家内のロクロクサンを借りて、1日Z9との組み合わせでテストしてみました。 ご参考までに。
野鳥一般撮影
やはりこの軽さに一日中驚きっぱなしでした。構えるたびに、「えっ!」と驚く自分に笑ってしまうほどです。
ゴーヨンは「ヨっコラショ」、ハチロクサンでも「ヨイショ」という感じで構えますが、ロクロクサンは「ヨッ」です。被写体にスッと向けられます。野鳥は突然現れて、一瞬でいなくなりますので、この起動力の高さは重要です。チャンスに強いと言えるでしょう。
今回は飛翔写真までテストできませんでしたが、軽い分、初動や追従は楽になることでしょう。
Sラインに分類されていることからもうかがえますが、解像度やコントラスト、色再現、収差補正など、光学性能も一級品です。
焦点距離600mmなので、当然800mmよりも鳥の画像は小さくなってしまいます。近距離撮影や小型軽量に優位性を見出す場合は600mmが有利ですが、遠方の野鳥を大きく写す場合はやはり800mmの方が有利です。
どちらが良いという問題ではなく、シチュエーションによって使い分けるべき問題です。長年野鳥撮影をしていると、フィールドによって鳥に近づけない公園や、やたらと野鳥が近い公園など、様々な特性の公園があります。それに応じて今日は600mmにしようとか、800mmにしようという選択ができるようになります。2本持ち歩く体力はないので、持っていくのは1本です。
最短撮影距離近傍
ロクロクサンの最短撮影距離4m近傍での撮影例です。このために導入したので、重要なポイントです。
フォーマットによる変化
上でターゲットとなってくれたアオジちゃんは全長16㎝ほどなので、最短撮影距離の倍率0.15を掛けると24mmとなります。FXフォーマットは36×24mmなので、適度な余白が空いて丁度良いくらいの倍率です。DXフォーマットは24mm×16mmなので、最短撮影距離では余裕のないギリギリのサイズ、もしくはちょっとはみ出すくらいの大きさに写ります。
4m強の撮影
ハチロクサンではピントが合わない4-5mの距離での撮影例です。近くの石の上に突然止まってくれました。おそらく、このくらいの距離が一般的な野鳥たちのパーソナルスペースなのだと思います。
期待通りのパフォーマンスを示してくれました。
やはり最短撮影距離1mの差は大きく感じます。人馴れした野鳥は目の前の枝や石の上に乗ることがあります。ハチロクサンの5m以内で撮影できなかったシチュエーションでも、ロクロクサンでは余裕で撮影できました。
勝手ながら提唱している「野鳥のパーソナルスペース4m仮説」はまんざらハズレではないようです。レンズの最短撮影距離を割ってしまうと、撮影不能になってしまうので、野鳥との距離が近い公園などではロクロクサンが俄然有利になります。
近距離撮影でも解像感、コントラストともに高く、ピントを合わせた目の周りの羽毛1本1本を見事に解像しています。
F6.3の被写界深度
F6.3は決して明るいレンズではありませんが、良くできた単焦点レンズは開放から使えるので、野鳥撮影では特別に被写界深度を稼ぎたい用途が無い限り、基本的にずっと開放で撮影しています。
撮影距離によって被写界深度は変わりますが、最も被写界深度が浅くなる最短撮影距離近傍でも、上の写真のように、目にピントを合わせると、頭部が概ね被写界深度内に収まるので、丁度良いくらいの被写界深度です。
遠距離の撮影ではもう少し前景、背景をボカしたいと思いますが、小型軽量化とのせめぎあいなので、いたし方ありません。考えられた良い落とし所だと思いました。
手ブレ補正効果
公称6段の手ブレ補正効果が得られるとのことですが、現実的に野鳥撮影ではそれほど低速シャッターは使えません。小鳥たちは呼吸も速く、常に動いているので、手ブレよりも被写体ブレの方が大きいからです。個人的には1/60秒程度を低速限界としています。暗い環境で動きが少ない鳥では1/20秒程度まで落とすこともありますが、歩留まりは必然的に悪くなります。連写して何枚かに1枚写っていればラッキーといった程度です。
今回は1/20秒まで手持ちでテストしてみました。
1/125秒
1/100秒
1/80秒
1/60秒
1/50秒
1/40秒
1/30秒
1/25秒
1/20秒
Z9との組み合わせではシンクロVRとなるので、公称6段分の手ブレ補正効果となります。1/600秒を基準に考えると、6段では1/9.375秒、約1/10秒まで補正できる能力があるということです。
しかし、野鳥は常に動き回っているので、現実問題として1/10秒までシャッター速度を落として野鳥撮影をすることは稀で、被写体ブレを回避するためには、1/100秒くらいを低速限界にしている方が多いのではないでしょうか。自分も夕方や暗い森の中では1/60までは手持ち撮影で使いますが、それ以上の低速シャッターを使うことは稀です。
しかし、カメラやレンズの性能が自分の限界よりも遥かに能力があるということは、安心感につながります。ISOを上げないためにどうしてもシャッター速度を落とす必要があるときには、1/10秒くらいまではチャレンジできます。
逆光耐性
位相フレネルレンズは逆光に弱いと言われていましたが、初期のものよりも位相フレネルレンズの配置位置などを工夫したようで、目を見張る進化を遂げています。
あえて背景が明るい逆光気味の写真を撮ってみましたが、以前のようなコントラストの低下は見られませんでした。500mmF5.6でしたら全体的に紗がかかってしまったようなシチュエーションでも高コントラストを維持しています。これはハチロクサンと同様な印象です。点光源のフレアなどは回避できませんが、野鳥撮影では基本的には順光で撮る上、それほどの逆光の光源が画面に入ることはないので、問題はありません。
航空機や夜間のモータースポーツなどでは気になる問題点が露呈するのかもしれませんが、専門ではないので、それらの用途でのコメントは差し控えさせていただきます。
航空機
専門ではありませんが、上空を航空機が飛んだので撮影してみました。
咄嗟に撮っただけなので、写真に関しては何も評価できませんが、ロクロクサンの軽さによって瞬時に真上に向けて撮影できました。航空機や電車、自動車など、高速で動くものへの追従は軽いほど楽だと思いますので、威力を発揮することでしょう。鳥の飛翔のようにランダムに不規則な動きをする場合も、軽いことは有利だと思います。
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