私の父は私とは正反対の性格でした。東大法学部卒のバリバリの文系。天才的な記憶力を持ち、大胆さと慎重さが両極端な不思議な人物でした。行動がいつも凡人とは違い、見ていると面白いのです。
アメリカに転勤になって、生まれてはじめて ボウリング をしたら255の好スコアが出て、「会社辞めてプロボウラーになる」と言って、自前のボウルを作り、シューズ、ウエア、グローブなど一通り揃えて挑んだら100も行かないスコアで、「ボールが悪い」と何個もボールを作り直し、結局スコアは上がらず、断念していました。今でも実家の物置にボーリングのボールがいくつか転がっています。
ゴルフをはじめればゴルフクラブを何セットも買い、スキーをはじめればスキー板を何本も買っていました。テニスでは当時ボルグがスーパースターだったので、ボルグと同じDonnayのラケットに80ポンドでガットを張っていました。とにかく何事にも徹底しているのです。
そんな父は、生涯に一度も泥棒に入られたこともないし、火災にあったこともないのに、昔から泥棒恐怖症と火災恐怖症で、私が子供のころからさまざまな防犯グッズをいち早く導入していました。
週末にはいつも家族と車でどこかに出かけていましたが、居間の蛍光灯は煌々と付け、ラジオを大音響で鳴らしての外出です。
そして、車の中にはいつも大きな金づちが置いてありました。すぐに手にとれる、運転席と助手席の間です。
なぜ車に金づち。
最初に気づいたときに聞いた答えが印象的です。
「湖に落ちた時に窓を割るためだよ」
冗談かと思いましたが、本人は大真面目です。その後の説明によると、水に落ちると水圧でドアは開かなくなり、電気もショートするので、パワーウィンドウは作動しなくなる。沈み行く車の中から脱出するには、窓を割り、車内が水で満たされるまで我慢して窓から脱出するのだ、と。
論理的で完璧な脱出作戦です。しかし、その時家族全員が思いました。
「人生の中で何回車ごと湖に落ちるんだよ」と。
100回ドライブに行くと1回くらい落ちるのであれば金づちは必需品ですが、おそらくドライブに行って湖に落ちる確率は、宝くじに当たる確率よりも低いのではないでしょうか。そのために金づちを常備しているということで、家族には笑われていましたが、心配性の父にとってはそれが当たり前のことだったのです。
さて、こんな父のエピソードを最近思い出したのには訳があります。
新しいカメラが発売されて、メモリカードのスロットが一つしかないとクソミソに叩かれる風潮があります。たとえば、NikonのZ6、Z7はNikonが満を持して発売した初のミラーレスです。その後もDXフォーマットのZ50も登場しました。大変良くできたカメラですが、メモリスロットが一つだという理由だけで、そのカメラがダメなような書き込みをされています。「シングルスロットはプロ仕様ではない」「プロはダブルスロットでないと怖くて使えない」などと散々な書かれ方をされています。世の中にはそんなに心配性のプロカメラマンが多いのでしょうか。
ダブルスロットでないとプロは使わない、という書き込みを連鎖的にされているのは、おそらくアマチュアの方々で、誰かが言い出したことが、あたかもほとんどのプロカメラマンがそう思っているかのように広まってしまったのでしょう。ネット上で良くありがちなことです。本当にプロカメラマンの発言なのか、はなはだ疑問です。
一応プロですが……
私は有名な写真家ではありませんが、一応写真で生計を立てているという意味ではプロの端くれです。医療写真や商品撮影、獣医学系論文用写真撮影、顕微鏡撮影、野生動物撮影などが主な撮影の仕事です。まれにモデルを使ったプロモーションの撮影などもあります。
どれも失敗が許されず、撮り直しができないので一発勝負で緊張を強いられる撮影ばかりです。
こんな仕事を何十年もやっていますが、今までカメラを買うときに一度もメモリスロットの数なんて気にしたことがありません。フィルム時代はブローニー判を使っていました。そもそもフィルムはシングルです。デジタルになってから、D1x、D2xsとNikonのフラグシップを使ってきましたが、それらもCompactFlashのシングルスロットでした。一応、プロ用機器だと思うのですが。
仕事柄DXフォーマットの方が有利なので、FXになってしまったD3以降は仕事にマッチせず、DXのD300s、D500に移行しましたが、それらはなぜかダブルスロットでした。スロットが2つあるから一応両方にメモリは挿していましたが、同時記録のためではなく、順次記録です。メモリが足りなくなって撮影が中断することの方が問題だったからです。
1回撮影に行くと数千枚は撮影し、月に数万枚は撮影します。それで今までにシングルスロットで困ったことはありませんし、ダブルスロットで助かったこともありません。メインがCompactFlashやXQDなので特別壊れにくかったのでしょうか。
皆さん、そんなにメモリカードが壊れるのでしょうか。シングルスロットのカメラの叩かれ方を見ていると、不思議でなりません。少なくとも、自分はスロット数をカメラを選択する時の基準にはしません。自分にとってはどうでも良いことです。
D1系、D2系はシングルスロットですから、プロは怖くて使えないカメラだったのでしょうか。周りでもバンバン仕事に使っていましたし、シングルスロットだから怖いなどという意見は聞いたこともありません。
最近はZ50も仕事に使っています。動画の仕事も増えて来たからです。動画はミラーレスの方が圧倒的に有利です。術創からはできるだけ離れて撮影したいので、DXフォーマットが有利で、そういう用途ではZ50が最適なのです。シングルスロットでも仕事にバンバン使っています。良く写るし、まったく問題ありません。
Z50 これは本当に良いカメラです。小型軽量ですが、写りは大変良く、最近は仕事にもどんどん使っています。Z6もZ7も、Z50もシングルスロットであるという理由で、一部の方々からプロは使えないと酷評されているようですが、そんなことに惑わされてカメラの基本性能を知る機会を失うのは損です。 サブカメラとしても最適です。FTZを持っていれば、FマウントレンズもZマウントレンズも使えるので、Nikonユーザーにはお勧めです。 特にキットのNIKKOR Z DX 16-50mmは秀逸で、仕事にも普通に使えるレベルです。 |
ダブルスロットじゃなきゃダメなことはない
スロットの数なんか気にしないのは、今までの経験から、メモリよりも、カメラの機構が壊れることの方が遥かに確率が高いからです。一眼レフのように、機械的に動作する部品は必ず壊れます。コンピュータの専門家は、ハードディスクは壊れることを前提に仕事をしていますが、プロのカメラマンもカメラは壊れることを前提に仕事をしています。
月に何万枚も撮ると、まずいかれるのはミラーやシャッターユニットです。カメラメーカーもそこは壊れることを前提に、耐久性やテストしたシャッター回数などを公表しています。プロカメラマンもこのことは百も承知で、いつ壊れても大丈夫なように、大事な撮り直しがきかない仕事には必ずサブカメラを持って行きます。通常はサブカメラにも、メモリカードや電池は入っていますので、万が一メインカメラが壊れたらすぐにサブカメラに持ち替えて撮影を続行できるように準備をして行きます。
それでも、今まで撮影中にシャッターユニットが壊れてサブカメラが役立ったのは30年以上写真の仕事をしていて一度だけです。一方、メモリが壊れて撮影が中断したことはありません。もし、書き込みができなくなったら、メモリが悪いのか、カメラが悪いのか、その場ではわからないので、いずれにしてもサブカメラに切りかえることでしょう。
そんなわけで、「ダブルスロットがプロ仕様として必須である」とは、おそらく多くのプロカメラマンは思っていないのではないでしょうか。彼らは、メモリスロットやメモリカードよりも、ミラーやシャッター、絞り機構、AFなど、物理的に動く部位の方が桁違いに壊れやすいことを知っているので、「スロットが2つないと使えねー」とは思わないでしょう。プロだったら、スロットの数を議論するよりも、何が壊れても対応できるようにカメラを何台か持って行くからです。
心配性の人は同時記録して、同じものを2枚のカードに書くのかもしれませんが、消すのも面倒なので、ダブルスロットの機種を使っていても2枚に同時記録モードで使ったことはありません。1枚がいっぱいになってしまった時の順次記録モード用の媒体として2枚目を使うくらいです。
「プロは同時記録して、1枚を抜いてそのカードを雇い主に渡してその場で納品する」と言う話を書いている人もいますが、報道のカメラマンなどはそういう使い方をするのでしょうか。自分の場合はメディアにもこだわりがあって、カメラとの相性が良い最高のものを使います。個人的にはそれをホイホイ人に渡したりはしたくありません。プロでしたら、連射に耐えるよう、書き込み速度が速く、信頼性が高い有名なメーカーの高価なメディアを使っているでしょう。どう扱われるか分からないので、逆に他人にこだわりのメディアを触られるのも嫌です。無神経な人は平気で接点を素手で触ったり、取り出し処理をせずにいきなりカードリーダーから引っこ抜いたりします。
また、撮ったままのデータをそのまま渡すということも考えにくいことです。新聞や週刊誌のカメラマンは時間が勝負なのでそういうことをしているのかもしれませんが、自分の場合は少なくともボツ写真は削除し、選別してファイル名を変更して整理してから納品します。
そもそも、私たちの世代はフィルムで育った世代ですから、一発勝負です。バックアップなんてありませんが、フィルムの時代からのプロはみな同じです。「ダブルスロットじゃないとプロは怖くて使えない」と言う人は、フィルム時代のプロは認められないのでしょうか。フィルムだって、パトローネを誤って落とすとパコーンと中身が抜けてフィルムが感光しておじゃんになる、ということもあります。しかし、プロはそういうヘマはしないものです。
なぜダブルスロットじゃなきゃダメなのか
上記のように、おそらく本当に写真で生計を立てているプロカメラマンは、メモリが壊れることの何倍もの確率でカメラが壊れることを知っていますから、大切な撮影にはカメラを何台か持って行きます。万が一撮影中にメモリに書き込めなくなった場合でもカメラを変えて対応できます。そういう状況下では、スロットが1つでも2つでも大勢に影響はないのです。
ダブルスロットの方が安心だと言う人は、むしろ一般の方々で、1台のカメラを旅行などに持って行く場合の安心料としての役割が大きいように思います。
- 新婚旅行にカメラを何台も持って行きたくない
- でも一生に一度なので、メモリカードが壊れたら奥さんにぶっ飛ばされちゃう
- ダブルスロットで2枚に同じものを書いておけば安心じゃん
という発想でしょうか。それでも旅行中何度メディアを変えるのか分かりませんが、すべて2枚ずつ管理するのも面倒なように思います。心配性の人にはそれが当たり前なのかもしれませんし、止めはしませんが、自分だったら2つメモリを挿せるのであれば、順次記録で使います。旅行中にメモリが壊れて何も撮れなかった、という確率よりも、おそらくシャッターが壊れたり、落としたり、盗難にあったりして途中から写真が撮れなかった、という確率の方が遥かに高いでしょう。
ではシングルで良いのか
こんなことを書いて、もしシングルスロットでメモリ壊れたら責任とれるのかよ、と言われたら責任はとれません。メモリも壊れるときは壊れるのでしょう。心配な方は、ダブルスロットのカメラのみを使用して、常に2枚同時記録で使うことをお勧めします。念には念を入れた方が良いでしょう。そうすれば1枚水没してお釈迦になっても、もう一枚残っているから助かったー、ということになるかもしれません。精神衛生上もその方が良いでしょう。
しかし、「シングルスロットだからプロ仕様ではない」とか、「プロは絶対ダブルスロットじゃないと仕事に使わない」、というのはかなり偏った情報だと思います。スペース的に余裕があるのであれば、ダブルでもトリプルでもスロットがあっても良いでしょうが、シングルでも特に問題はありません。というか、プロはきっとそんなことは気にしていません。シングルだからと言って、そんなに総スカンくらうような重大なことではないと思うのです。
そんなことより、仕事として使う場合はシャッターの耐久性や色再現性、ノイズの少なさ、露出の正確性、豊富なレンズやアクセサリなどの方を重要視します。
シングルスロットのカメラを批判する人があまりにも多いので、皆さん、すごく慎重で心配性なんだなーと思った次第です。そこまで言う人は、ダブルスロットで2枚同時記録をしているのでしょうから、メモリカードも常に2枚ずつセットで管理していることでしょう。頭が下がる思いです。
そんな皆さんの書き込みを見ていたら、冒頭の父のエピソードを思い出した次第です。いや、良いことなんですよ、慎重なのは。
後日談
生まれて初めてメモリカードが読めなくなる事故に遭遇しました。バチが当たったのでしょうか。シングルスロットで不幸にあった人の呪いでしょうか。
読めなくなったのは、人から譲り受けたXQDの128GBのカードです。カメラに入っていた時は何度も画像を確認し、画像が見れていたので、データは書き込まれていたはずです。
PCにつなげたカードリーダーに入れると中身は空っぽで、カメラに戻しても「このカードはフォーマットが必要です」と出てきて、カメラでも2度と画像を見れない状態になってしまいました。カメラからカードを取り出した時か、カードリーダーに差し込んだ時に壊れたのでしょう。
千枚ほど撮影した後なので、一瞬真っ青になりましたが、カードのプロパティを見ると、使用状況の円グラフが出るので、データは残っており、TOCエリアが壊れただけのように思いました。ここは冷静に対応すれば復活できるかもしれません。
調べた結果、SONYのMemory Card File Rescueというソフトに行き着きました。
Memory Card File Rescue
これは素晴らしいソフトです。
一応自社のメモリカードの復元ソフトですが、他メーカーのものも復元できるという書き込みもあります。使っていたのはSONY製のXQDでしたので、組み合わせ的には問題ありません。SONYのウェブサイトから無料でダウンロードできます。
一般的に、ハードディスクにしろ、CDにしろ、メモリーカードやUSBメモリにしろ、記録媒体にはTOCエリア(Table Of Contents)という領域があり、あるファイルがメモリ上のどこからどこに保存してあるというリストを管理しています。
ファイルを消去するときは一瞬で消えますが、実際にファイルを消しているわけではなく、TOCエリアを書き換えているだけです。ですから、どんなに巨大なファイルでも、一瞬で消せます。インデックスを消しているだけで、実態を消していないからです。
書き込む時はTOCで管理されていない空いた領域に実態を書き込み、ファイル名や書き込んだ番地などの情報をTOCに追加します。
こういうシステムにしておくと、TOCだけ読めば膨大なファイルの情報がすぐに取り出せ、読み書きを高速に行うことができます。しかし、そのデバイスのファイル情報はすべてTOCが担うこととなり、TOCがないと何もできない状態となります。何らかの原因でTOCエリアが壊れると、すべてのファイル情報が失われることになりかねません。
例えば、CDーRなどはデータを中央側から渦巻き状に書き込みますが、そのデータ領域の内側にTOCエリアが設けられていて、最後にデータを実際に書き込んだ位置などの情報は内側のTOCエリアに書き込まれます。そのため、何百個のファイルがあっても、TOCエリアを読めばどこに何が書かれているかが分かるようになっています。
CDは一般的にむき出しの媒体なので、よく傷がつきます。万が一、CDの最内周のTOCエリア部分に物理的に傷か付くとそのCDは読み取り不能になります。
他の媒体も仕組みとしては同じようにできています。CDのように物理的に傷ができること以外に、静電気によってTOCエリアが破壊されたり、ファイルの実態を書き込んで、最後にTOCエリアを書き換えている途中でメディアを抜いてしまったなどという事故でTOCエリアが壊れることがあります。そうすると、データの実態は消えていなくとも、ファイルの場所を示すリストがなくなるようなものなので、そのメディアのファイルがすべて読めなくなります。
メディアカードやUSBメモリなどは、遅延書き込みと言って転送中やTOC書き込み前にCPUを開放して次の仕事ができるようにする仕組みがあります。そのため、一見処理が終わっているように見えても、TOCをまだ書き換えていなかったり、書き換えている最中にメディアを抜いてしまったりすると、TOCエリアが壊れることがあります。TOCエリアは最後に書き換えるので、この事故は起こりやすくなります。そのため、メディアを取り出すときは「安全に取り出す」処理をするおまじないがあるのです。カメラから取り出すときも、PCから取り出すときも気を付けてください。
壊れたメディアはどう復元するのか
壊れたメディアの多くはTOCエリアが壊れているだけで、データの実態は残っている可能性があります。ファイルの実態には、ファイル毎にファイルの終了を示すコードが書かれているので、TOCがなくてもデータ領域を1バイトずつ終了コードまで読み込むとファイル単位の塊として取り出すことはできます。内容を分析すれば、それが画像ファイルなのか、動画ファイルなのか、ワードやエクセルのファイルなのか、などということが推測できます。
復元ソフトは、地道にデータ領域を読み込み、推測したファイルの種類から適切な拡張子を付けて復元してくれます。もちろん、ファイル名などは失われたTOCファイルにあったものですから、復元できず、連番などになってしまいますが、少なくとも失われたファイルは名前が変わるだけで、内容はほぼ完ぺきに復元されます。
そのような仕組みなので、TOCが壊れた場合だけではなく、誤ってファイルを消去してしまった場合なども、それ以降何も書き込みをしていなければ復元できる可能性が高いのです。
まさに神プログラムです。
何らかの事故でTOCが飛んでしまった場合も、誤ってファイルを消してしまった場合も、諦めずに復元ソフトを試してみることをお勧めします。
Sonyの Memory Card File Rescue は大変優秀で、まったく読めず、フォーマットを促されるようになったメディアも復元できる可能性があります。必ず復元できるかどうかは分かりませんが、私は諦めかけたXQDメモリーカードを復元できました。
しかも、一度やってダメで、ダメ押しにもう一度やったら復元できました。大事なデータでしたら諦めないでしつこくやってみることをおすすめします。
しかし、データの実態をファイルの単位を推測しながら読み込むので、恐ろしく時間がかかります。写真が1,000枚ほど入ったXQDカードを復元するのに、3時間ほどかかりました。でもその価値はあります。
それでもダメだったら業者に出すか、諦めるしかないかもしれません。
他のフリーソフトは危ない
無料のデータ復元ソフトは、他にもありますが、かなり危険だと思います。大切なデータが消えてしまったと思っている人は、パニックになっていることが多く、残念ながらそういう状態の人の弱みに付け込んだ悪徳ソフトウェアがたくさんあります。有名メーカーやメディアを製造している会社のものは信頼できると思いますが、聞いたことがない会社の無料ソフトはおすすめしません。悪評をよく聞きます。データが消えてしまって藁をもすがる状態の人を対象にしていますから、簡単にダウンロードさせられてしまいます。ウイルスに近いものの可能性もありますし、一度ダウンロードするとしつこく有料バージョンにアップデートするよう警告が出続けるものもあるようです。ご注意ください。
それで考えは変わったか
うーん、微妙です。少なくともメディアが壊れることもある、ということは改めて認識しました。しかし、はじめて遭遇した事故も、幸いなことにありがたい復元ソフトのお蔭で復元でき、データの損失は未だにありません。
ダブルスロット信者の言い分も理解できます。このあたりは使う人の性格によるのでしょう。父のように慎重な性格の人は念には念を入れてダブルスロットのカメラだけを使って、常に2枚のメディアに同時記録をすると良いでしょう。しかし、自分がそういう性格だからと言って、ダブルスロットで同時記録できないカメラはプロが使えないダメなカメラだ、というのはウソです。
シングルスロットのカメラを複数台で使っているプロや、たまたま使っているカメラがダブルスロットでも、順次記録で使っているプロカメラマンはたくさんいます。
逆に、シングルでもダブルでも、大切な仕事に、カメラを1台しか持って行かないプロの方はいないと思います。メディアが何枚入っていようと、シャッターが壊れたら何もできなくなってしまいますから。
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