
本格的に水草を栽培するためには、もちろん二酸化炭素(CO2)の供給をした方が良いのでしょうが、どうも性に合いません。メンドクサガリ屋なので、 CO2 の管理なんかできないと思ってしまいました。
自然界の池は特に溶存二酸化炭素が多いわけではないと思いますので、単に光量だけで水草飼育が安定するのではないかと思い、ライトの管理だけで様子を見ています。

照明
水草の種類はもちろん、水温や水質、床材などによって一概には言えないと思いますが、光合成をする植物ですから、十分な光を与えればCO2なしでも育つのではないかと思い、実証実験をしてみています。現在の照明はLEDなので、昔の蛍光灯よりも植物育成用の波長を選択的に出力することができるのではないでしょうか。
数十年前の蛍光灯しかなかった時代は水草飼育は結構大変でした。水草専用に栽培する方々は、水銀灯やメタルハライドランプなどの高輝度なアーク灯を水槽の上に吊るしていました。LEDと違って熱も出すので、それに伴って温度対策も必要でした。そのころに比べるとずいぶんと楽になったことでしょう。
LED照明であれば、それなりに熱は出ますが、赤外線はあまり放射していないので照射物の温度上昇を抑えられます。水槽の照明には最適な方式です。
また、水槽の照明としては、水草の飼育目的だけではなく、鑑賞用としての機能もあるので、色温度や演色指数があまりに太陽と異なるものもよろしくありません。できるだけ自然光に近い波長が放出されている照明が良いでしょう。その点、LEDは植物育成と鑑賞用をある程度両立させた照明を作れるので便利です。様々なメーカーが出していますが、そのあたりを考慮して設計されているようで、昔のように太陽光とかけ離れた照明はあまり作られていないようです。
照度
照明器具を選ぶ時、照度に騙されないようにご注意ください。イマドキのLED照明は同じワット数でそれほど照度が変わることはありません。みなそこそこの光を発してくれます。しかし、照度が高いほど良い照明であるかのごとく、照度(lm:ルーメン)のみしか表示がない照明器具は怪しいかもしれません。きちんとしたメーカーの照明器具は、照度(ルーメン)の他、色温度や演色指数が書かれています。
照度よりも、色温度や演色指数の方が重要なポイントです。
色温度(色味)
電球しかない頃は「電球色」などという言葉はありませんでしたが、蛍光灯が出てから蛍光塗料の配合によって色温度を変えることができるようになり、現在はLEDに置き換わって、色温度の自由度はかなり高くなりました。白色LEDの種類やRGBや紫外線LEDを混ぜることによってさまざまな色温度の照明器具をメーカーは作れるようになりました。温かみのある電球色を好む人もいれば、クールな青白い色温度の照明を好む人もいます。この辺りは完全に個人の好みなので好きな色温度のものを選択すればよいでしょう。
水槽の照明は、一般的には電球色よりも少し青みがかった色温度が好まれるようです。水は青いイメージがあるからでしょうか。海水魚をやっている人達には10000K以上のものが好まれるようです。個人的には10000Kを超えると明らかに青く感じてしまうので、5000K~10000K程度の照明が好みです。
自分は理系なので色温度で表記してあった方が分かりやすいのですが、一般の方々には分かりにくいらしく、JISでは色温度を5つの区分に区切って名称を付けています。水槽用に限らず、現在照明器具の色温度を表すのには、JISで定められた下記の表現がされています。
| JIS表現 | 色温度(ケルビン) | 特徴 |
| 電球色 | 2600K〜3250K | 赤みがかった、温かみのある光 |
| 温白色 | 3250K〜3800K | 電球色と白色の中間で、やや温かみのある光 |
| 白色 | 3800K〜4500K | 自然な白色の光 |
| 昼白色 | 4600K〜5500K | 太陽光に近い、さわやかな自然光 |
| 昼光色 | 5700K〜7100K | 青みがかった、すっきりとして涼しげな光 |
晴天日中の太陽光自体は5000~6000Kですが、朝、夕は2000~3000Kに落ちますし、晴天日中の日陰9000K前後になります。
水槽の照明用として販売されているものは色温度が高いものが多く、昼白色か昼光色だと思います。自然な色合いが好みの方は昼白色、ちょっと青みがかった色が好みの方は昼光色をおすすめします。

紆余曲折ありましたが、現在はこんな形で落ち着いています。15㎝水槽に200+200+220=620 lmです。おそらく普通の3倍以上の光量だと思います。
水草喜ぶ
当初の目的は水草が繁茂している水槽でエビを飼うことだったので、流木に活着してあるウィローモスと、岩に活着してあるアヌビアスナナ、単体のキューバパールグラスを入れてみました。さらに、以前から蘭と一緒に飼育していたマリモも3つ入れました。
蛍光灯しかなかった時代、CO2やアーク灯を使わないと水草は比較的難しいイメージがありましたが、水草育成を考慮したLEDがあれば、CO2がなくても水草はよく育ちます。これはこの数十年で一番驚いたことです。水草の葉からは小さな泡が発生しているので、光合成がきちんと行われているのでしょう。おそらく酸素の泡だと思います。

マリモも光合成によるものと思われる泡がたくさん付着していて、今まで沈んでいたものが上に浮くようになりました。マリモって沈んでいるものだと思っていましたが、ちゃんと光合成をさせると浮くものなのだ、とはじめて知りました。

数週間でウィローモスは伸びまくり、キューバパールグラスは酸素の泡を出しつつ、確実に領土を広げています。CO2なくても何とか行けそうです。
もちろん、CO2を否定しているわけではありません。比較実験などはしていませんが、CO2を供給した方が植物にとってはより良い環境になるとは思います。単純に面倒くさがり屋なので、この上この小さい水槽でCO2の管理までするのは性分的に無理だと思っただけです。時間的にも、金銭的にも、性分的にも問題ない方はぜひCO2の供給にもチャレンジしてみてください。
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