Nikon Z9 + NIKKOR Z 24-120mm f/4 S レビュー(マクロ編)

数ある標準ズームの中でこのレンズを選んだのは、うたわれていたマクロ性能に惹かれたからです。医療カメラマンという仕事柄、離れた位置から術創を撮る必要があり、望遠系のマクロが必要です。今まではD500で名玉と言われたNikon AI AF Zoom Micro Nikkor ED 70~180mm F4.5~F5.6Dを愛用していましたが、ボディー側モーター駆動のレンズなため、Z9では使えなくなってしまいました。困っていたところ本レンズが発表になったのでZ9といっしょに注文していました。2月発売の予定でしたが、何があったのか1月に前倒しになり本日到着しました。

ズームレンズで、しかも5倍という無理な設計にもかかわらず、ズーム全域の解像性能が絶賛されています。一部では単焦点を超えるのではないかというレビューもありますが、実際はどうなのでしょう。自分の仕事に使えるか検証してみました。

ズーム全域最短撮影距離0.35m

最大撮影倍率0.39倍は120mm時なので、120mmでのテストです。医療写真ではそこまで解像度も必要ないので、DXフォーマットで使用します。少しでも術創から離れて撮ることができる方がメリットがあるのです。
120mm時のレンズ全長は172mmほどでした。最短撮影距離は撮像面から350mmですから、ワーキングディスタンスは350mm-172mm-16mm=162mmとなります。結構近いのですが、医療撮影ではそこまで近接撮影することはないので、十分使えます。

最大撮影倍率でどの程度の範囲が写るのか

イメージとして分かるように10円玉を撮影しました。

横幅10円玉3つ弱くらいです。なかなかのマクロ性能です。仕事ではもう少し広い範囲の撮影になるので、十分離れた位置から撮影できるでしょう。光の回り込みを考えてストロボの設置などは工夫が必要ですが、十分に使えます。

被写界深度

120mmの開放F4での被写界深度を見て見ましょう。上の写真の拡大です。

平等院の中央に合わせていますが、上下の日本国と十円の刻印は大きくボケています。ボケは素直なようで、色収差なども見受けられません。

ここでもZ9の被写体検出の動物が威力を発揮してくれて、ピンポイントで目に合焦してくれます。57mm時F4開放。

こだわりの設計です。

開放から素晴らしい解像感です。目の周辺はカリカリにピントが合っている一方、背景は素直にほんわりとボケてくれています。レンズ構成:13群16枚(EDレンズ3枚、ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり、アルネオコートあり、最前面のレンズ面にフッ素コートあり) は伊達ではありません。
5倍ズームなので、画質低下は覚悟していましたが、技術の進歩には目を見張るものがあります。ズームは3倍超えるとダメと言われていたのはもう過去のことです。EDガラスや非球面研磨技術の発展によって今はこんなレンズが10万ちょいで入手できてしまうのですね。驚きました。

F値による画質変化

レンズテストを行うサイトで一様に驚かれていることは、ズーム全域における中心部の解像度がすばらしく高いことと、開放F4の解像度が最も高い設計であることです。単焦点レンズを凌駕して、解像度テストのスケールを変えなければならなかったとのことです。また、一般的にズームレンズは無理な設計が多く、収差の除去が完璧ではないため、若干絞った方が高解像・高コントラストになることが多いのですが、開放の解像度が最も高く、絞り込むほど回折による解像度の低下が得られます。まるで単焦点レンズのような振舞いです。

以下は10円玉を等倍撮影し、1920×1920でトリミングしたものです。ボディ内手振れ補正機能のテストも兼ねてすべて室内の天井灯のみでの手持ち撮影です。

120mm、F4、1/125s:最短撮影距離
120mm、F5.6 、1/125s :最短撮影距離
120mm、F8 、1/80s :最短撮影距離
120mm、F16 、1/69s :最短撮影距離
120mm、F22 、1/60s :最短撮影距離

このサイズでは回折による画質の低下などは分かりにくいと思いますが、少なくとも開放から高解像であることが分かります。

ブンチョウマクロ

またわが家のブンチョウにモデルになってもらいました。AF性能も文句なく、被写体検出機能によるフォーカシングはまったく不安なところはありません。目を検出して確実に目にピントを合わせてくれます。

総評(マクロ)

今回はNIKKOR Z 24-120mm f/4のマクロ性能をテストしただけですが、個人的には不満点はどこにもなく、おすすめできるレンズです。マクロレンズ以外で撮影倍率0.39倍もあるので、ペットや花などの撮影には重宝するレンズだと思います。
後日、Z9との組み合わせでの一般撮影、解像度、広角側の評価、VRないことの問題点などを検証してみます。

裏話

ブンチョウは好奇心旺盛です。見慣れないものはまずつついてみます。10円玉の撮影を始めると案の定興味を示し、せっかく良い角度でセッティングしても何度も何度もひっくり返しにきます。飽きるまでやり直しさせられました。そのため、撮影するたびに角度が変わってなかなか均一な写真になりませんでした。悪しからず。

なにこれーなにこれー
えいっ、エイッ
また倒した。でも叱れない。

作例

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野鳥撮影にも最強のパフォーマンスを発揮するミラーレスフラグシップです。被写体検出機能で野鳥も認識して目にフォーカスを合わせてくれます。本格的に野鳥撮影をする方にはおすすめです。
FTZ-IIを介して今までのFマウントの超望遠レンズも問題なく使えます。ZマウントのNIKKOR Z 800mm f/6.3 VR Sとの組み合わせは5.5段のVRが効き、800mm(DXで1200mm)ながら手持ち撮影が可能になります。


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位相フレネルレンズ採用の通称ロクロクサンと呼ばれる600mmF6.3の単焦点レンズです。
全長278mm、重量1470gで、600mmの焦点距離からは想像できないほど小型軽量です。レンズ単体で5.5段、Z9やZ8との組み合わせではシンクロVR機構によって6段分のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると900mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで840mmF9、1200mmF13、DXで1260mmF9相当、1680mmF13相当となります。
最短撮影距離が4mなので、野鳥が近い公園などでは有利となります。

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位相フレネルレンズ採用の通称ハチロクサンと呼ばれる800mmF6.3の単焦点レンズです。
800mmの超望遠レンズとしては驚くほど小型軽量で、全長385mm、重量2385gしかありません。レンズ単体で5段分、Z9やZ8との組み合わせでは、シンクロVR機構によって5.5段のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。 最短撮影距離が5mあります。野鳥が遠い公園や小型の野鳥を大きく写したいときに有利となります。
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著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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