Nikon Z9:ファームウェア Ver. 3.00(静体撮影)

2022年10月26日、Z9のファームウェアのメジャーバージョンアップが公開されました。早速インストールしてテストしてきました。

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ファインダーログ

様々な機能追加がありますが、詳しくはNikonのウェブサイトを参照ください。ここでは多くの人が期待しているAF性能の向上をレポートしてみたいと思います。

  • ボディ:Nikon Z9
  • レンズ:NIKKOR Z 800mm f6.3 VR S

NikonのファームウェアダウンロードサイトにもAFの向上がうたわれているので、S社、C社に対抗すべくAF性能の向上を追及してきたものと思われます。

ターゲットは野鳥なので、被写体検出は動物にしていますが、静止した野鳥に関しては今までもよく検出されていたので、圧倒的によくなったという感じではありません。

しかし、今までは静止したターゲットでもなぜか急に背景に抜けてしまうことがありました。あわててマニュアルでターゲット付近までピント位置を戻さないと動物の再検出ができないという現象です。今回のテストでは、背景抜けがほとんどなかったと感じました。かなりカメラを振っても、AFエリア近傍に捉えていれば、概ね被写体頭部、目が見えていれば目にフォーカスポイントが出現してピントを合わせてくれます。これはVer. 3.00の大変評価できるポイントです。

ミズキの樹上のシーンでは、目玉のような黒い実が一面にある場面でも確実に鳥のボディを検出して、頭部や目にフォーカスポイントを設定しているのが分かると思います。多少後を向いて目が見えなくなっても後頭部にフォーカスポイントを出し続けています。

測定したわけではありませんが、感覚的な言葉で言うと、いわゆる「食い付きが良くなった」というイメージでしょうか。

動体に関しては空バックの飛翔のみ今回撮ってみましたが、合焦率が劇的に向上したように感じます。背景がある飛翔撮影などは今後追い込んでみる予定です。

まだ数時間使っただけなので、何か特筆すべきことが判明したら追記で報告させていただきます。

AF精度

ピント精度も向上したとうたわれています。今までも精度はかなり良いと感じていましたが、被写体検出の目への合焦率はアップしたように感じます。

Ver. 2.xxよりもピントが良くなったということではなく、合焦する確率が高くなった印象です。連写したときの歩留まりが良くなったと言った方が正しいでしょうか。以前から像面位相差AFとコントラストAFのハイブリッドだと思いますが、被写体検出後のアルゴリズムがブラシュアップされた印象です。

カワセミ
上の写真の部分
キセキレイ
上の写真の部分
エナガ
上の写真の部分
アオジ
上の写真の部分

追記(2022年10月28日)

確かに被写体検出後の食いつきが良くなったように感じます。以前は急に的外れなものに合焦したりすることがありましたが、Ver. 3.00からは、一度目を検出したら目を追い続けるようです。野鳥がかなり暴れても、向きを変えても目を追い続けるしぐさを見せます。

カラスのアップを狙ってみました。真っ黒な羽毛の中の真っ黒な目ですが、瞬時に目を捉えて追尾し続けてくれます。アップすぎて全体の形が見えていなくても問題ないようです。途中かなりあばれて、目が見えなくなりますが、目があるであろう位置にフォーカスポイントを設置して、見えた瞬間に再び目に合焦します。鳥の姿ではなく、映像的には黒い変な形の物体に目がついているようにしか見えないはずですが、確実に目を検出してくれます。これは相当すごい技術なのでしょう。

追記(2022年10月30日)

エナガとメジロの混群が来たのでテストしてみました。途中アオジちゃんも登場してくれました。

被写体検出:動物の目の検出率は格段に向上していることを実感しました。食い付いたら離さない、という感じでしょうか。劇的な進化と言っても良いかと思います。エナガやメジロなど、小型で動きが速い野鳥のAFは今までは困難でした。一瞬合焦しても、野鳥が常に動き回っているため、目を追い続けるのが比較的困難だったのでしょう。
今回使ってみた印象では、一瞬目を見失っても付近を探索するのか、全体の形から連想するのかわかりませんが、目があった周辺を探索し続け、再び目が見えると瞬時に合焦するという動きに感じられます。以前は一度ターゲットをロストすると前後に探索に行ってしまい背景まで行ってしまってそこに貼りついてしまったという感じでした。エナガもアオジもメジロも確実に目を追い続けているのが分かります。

再びカワセミです。

ワイドエリアのL、最大に広げた設定のC1、3Dのテストをしてみました。この単純なサンプルでは何が適しているのか分かりませんが、極限状態では違いが出てくるのでしょう。エリアが狭い方が動物の検出率は高くなるとは思いますが、広げたC1でも遜色なく目を検出してくれます。ただ、このサンプルではまわりに何もないからかもしれません。枝に囲まれた状況などでは、より狭いエリアの方が検出率は上がると思います。ワイドエリアから3Dの引継ぎも問題なく、ワイドエリアLで検出した目のフォーカスポイントがそのまま3Dのフォーカスエリアに移行します。左右上下画面全体に振っても目を確実に追い続けてくれます。

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FTZ-IIを介して今までのFマウントの超望遠レンズも問題なく使えます。ZマウントのNIKKOR Z 800mm f/6.3 VR Sとの組み合わせは5.5段のVRが効き、800mm(DXで1200mm)ながら手持ち撮影が可能になります。


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全長278mm、重量1470gで、600mmの焦点距離からは想像できないほど小型軽量です。レンズ単体で5.5段、Z9やZ8との組み合わせではシンクロVR機構によって6段分のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると900mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで840mmF9、1200mmF13、DXで1260mmF9相当、1680mmF13相当となります。
最短撮影距離が4mなので、野鳥が近い公園などでは有利となります。

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位相フレネルレンズ採用の通称ハチロクサンと呼ばれる800mmF6.3の単焦点レンズです。
800mmの超望遠レンズとしては驚くほど小型軽量で、全長385mm、重量2385gしかありません。レンズ単体で5段分、Z9やZ8との組み合わせでは、シンクロVR機構によって5.5段のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。 最短撮影距離が5mあります。野鳥が遠い公園や小型の野鳥を大きく写したいときに有利となります。
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著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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