撮影実習2023

とある大学で情報学の授業を担当しています。入学してきた1年生に、これから4年もしくは6年間で提出するレポートや論文が滞りなく作成できるようにコンピュータの基礎から大学レベルのPC技術を教え込みます。スマホ世代になってきて、現在の子たちはPCの扱いなんてお茶の子さいさい(これは死語か)かと思いきや、スマホは大好きだけど、PCは大嫌いという子が実に多いのです。そんなこともあって、私もこの20年ばかり首にならずに済んでいます。

WindowsのOfficeシリーズの使い方はもちろんですが、画像も扱えることが必須となっています。動画はレポートや論文には使いませんが、画像は普通に使えないと困ります。そのため、デジタル画像の仕組みから撮影方法、構図、トリミングや失敗写真の救済など、一連の画像処理の練習は行います。

毎年100円ショップで買ってきた様々なターゲットを用意して実習で使っていたのですが、イマイチしっくりきません。変なぬいぐるみだったり、プラスチックのアヒルだったりで、臨場感が足りないのです。

紅石さんの置物

何か良いターゲットはないかとネットで検索していて素晴らしい置物を発見しました。株式会社紅石さんが作っているジョウビタキのメスの置物です。よりによって私が一番好きなジョウビタキのメスです。しかも、非常に精巧に作られていて、アップに拡大しても耐えられる高品質です。これは撮影実習の被写体としては最適です。2023年からこの置物をターゲットとして使い始めました。教室に10体ほど置いて各自撮影して、画像をPCに取り込み、画像加工まで行う実習です。
学生の評価も高く、「かわいいー」という声が上がっていました。

撮影のポイント

100均で買った黒いフェルトと白いフェルトを背景として敷いています。背景の色によって露出の過不足が起きないように調整する目的です。露出補正ができる機種では、鳥の露出が正しくなるように調整します。特にジョウビタキの翼には白斑があるので、そこのテクスチャーが飛ばないように調整する必要があります。特に黒バックにすると露出オーバー気味になりやすいので、注意が必要です。

また、鳥全体の微妙な色合いやグラデーションが再現されているかどうか、また、光源の色の影響を受けていないか、色補正がしっかり行われているかが撮影のポイントとなります。

このモデルは羽毛まで表現されているので、アップで撮影する練習にもなります。目の周りのアップを撮影して、解像度のチェックに使います。

非売品

愛用しているこのジョウビタキの置物ですが、諸般の事情によって残念ながら販売中止になってしまいました。しかし、他の野鳥シリーズは販売されています。撮影ターゲットをお探しの場合は同シリーズをおすすめします。

野鳥撮影の練習用

個人的にはカメラの野鳥認識能力の確認や野鳥撮影の練習用として大活躍しています。大変リアルな出来なので、動物の検出ができるカメラでは野鳥として認識して目にフォーカスポイントを設置してくれます。庭の木や低木の上に置いたり、半分枝や葉に隠れた状態にしてフォーカシングの練習に使っています。カメラの様々なフォーカスモードを検証して最適な方法に追い込むのに役立ちます。

紅石さんの鳥の置物

撮影ターゲットとしておすすめできる精巧な作りの置物です。もちろん、Z9、Z8の被写体検出(動物)で鳥として認識され、目にフォーカスポイントを設置してくれます。大変クオリティが高い製品です。

追記(2024年1月10日)

リニューアルされたニコンプラザ東京に行ってきました。NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR Sに興味があったので試写させてもらうのが目的です。仕事の合間だったので、Z50を持参したのですが、ターゲットとして用意していただいたのが、なんと、紅石さんのカワセミとハクセキレイでした。
やはり写真のターゲットとして、皆さん考えることは同じだったようです。紅石さんの精巧な置物がこんなところでも活躍しているのを見て、何だか大変親近感がわいてしまいました。
「おー、君たちはこんなところでも働いていたのかー」という心境です。

で、NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S は思った通りの素晴らしい性能だったので、次の日には迷わず購入してしまいました。Z50で、ほぼ最短撮影距離4mでの試写です。もちろん、手持ちですが、5.5段のVRの威力でブレずに撮れています。とにかく夢のように軽い600mmです。

他の動物

犬、猫シリーズも実にリアルでお好きな方々にはおすすめです。Benny’sという商品シリーズでたくさん出されています。

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