サンリオ ゆりかごマスコット

私のオヤジが若い頃、会社で隣の席に座っていた同僚がサンリオの創業メンバーの一人だったようで、「サンリオ」というキャラクター会社を作るけどいっしょにやらないか、と誘われたというエピソードを以前聞きました。当時オヤジはそんなキャラクターなんかで食っていけるとは思わず、断ってしまったそうですが、便乗していれば役員くらいになっていたのかもしれません。

さらに家内が根っからのサンリオファンで、学生時代はアルバイトでサンリオショップで働いていたほどです。還暦過ぎてもかわいい商品を見つけては狂喜乱舞しています。頭がおかしいわけではありません。

そんな背景もあり、自分も歳の割にはサンリオキャラクターに明るくなっています。モスバーガーとのコラボ商品を買ったりもします。身長180cmオーバー、体重90kg弱で、よく「野獣」と呼ばれる風体ですが、意外とキャラクターグッズが好きだったりします。

なるほど。これは可愛い!

今回家内がサンリオショップで見つけたのはゆりかごマスコットと言うシリーズのハンギョドンです。一目惚れのようで、握ったまま離しません。しかもショップでは最後の一つだったようです。仕方ないので購入しました。こういう時の家内の反応はほぼ小学生です。こんな年寄り夫婦が買うのも恥ずかしい気がしますが、孫へのプレゼントかと思われることを期待しています。

しかし、家に帰って開けてみると、確かに可愛らしいデザインです。サンリオファンの心を鷲掴みにする要素がてんこ盛りです。

ハンギョドン

微妙に首がかしがっているところなんか絶妙な設計です。よだれかけにハンギョドンのイニシャルHと書かれているところも大ウケです。ハンギョドン(半魚人)が哺乳類なのかどうか知りませんが、おしゃぶりをくわえています。ハンギョドンの口の大きさとおしゃぶりの大きさがマッチしていないところも最高です。デザイナーのセンスに脱帽です。

シリーズ

サンリオのキャラクターは個性的で、サンリオファンにはそれぞれの「推し」があるようです。最初に出会ったショップには上記売れ残りの最後のハンギョドン1点だけでしたが、家に帰ってネットで調べたらサンリオの様々なキャラクターのゆりかごシリーズがありました。
家内はシナモロールとマイメロディも推しなので、即ネットで注文しました。

ゆりかごマスコットシリーズ
左からシナモロール、ハンギョドン、マイメロディ

シナモロール

ゆりかごマスコットのシナモロールです。このキャラクターはウサギなのかとずっと思っていましたが、今回調べて犬であることを知りました。サンリオ公式サイトに、白い子犬と明記されています。勉強になります。よだれかけにはCのイニシャルが入っています。

マイメロディ

ゆりかごマスコットのマイメロディです。よだれかけにはMのイニシャルが入っています。

ゆりかご

底が丸くなっていて、ゆらゆらと揺れるようになっています。

(自動的に揺れているのではありません。左手で台を揺らしています)

ただ揺れるだけですが、ますますかわいくなります。人の感覚は面白いものです。こんなものでも癒やされるのです。

仕事で何か嫌なことがあっても、家に帰ってサンリオゆりかごマスコットを眺めているだけで、嫌なことなど吹っ飛ぶ……かもしれません。

で、3つ並べて揺らしてみて初めて分かりましたが、それぞれの重さや接地点と重心点の距離の差からか、共振周波数が異なります。揺りかごの下部の曲率半径などは同じだと思いますので、何が固有振動数を決定する因子になっているのでしょうか。振り子の周期はガリレオが重さは関係無く長さで決定されることを発見しましたが、揺りかごの物理学はよくわかりません。メトロノームと同様に回転中心点と重心間の距離だけで決まるのでしょうか。ネットで調べてもあまり出てこないので、レポートや卒論の研究テーマになるかもしれません。上の動画で分かる通り、揺らし方によってある個体は共振して激しく揺れたり、固有振動の逆位相になるためか、急に減衰したりする様子がみてとれます。

疑問点

家内がもう一つの推しである「けろけろけろっぴ」のゆりかごマスコットがないとうったえています。明らかに両生類だからでしょうか。子どもたちに間違った情報を与えてしまうから、文部科学省からストップがかかったのでしょうか。それでしたら、タキシードサムもサンリオのウェブサイトにはペンギンの男の子と明記されていますから、鳥類です。乳は飲みません。
そんな頭の硬いことを言わず、いつか「けろけろけろっぴ」も登場するのでしょうか。期待して待っているようです。

総評

オヤジがサンリオ創設時に誘われたときは、まだ日本にはキャラクターを売る会社などなく、創業者は先見の明があったのでしょう。世界にも当時はディズニーしか無かったと思いますが、日本でも戦後15年くらいでこんなことを考えて実現していった人がいたということ自体驚きです。今では世界中に認められ、キャラクター会社としては大成功していると言えるでしょう。
日本はまだ終戦の色濃く、人々にはまだキャラクターを楽しむ余裕もなかったはずです。日々の暮らしに必死になっていた時代だと思います。そんな時代に「これからはキャラクターだ。いっしょにやらないか」と言われたそうですが、オヤジは「なに馬鹿なこと言ってるんだ」と一笑に付してしまったそうです。まあ、極端な合理主義者で、かわいいキャラクターなどとは無縁だったオヤジはそれで良かったのかもしれませんが、今思うと惜しいことをしたな、とちょっぴり思います。

ゆりかごマスコットシリーズも、これを企画して、社内ではプレゼンテーションを行ったり議論を重ねて設計して、試作を作って評価したりする過程は最高に楽しいに違いありません。そして安全性の試験や価格、コストダウンの模索、製造会社との交渉、流通の確保などを経て、最終的に商品として販売されるのでしょう。そんな職場を想像するだけでワクワクしますね。

こんな商品を企画して販売できる会社はすばらしい会社です。キャラクター商品は平和の象徴でもあります。末永くこういった商品を販売できる社会が維持されることを願います。

ゆりかごマスコット
ハンギョドン シナモロール マイメロディ ハローキティ ポムポムプリン

ぬいぐるみ用ポーチ
ハンギョドン シナモロール マイメロディ ハローキティ ポムポムプリン

マスコットホルダー(ほ乳瓶)
ハンギョドン シナモロール マイメロディ ハローキティ ポムポムプリン

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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