5.6mm芯ホルダー:Kaweco カヴェコ クラッチペンシル スケッチアップ ブラスRAW

Kaweco-SketchUp 5.6

100年以上の歴史を持つカヴェコ社はドイツの有名な筆記具メーカーです。しかし、あまり一般ユーザー向けではないので、聞いたことがないという人が多いのではないでしょうか。かなり個性的で専門性が高いマニアックな製品を多く作っていますので、知る人ぞ知るメーカーだと思います。逆に建築系、美術系や文具ヲタクに近い方々にとっては有名なメーカーです。
多くの筆記具が軽さや生産性などを追及して樹脂製の軸を採用している中、このシリーズは真鍮(しんちゅう)で作られています。
絵にかいたような、いかにも実質剛健な「ドイツ人が作りましたー」という作りです。日本人も、イタリア人やフランス人もこんな筆記具は作らないでしょう。カヴェコだけです。

軽量化とか、そんな軟弱なことは考えない、という感じの作りで、重く、頑丈で、まず壊れるという言葉とは無縁な作りです。良い意味で無骨です。踏んでも折れるようなことはなく、足を怪我するだけでしょう。おそらく一生使えるどころか、何世代も使える代物だと思います。
いざというときは護身用になるかもしれません。
特に写真のブラスRAWは名前の通り軸の真鍮は素材そのままで、塗装もなにもしてません。そのため、使っていると手が金属くさくなりますが、それも一興です。

軸は無垢の真鍮です。

自分は無骨で重い筆記具の方が好みなので、大変書きやすく感じますが、これは好みが分かれることでしょう。

サイズ感はこんな感じです。ブンチョウ飼ってる人にしかわからないか。手のひらの中に包んで使える長さです。

スケッチやデッサン用なので、回しながら使えるように余計な突起物はいっさいありません。旧人類世代の建築屋は筆記具は何でも回しながら描く癖がついているので、多くのペンに付いているクリップなどは大変邪魔なのです。製図用の筆記具の多くはクリップが取れるように設計されていますが、Kawecoのこの芯ホルダーはそもそもクリップがついていません。それでは困るという人のために、別売りで販売されています。自分は筆入れを使うのでクリップは使いませんが、胸ポケットに入れて持ち歩きたいという方には別売りクリップがおすすめです。
長い軸だとクリップが丁度手の甲に当たる位置に来てしまって回すときに邪魔になるのですが、これだけ短い軸で、ちょっと下げた位置に取り付ければちょうど手のひらの空洞部分にクリップが来て邪魔にならないのかもしれません。

短めに作られた10.2㎝の全長は不思議と丁度良い長さで、普通に鉛筆のように持つこともできますし、写真のように手の掌に入れて包むように持つこともできます。持ち方によっても紙との設置角度が変えられるので、自由度が高くなります。スケッチやデッサンで使う美術系の方々は短い軸を様々な持ち方で使うようです。

真鍮の軸はカヴェコの定番の8角柱です。回しながら描く場合は円の方がスムーズに扱えますが、クリップがない円形断面の筆記具は転がってしまうので扱いにくくなります。多くの筆記具は6角形が基本ですが、6角形よりも円に近く、かつ円よりも転がりにくいことから8角形にしたものと思われます。筆記具は3本の指で持つことが多いので、6角形の方が理にかなっているように思われがちですが、持ってみると不思議とこの8角形の形状が手にフィットすることが分かります。ここにもこだわりが感じられます。
先端は8角形断面の角が落としてあり、なだらかに円形断面に移行します。

全長が10.2㎝しかないので、他メーカーの長い5.6mm芯を使う場合は折って使います。純正の替え芯の長さは8㎝です。コヒノールなどの芯は12㎝あるので、半分くらいに折って使います。

スペック

全長:102mm
形状:8角柱
太さ:面-面で13mm、角-角で14mm
材質:軸:真鍮 その他:不明(おそらく鉄にクロームメッキ)
重さ:45g

総評

個人的には気に入って使っていますが、正直、万人におすすめできる筆記具ではありません。
 ・5.6mmの濃い芯で図やデッサンを描きたい
 ・重い軸が好き
 ・回しながら描くくせがついている
 ・金属軸が好き
 ・太短い形状が好き
 ・金属臭が嫌いじゃない
 ・ドイツっぽい実質剛健主義に共感できる
な芯ホルダーマニアな方にはおすすめします。



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Kaweco

Kaweco カヴェコ クラッチペンシル スケッチアップ ブラスRAW こんなに重くて丈夫な芯ホルダーを作る必要があるのかと思うほどしっかりした作りの5.6mm芯ホルダーです。姉妹品として銀色のブラススティンクローム、黒のマットブラックがありますが、軸の材質はすべて真鍮の削り出しで、表面にメッキや塗装が施されているものと思われます。自分は剥げると嫌なので、ブラスRAWにしました。
ブラスRAWという名称からも、真鍮素材そのままむき出しを主張したこだわりを感じます。
軸の太さは1㎝ですが、長さは短く、10.2cmしかありません。ゴロンとした形状です。そのため、長い芯は折らないと入りません。重さは45gあります。重い方が描きやすいという人にはきっとはまります。

Kaweco カヴェコ クラッチペンシル スケッチアップ ブラススティンクローム

Kaweco カヴェコ クラッチペンシル スケッチアップ マットブラック
別売りクリップ

Kaweco カヴェコ クリップ N ゴールド

Kaweco カヴェコ クリップ N シルバー

Kaweco カヴェコ クリップ N ブロンズ

KOH-I-NOOR HARDTMUTH

コヒノール 芯ホルダー 5.6mm KH5348 ブラック チェコの老舗文具メーカー、コヒノール(KOH-I-NOOR)社の5.6mm芯ホルダーです。
全長が14.2㎝あり、コヒノールのオリジナル替え芯がそのまま使えます。
軸は樹脂製ですがバランスが良く、クリップなどの余計な突起物もないので、スケッチやデッサンに特化した設計になっています。
重さ36g。

KOH-I-NOOR(コヒノール) メカニカル クラッチ リードホルダー 56 5340 シルバー
重さ50gの重量級。

コヒノール 芯ホルダー 5.6mm KH5344
全長10㎝、18.14 g。

KOH-I-NOOR コヒノール 5353 Versatil 5.6mm 芯ホルダー(ブラック)
全長11㎝、重さ20g。

コヒノール 芯ホルダー 5311CN1005 5311 ブラック 5.6mm 4B
121.5mm、42g。

替え芯


カヴェコ 替芯 5B 5.6mm (3本)

コヒノール 芯ホルダー 5.6mm 替芯 4865/6B

コヒノール 替芯 5.6mm 4B
カラーの芯もあります。
カヴェコ 替芯 カラー 5.6mm (3本) この製品は長さ8㎝なので、短い軸でもそのまま使えます。
この手の色物は固い芯が多いのですが、この芯は何と言うか、パステルのような感触です。
透明なプラスチックケースに入っているので、筆箱の中に忍ばせておくことができます。
意外と脆いので、使っていると細かいくずが出ます。あまり筆圧をかけると折れそうです。あまり鋭角に研磨しないことをおすすめします。

e+m クラッチペンシル替芯 5.5mm (蛍光3色)

レインボーペンシル芯 5.6mm x 90mm 色付き替芯

コヒノール メタリック芯 5.6mm
著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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