画像処理について

住んでいる集合住宅が厚木基地の滑走路のモロに延長線上に位置しているので、住宅防音事業1種区域に指定され、全戸防衛庁の防音工事を行いました。すべての開口サッシをペアガラス防音サッシへの交換、玄関ドアの交換、キッチン換気扇の交換などを行い、さらに窓を開けなくても過ごせるように全室にエアコンとロスナイ換気扇の取付を行うという、かなり大がかりな工事です。
各部屋に換気扇やエアコンを取り付ける際、壁に穴を空ける必要があるのですが、鉄筋に当たらないよう、壁面のX線撮影を行います。これが結構大変で、コンクリートを通すためにかなり強力なX線発生装置が必要です。外側に装置を設置し、内側にX線フィルムを設置して、人間は避難して撮影します。

こんなのがうちの上空をよく飛びます。風向きによって離陸直後だったり、着陸間際だったりします。何かあると編隊を組んでスクランブル発信することもあります。対潜哨戒機や輸送機はそれほどでもありませんが、戦闘機は桁違いの爆音です。日本を守ってくれているので文句は言えませんが、スクランブル発信は昼夜問わずいつでも実行されます。その度に苦情の電話が何千件もかかってくるようなので、防衛庁が対策を講じてくれたのでしょう。
今までに2回防衛庁の防音工事がありましたが、3度目の今回は戸単位の防音工事になります。今までは住人の人数に応じた部屋単位の工事で中途半端だったのが、今回は一気に戸単位になり、外に面するすべての開口が防音仕様になりました。過去に行った防音工事のサッシも新仕様の防音サッシに変更されました。

医療系の大学に通っていますし、30年ほど前から動物病院の裏方の仕事をしているので分かりますが、ここ20年ほどで医療分野でのX線撮影は大きく進化しました。今はX線撮影でフィルムを使っているところはほとんどなく、ほぼ100%デジタルになってきています。昔はカセッテにフィルムを入れ、撮影後現像してシャーカステンで読影していましたが、デジタルになってからは撮影後すぐにモニターで見られるようになりました。大いなる進化です。大きく、独特の臭いを発生し、メンテナンスも面倒なフィルムの自動現像機から解放されたのです。

ところが、防音工事の施工業者が使っていたX線撮影のセットは、フィルム式だったのです。撮影後、どこかの駐車場に止めた車に設置してあるであろう現像機までまで走って現像しに行き、しばらく経って現像したフィルムが戻ってきました。
イマドキ何て時代遅れだと思ったので、現像中に現場監督に聞いてみました。
「現在医療系ではほぼすべてデジタルになっていますが、壁面のX線はデジタル化できないのですか」と。
監督曰く、「デジタル化したくても提出先が許してくれないのです。デジタルだと改ざんされる可能性があるので、防衛庁の仕事はフィルムの原板を提出する必要があるのです」
とのことでした。
なるほど。こういうところでフィルムはまだ生きているのですね。確かにデジタル画像なんて作ろうと思えばいくらでも生成したり改ざんしたりできる時代ですから、防衛庁がフィルムを要求するのももっともなことなのでしょう。

デジタルデータで良ければ、鉄筋があろうとなかろうとすべて無いことにして穴を空けちまえば楽です(業者がそんな悪徳だと言っているわけではありません。悪い業者がいたらの話しです)。で、何年か後に地震で倒壊したりして、鉄筋が切られていることが原因だと分かった時、防衛庁は「何でデジタルデータなんか信用したんだ」と責められること必至です。その予防手段としてフィルムの提出を要求しているのでしょう。さすが防衛庁。あらゆる攻撃を想定して自らも防衛しています。

そんないきさつがあったので、画像処理についてちょっと考えてみました。

画像処理の是非

フィルムカメラで育った世代は、フィルムに写ったものは絶対であり、未加工の証拠として扱える感覚を持っています。当時は写した後の処理は素人には何もできない状態でしたので、写真に写ったものはウソのない確実なものでした。
撮影者ができることは、印画紙に焼くときにトリミング範囲を指定したり、せいぜい手焼き指定で少し濃くとか、ハイキーになどと指定する程度でした。
トリミングをしたり、ハイキーローキーなどの指定くらいは暗黙に認められていた範囲だったのだと思います。それが許されない場合はポジフィルムを使ったものです。

時は流れ、デジタルカメラの時代が到来すると、状況は一変します。写真はデジタルデータで記録され、自宅のPCでいくらでも加工できるようになりました。

デジタルカメラの画像処理

PCでの加工以前に、そもそもデジタルカメラから出力されてくるデジタルデータ自体が、カメラの内部ファームウェアによって加工されたデータです。

今ではセンサーに写った映像を各社独自のアルゴリズムで画像処理を施し、理想的な絵作りをしたものが出力されます。レンズの歪曲補正、色収差の補正、ホワイトバランスの補正、手振れ補正、周辺減光の補正、回折ボケの補正など、考えられるありとあらゆる補正をデジタルプロセスで処理し、最終的に出力しています。レンズの情報を読み取り、光学的な欠点までも補正しているようです。

処理のアルゴリズムは各カメラメーカーが威信をかけて開発しているものなので、何をどうしているのかは当然非公開です。

フィルム時代は光学的に結像した像をフィルムに記録するだけでしたが、デジタル時代の画像はどこまでが光学的な像で、何をどう処理したのか利用者は全くわからない絵を見せられているのです。

画像処理は悪なのか

フィルムで勝負をしてこられた世代の方々は、画像加工は悪で、インチキではないか、と思われている方が多いと思います。しかし、フィルムが終焉を迎え、デジタル時代になってからは、上記のようにすべて画像処理された写真を見せられているので、画像処理の是非や善悪などは、もはや不毛の議論なのかもしれません。

今後はAI技術なども駆使されて、ますます何を見せられているのかわからない方向になって行くことでしょう。われわれ旧人類からするといささか気持ち悪い気もしますが、昨今のスマートフォンの画像を見ると時代の流れを強く感じます。最新のスマホでは、AI技術を駆使して、どこか嘘くさいけど、ぱっと見は抜群にきれいな写真が撮れます。

学術的にどこまで許されるのかは微妙ですが、あまりに加工しすぎたものは「捏造」扱いになる恐れがあります。論文などで使用する場合は気を付けた方が良いでしょう。特にあったものを消したり、なかったものを足したりした画像は明らかな「加工」であり、捏造扱いになる可能性が高いでしょう。

「処理」なのか「加工」なのか

言葉の違いだけなのかもしれませんが、線引きのイメージとして多くの人は「画像処理」は許せるけど、「画像加工」されたものはもはや写真のオリジナル性が失われているものというイメージを持つのではないでしょうか。処理と加工の明確な定義があるのかどうかわかりませんが、個人的には次のように考えています。

画像処理

画像の明るさを調整したり、コントラストを調整したり、歪みを補正したりするのは、元からある情報を調整するだけです。カメラ内部で行われている処理もこの範疇に入ります。
こういったことは、場合によっては露出の失敗をカバーする目的であったり、カラーバランスの失敗を補正するものです。フィルム時代でしたらポラロイドパックで露出を確認したり、フィルターワークでカラーバランスを補正するなど、同様なことがアナログ的に行われていました。
また、フィルム時代は印画紙に焼いて鑑賞するのが主でしたので、焼き付け時に覆い焼や焼き込みのテクニックで調整を行っていましたので、それらの処理がデジタルで簡単にできるようになっただけという捉え方ができます。
たとえ薄くても、撮影時のデータに写っているものを強調したりより薄くしたりするだけなので、許される範囲という認識ではないでしょうか。あるものを消したり、ないものを足したりはしていません。

画像加工

問題は画像加工の方でしょう。言葉のイメージからは、写っているものを消したり、逆に写ってないものを足したり、故意に色を変えたりするイメージです。これがエスカレートすると、もはや写真ではないことになると思います。邪魔な通行人を消したり、傷を消したり、背景を入れ替えたりするのは明らかに加工です。芸術作品としては許されるでしょうが、例えば、論文に使う写真、事件現場の証拠写真などでは、真実を捻じ曲げるような加工が許されるはずがありません。
加工した画像が許されるのでしたら、もはやカメラなんかもいらなくなります。AIでそれらしい単語を入力すると下手な写真よりもそれっぽい画像が得られます。
加工画像は加工画像であることを明記して利用する分には有用ですが、加工を伏せて真実として公表するのが問題になるのです。

グレーゾーン

上記のように、「処理」と「加工」は自分の中では何となく分けて考えています。処理は元々記録されているものを明確にしたり強調してりする処理で、加工はデータの改ざんです。しかし、場合によっては明確に線引きできるものではなく、グレーゾーンもあります。
ノイズ処理などで、ノイズに飲み込まれてしまったディテールをAIで復元するとか、周波数分解して特定の周波数にシャープニング処理を行うウェーブレット変換処理などはどうなのでしょう。
ゴミ取りなども、アルゴリズム的にゴミの周辺の画像で自動的に埋めてくれるので、有るものを削除して、周辺ピクセルから穴埋め用の画像を作り出しているわけですから、加工に近いグレーゾーンだと思います。

その他にも、処理なのか、加工なのか、微妙にグレーゾーンなものがたくさんあると思います。おそらく、個人によってこのあたりの捉え方は大きく異なると思いますし、同じ人でも画像を使うシチュエーションによって考えは変わると思います。
自分も仕事で論文用の手術写真を撮るときと、このブログ用の写真を撮るとき、旅行に行って写真を撮るときなど、目的によって全く変わります。モデル撮影などの時は美肌効果などの加工は歓迎されますから普通に使いますが、医療写真ではご法度です。別に法律やルールがあるわけではありませんが、常識というか、暗黙の了解です。

カメラとスマホの内部処理

いわゆるカメラと呼ばれている道具は、一部の機種を除いて単体では極端に加工した画像を出力するものは少なく、可能な限りレンズで投影された像を正確に記録する方向で処理されます。光学的な処理が困難な収差補正やセンサーのラチチュードを補正するためのいわゆる画像処理にとどめている傾向があります。

一方、スマートフォンの画像は画像処理の範疇を超え、画像加工がかなり加えられたデータが出力される傾向があります。そもそもあんなに小さなレンズで、絞りもなく、超小型センサーですから、光学的に元の画像には限界があるはずです。しかし、ライバル機種との差別化のために、いかに美しく、普通のカメラと同レベルの画質が得られるようにかなり加工が施されていると思われます。誰が見てもぱっと見できれいに見えるような色付け、大口径レンズで撮影したかのようにソフトウェアで背景をぼかす機能なども盛り込んでいます。

したがって、カメラとスマートフォンの画像の作り方は大きく異なります。どちらも画像処理は行っていますが、カメラは可能な限り光学的な像を活かして補正しきれないレンズやセンサーの問題をソフトウェアで解決しようとするアプローチ、一方のスマートフォンの画像は、とにかく誰が撮ってもぱっと見きれいに見えるように元画像を加工して作り上げるイメージです。実物より色彩を豊にし、コントラストを高く加工した方が喜ぶ人が多いということなのでしょう。実際は情報量は減っているのですが、そのあたりの万人に受けやすい加工を行うアルゴリズムを各スマートフォンメーカーが力を入れて開発しているのでしょう。顔を認識して小顔にしたり、目を大きくしたりして美人風に変形する機能まであります。

どちらが良いとか、優れているかという問題ではありません。アプローチが異なることをきちんと認識して、使い分ける能力が我々に必要になってくるのだと思います。
スマートフォンが普及し始めた頃、カメラメーカーの存続が危ぶまれていましたが、何のことはない、カメラメーカーは存続していますし、むしろ見直されています。「写真はスマホで十分」と言うのは、そもそも写真にそれほどこだわりがない人の意見なのでしょう。
そういう人にとってカメラは重いし嵩張るし、デメリットしか感じないと思います。
スマホの写真を見て、いや、こんなんじゃない、自分の写真表現はカメラでないとできない、と思う人は自然とカメラを使うようになるのでしょう。

一時期はスマホによってカメラ業界は駆逐されると思われていましたが、むしろスマホの普及によって写真を撮る機会が増え、人々の写真やカメラに対するリテラシーが向上したように見受けられます。
スマホとカメラは今、いい関係になってきているのではないでしょうか。

後処理による画像加工

問題はカメラで撮影したデータをPCに読み込んだ後の画像処理です。
自分は写真家として仕事をしていますが、正直、PCに読み込んでそのままクライアントに渡すことはほとんどありません。選別と多くは何らかの処理を行います。
行う処理は、被写体と写真の使用目的によって異なります。
論文投稿や学会発表用の撮影では、基本的にトーンカーブ調整とトリミング程度です。セミナーや発表などで使う画像の場合はそれに加えてカラーバランス調整や拡大縮小、ゴミ取り、コントラスト調整などを行います。ブログの写真などの場合は、覆い焼きや焼き込み処理も行います。商業写真などの場合はさらに歪みの補正や美肌効果、背景の処理など、かなり「加工」寄りの処理が入ります。

手術や解剖の撮影

手術や解剖の撮影が本職ですが、残念ながら倫理的にあまりお見せできません。最も加工が許されない仕事なので、撮影時にまずは入念にカラーバランスを合わせます。無影灯下にグレーカードを置き、プリセットマニュアルで的確なカラーバランスに設定します。
ストロボが使える環境の場合は無影灯の光をキャンセルできるように絞り込んだり、NDフィルターを使用してストロボ撮影を行います。
無影灯の光度を変えると色温度も変わってしまうので、ストロボ撮影が許される場合はストロボ撮影の方が安定します。内蔵の色は大変デリケートです。少しでもカラーバランスが崩れると健康な組織が病気のように見えてしまうので、カラーバランス調整は大変大事です。
撮影したデータは調整するとしても多少明るさコントラストを調整したり、トリミングをする程度で納品します。

X-RiteのColor Checker パスポート フォト 2を長年愛用しています。画像処理を最小限にするために必需品です。無影灯下で、Color Checkerの別の面にあるグレーカードでプリセットマニュアルでホワイトバランスを設定し、カラーチャートを撮影して確認します。撮影前には毎回必ず調整します。無影灯はハロゲン球なので、カラーバランス調整を怠るとまっ黄色になります。
フィルム時代はカラーフィルターで調整していましたが、合わせるのは大変困難でした。デジタルカメラになってプリセットマニュアルで簡単に光源に合わせられるので、大変楽になりました。

顕微鏡撮影

病理組織標本や寄生虫の撮影もよく依頼されます。この場合も、論文投稿用やセミナー用、書籍用かによって撮影と処理は変わってきます。論文投稿用は基本的に手術写真と同様、トーンカーブ調整とトリミング程度しかしません。

セミナー用や書籍用は分かりやすい説明図としてコントラスト調整をしたり、深度合成のためのコンポジット処理なども行います。依頼を受ける顕微鏡撮影の多くは特殊なものが多く、かなりマニアックです。トリコモナスの鞭毛の本数が確認できるようにとか、好酸球の顆粒がばっちり見えるようにといった指示を受けます。無理難題も多いのですが、可能な限り光学顕微鏡の限界にチャレンジするようにしています。

ブログ用としては深度合成やウェーブレット変換、ノイズ除去、コントラスト調整などを行うことがあります。おそらく論文では却下されます。

顕微鏡写真の基本は背景が無彩色になるように撮影することです。色は重要な情報なので、光源の色温度に左右されることなく、正しい色が表現されている必要があります。
いつもはプレパラートのすりガラス部分をターゲットとしてプリセットマニュアルでホワイトバランス設定を行います。光源の明るさを変えない限り倍率を変えても最初にセットしたホワイトバランスで撮影できます。

天体撮影

フィルム時代はフィルムのベースの厚みもありますし、色もついていたので、コンポジットは数枚が限度でした。しかし、デジタル時代になってからは、メモリが許す限り重ねることが可能です。最近は動画撮影して数千枚の画像をコンポジットする撮影法が広く使われています。複数の画像をコンポジットすると、ノイズが低減され、微細な模様などを強調させることができます。
今や天体写真は撮影した1枚のデータを未処理で扱うことはほぼないでしょう。

コンポジット画像も扱いは微妙だと思いますが、基本的には元のデータに写っていたものを処理によって強調しているだけなので、「加工」とは異なると思っています。

天体撮影の画像処理はフィルム時代から行われていましたし、専門でもないし仕事でもないので、考え方はかなりルーズです。特にブログに載せる写真はコンポジットやウェーブレット変換、ノイズ除去、コントラスト調整、覆い焼き、焼き込み処理などを行っています。

久しぶりの肉眼彗星となった紫金山・アトラス彗星です。肉眼で見えましたが、こんなに町明かりがあるところでは、実際はこんなにきれいにはみえません。肉眼ではうっすら見える程度です。数秒間露出して、画像処理を行うとこのように見えてきます。テレビのニュースや新聞などでもこのような写真が掲載されていましたが、どれも相当画像処理がなされていると思われます。天体写真に精通していない人がこういう写真を見せられて、こういう風に見えると思って見に行くとがっかりすると思います。

惑星の写真は画像加工のたまものです。同じターゲットを何枚も撮影して、それを重ね合わせることによって高コントラスト、高解像度の写真が得られます。上の写真は左から火星、木星、土星を望遠鏡ではなく、野鳥を撮る800mmの望遠レンズとテレコンで撮影したものです。手持ちで10枚ほど撮影したデータをコンポジットし、ウェーブレット変換しました。画像処理の技術があれば、望遠レンズだけでもこのくらいは写せます。

野鳥撮影

野鳥撮影は仕事なので、自分の中で画像加工は許されないターゲットとしています。800mmの望遠レンズをDXフォーマットで使っているいるので、トリミングはできません。そのため、撮影時に構図をきちんと考えて撮影しています。また、撮影時に露出も過不足ないように調整しながら撮影します。撮りなおしもできないので、一番緊張する撮影なのかもしれません。

カレンダー用の写真は、ほぼトーンカーブ調整しか行っていません。

野鳥はどこかに白い羽毛があることが多いので、その部分が白飛びしないように少しアンダー目に撮影します。作品として仕上げるときにトーンカーブで調整します。

商業写真

商業写真は、画像処理、画像加工なんでもありの世界です。論文と違って誰も文句は言いません。逆に商品もモデルも可能な限り美しく表現されていないとダメなので、撮ったままなどということはあり得ません。撮影よりも画像処理の方が大変なくらい加工します。

薬局に行って化粧品の大型のポスターを見てみてください。いくら肌が美しい女優さんでも、また、いくら優れた化粧品を使っても、一点の曇りもないあんなに滑らかな肌をしているわけがありません。みな画像加工技術の粋を集めて完璧に仕上げているのでしょう。さすがその道のプロです。素晴らしい芸術作品です。
その化粧品を使えば皆あのように美しくなれると思ったら大間違いです。それよりも撮影したカメラマンを探し出して、スタジオで完璧な照明をあてて撮影してもらい、あのポスターのように美しく加工してくれと頼めばやってくれると思います。かなり高いと思いますが。

一般社団法人日本コンパニオンラビット協会のウェブサイト用素材:「ウサギと戯れる森の妖精風」という依頼だったので、シート上に横たわってもらったモデルさんの写真をバリバリに加工・合成をして作りました。ちょっとやり過ぎ、ということで、この画像はボツになりました。

考察

以上のように、防音工事の壁面のX線撮影から自分が現在行っている画像処理や加工をまとめてみました。デジタル時代になって、写真は単にレンズを通して結像した像の記録ではなくなりました。カメラの内部ですでに処理が行われていますし、取り出したデータはPCでいかようにも加工できてしまう時代です。今や全く加工していないデジタルデータは存在しないと思います。特にスマートフォンの画像は相当な加工がなされていることでしょう。論文投稿でスマートフォンの写真が使えるのかどうかわかりません。捏造だと言われたら否定できないかもしれません。

写真はフィルムからデジタルになり、さらにスマートフォンの登場によって老若男女が常に写真を撮る装置を持ち歩いて生活する時代になりました。撮った写真を簡単に加工するアプリも星の数ほど出ています。小学生の頃から誰でも簡単に撮影して面白おかしく加工して、SNSに投稿する時代です。
いまさら画像の加工をしてはいけません、などと言うことはできないでしょう。

STAP細胞論文のねつ造疑惑で一躍有名になったO研究者は、画像加工は「いけないと思ってなかった」と話したそうです。
しかし、実際デジタル画像の時代になり、論文投稿にどこまでが許されているのかは不透明です。最高峰のNatureだろうと、Scienceだろうとフィルムしか受け付けないなどということはありません。投稿規定を読むと、普通にデジタルデータでの入稿です。
捏造か否かは研究者としての良心に任せられているのでしょう。デジタルカメラで撮影されたものは、すでに画像処理されているものですから、その後さらに悪意をもって事実を改変するような加工がされているかどうかが争点となるのでしょう。

事実を曲げるような加工でなければ、どのような加工を施したか明記すれば問題ない加工もあるでしょう。改ざんではなく、単に事実を見やすく調整するのでしたら、何も問題はないと思いますし、改ざんの扱いは受けないでしょう。

かなり強い加工が施されていると思われるスマートフォンの画像などはどのような扱いになるのかは分かりません。大切な研究でしたら、通常はスマートフォンではなく、カメラで撮影すると思いますが、今後の若い世代は分かりません。悪意がある加工でなければ、これからの世代はスマホで論文書いて、スマホで写真撮って、スマホでグラフを描いて、スマホで投稿するようになるのかもしれません。

一方、芸術作品としてはバリバリに加工された写真の方が評価されることもあります。背景を変更したり、歪みを補正したり強調したり、後処理でボケをコントロールすることもあります。複数の画像を合成することも多いでしょう。画像加工もクリエーターのテクニックなので、評価されてもおかしくはありません。1枚の画像を得るために多大なエネルギーを注いでいるのですから。

久しぶりにX線フィルムを見て、自分も写真家として、何をしているのか、画像処理とは何か、画像加工とは何か、を改めて考えさせられました。

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