーの異なる仕様のメディアで同じ症状なので、ボディ側の問題の可能性が高くなってきました。

HOT CARDの警告が出るときはどのような状態なのか、どう対処したらよいのか、Nikonに問い合わせてみました。同様の問題に直面している人もいらっしゃると思いますので、Nikonからの回答をお伝えします。

Nikonからの回答1

メモリーカードカバーの内側に示されているように、カメラ内のメモリーカードは高温になることがあります。

撮影画面にメモリーカード高温の注意表示が表示されたときは、メモリーカードを取り出そうとせず、温度が下がって表示が消えるまでお待ちください。

上記については、下記Webページの「メモリーカード高温の注意表示が表示されたときは」をクリックしてご確認くださいませ。

【Z 9 活用ガイド:メモリーカードを入れる】 https://onlinemanual.nikonimglib.com/z9/ja/03_first_step_04.html

【Z 9 活用ガイド:動画を撮影する】
https://nc-clm.my.salesforce.com/console

カードの温度以外のことは何も触れられていません。HOT CARDの警告は、「メディアが熱くなっているから気を付けてね」という注意喚起なだけであって、カードが熱くなっているから使用を控えた方が良いとか、連写速度を抑えたり、動画撮影を控えたりする必要はなく、単にヤケドしないようにね、という注意に過ぎないということでしょうか。
訴訟大国アメリカでは、マクドナルドのコーヒーで火傷をしたと訴えられて高額な損害賠償を払わされた話が有名ですが、この警告も訴訟を逃れるためのものでしょうか。

一応、HOT CARDの警告が出てもデータ処理への影響や使用制限はなく、データ記録上安全に使えるのかどうかが気になるので、再度確認しています。

また、「熱くなっているから注意してね」というだけの意味合いでしたら、ファインダーにずっと表示されているのはかなり撮影の妨げになります。カードが熱くなるのは知っているので、警告を消す方法がないのかどうかも問い合わせています。炎天下で使用していると、ほぼずっと警告が出ています。黄色の表示で目立ち、すこぶる邪魔です。

Nikonからの回答2

残念ながら、HOT CARDの警告表示を無くすことはできません。
何とぞ、ご了承いただきますようお願いいたします。

なお、書き込み速度やデータ処理について、明確な注意事項はありませんが、前回ご案内のとおり、撮影画面にメモリーカード高温の注意表示が表示されたときは、メモリーカードを取り出そうとせず、温度が下がって表示が消えるまでお待ちください。

前回ご案内のURLに誤りがありましたので、訂正してご案内したします。

【Z 9 活用ガイド:動画を撮影する】
https://onlinemanual.nikonimglib.com/z9/ja/04_basic_photography_and_playback_02.html

質問と回答がかみ合っていません。データの書き込みの影響について聞いたのですが、かたくなに触った時の温度に関することしか書いていただけません。
カードが熱くなるのは知っていますし、取り出すときは冷ましてから取り出すということは分かっています。
知りたいのはそんなことではなく、HOT CARDの警告を無視して撮影を続けても問題はないのかということです。どうもメーカーとしては明言を避けているようですが、ユーザーとして重要なポイントなので、再度その点に絞ってしつこく質問してみました。

Nikonからの回答3

ようやく知りたい情報が得られました。

警告表示が出た状態でそのままご使用いただくと、場合により、カードの書き込み速度が低下し、連続撮影可能コマ数が減ったり、動画が停止する場合がありますので、ご注意ください。

とのことです。マニュアルには、熱くなっているからメディアを取り出すときに注意するための警告のように書かれていますが、やはり警告を無視して使い続けると書き込み速度が低下したり、連続撮影数が減ったり、動画が停止する可能性もあるということのようです。
しかし、暑いとはいえ、32~33度の最高気温で、人間が普通に活動している環境です。そのレベルでHOT CARD警告がでて、使用に制限がでてしまうのはいささか残念です。「場合による」とあるので、必ずしも問題が発生するとは限らないようですが、警告が表示される以上、仕事上は不安感がつのります。スポーツカメラマンなんかはもっと過酷な条件で撮影することでしょう。皆さんどのように対応しているのでしょうか。

何か対処法があれば教えて欲しいと打診しました。

Nikonからの回答4

誠に申し訳ございませんが、これまでご案内させていただいた内容以上の情報はございません。
何とぞ、ご了承くださいますようお願いいたします。

撮影のタイミングをずらしていただくか、または、ご所有のカメラについてご心配な場合は、弊社サービス機関へカードと一緒に点検をご依頼ください
ますようお願いいたします。

Nikonのフラグシップなのに、夏は使えないということでしょうか。調べるとか検証するという回答ではないので、これが仕様ということのようです。8Kの連続録画など、熱問題に一番強いと思っていたので、このサポートからの回答はがっかりです。問題を解決する気がないようです。行間を読むと「これ以上しつこく聞いてくるなよ」という担当者の思いが伝わってきます。実際わからないのでしょう。
この夏、炎天下の競技場やレース場で連写したり、8K動画を撮られている方もたくさんいらっしゃると思うのですが、HOT CARDの警告は出ず、皆さん問題なく記録できているのでしょうか。HOT CARDの警告が自分のカメラだけだとしたら、何か初期不良の可能性があります。温度センサーが過敏なだけなら良いのですが。

発売が2021年12月なので、市場に出たZ9にとってはじめて迎える夏です。まだ情報が上がってきていないだけかもしれませんので、HOT CARDの警告が出る方は対処法などを問い合わせてみてください。頻発していることが判明すれば、ファームウェアなどで対応できるのかもしれません。

追記(2022年7月26日)

複数の読者の方から連絡をいただきました。同様に夏になってHOT CARD問題が発生しているそうです。皆さんサポートに連絡されているようなので、早期に解決されることを期待しています。
少なくとも私のカメラだけに発生している問題ではないことが分かりました。

追記(2022年8月22日)

Nikonからは何も公式な発表はありませんが、一人の読者の方から有力な情報をいただきました。教えていただいたお話では「ハイスピードプリキャプチャとEVFのビットレートを120に設定すると熱持つようです」とのことです。

思い当たる節があります。4月20日発表のファームウェアVer.2.00から「 ファインダーの高フレームレート表示 」が追加になり、せっかくなので、そのタイミングでオンにしていました。

それが原因である可能性にかけて、この1ヵ月、「ファインダーの高フレームレート表示」をオフで使ってテストをしていました。結果、HOT CARD警告は一度も出ていません。連日HOT CARDに悩まされていたのがうそのようです。この1ヵ月も猛暑日が続いており、35℃の炎天下での使用も含まれています。それでも警告はでませんでした。

確証はありませんが、高フレームレート表示をオンにするとカメラ内部の温度が上昇してカードもより熱くなったり、温度センサー自体が影響を受けている可能性があります。
たまたま私のカメラはそれで治っただけなのかもしれませんが、同様にHOT CARD警告に悩まされている方で、 「ファインダーの高フレームレート表示」をオンで使用されている場合はオフにして試してみる価値はあると思います。

ロットや個体差もあるのかもしれませんが、少なくとも複数のZ9でこの夏HOT CARD警告問題が発生していることは明らかで、ファームウェアVer.2.00以降+炎天下のフィールドという共通点があります。サポートにもユーザーからの問い合わせが来ているはずです。
正式にはNikonからの公式発表が望ましいのですが、サポートとのやり取りからは公式には認めたくないニュアンスが伝わってきます。
しかし、写真で生計を立てている人にとっては死活問題ですから、はっきりしてもらいたいものです。様々な条件で内部温度の測定などをすれば原因は追究できると思うのですが。

連絡をいただいた読者の方にはただただ感謝しております。Nikonのサポートとは対照的です。


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DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
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著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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