純粋階段

意外と最近まで、天文少年(ジジイ)でした。今でも天体には興味があり、時々写真を撮ったりします。

80年代、90年代は天文ガイドをよく読んでいて、そこで赤瀬川源平さんのことを知ります。天文ガイドに毎月エッセイを連載されていました。その感性や人物像に大変興味がわき、様々な単行本を読んで赤瀬川源平ファンになります。活動や視点が実に多才で興味深いのです。

中でも路上観察の視点は素晴らしく、写真を撮る行為の原点です。常におもしろいもの、不思議なものを探して記録するという生き方には多大な影響を受けています。ゲーテも言ってるように、好奇心が生きるための原動力であるという共通点があります。

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トマソン

赤瀬川さんが言うトマソンとは不動産もしくはその一部で、何の役にも立っていない無用の長物の総称です。昇って降るだけの純粋階段、暗渠化され、路上に欄干だけが残された無用橋などは分かりやすく、街なかを注意深く見ていると意外と見つかるものです。

中でも純粋階段は面白いテーマです。作られた当時は用途があったのでしょうが、何らかの都合で登った先の用途がなくなり、階段だけが残っている状態や、下に何かがあり、それを回避するために作られたと思われる階段です。単に登って降りるだけの機能しかない階段なので、純粋階段と呼ばれます。

職場が新宿を経由する場所なので、新宿はよく立ち寄る街です。新宿駅近く、ミロードにつながる通路に一つ立派な純粋階段があります。

ミロードの純粋階段

まさしく登って降りる機能に特化した純粋階段です。横にショーウィンドウがありますが、階段を登ると見やすいわけではなく、かえって見にくくなるので、ショーウィンドウを見るための階段ではありません。
比較的人通りが多い通路にあるのですが、単に位置エネルギーの損失になるので、誰もここを通りません。通路の半分近くを占領しているので、邪魔なだけなのですが、手すりもあり、しっかりと作られているので、なにかわけがあって作られているのでしょう。下になにか避けられないものがあり、それを回避するために仕方なくその部分だけ嵩上げする必要があったのでしょうか。
せっかくなので、自分はいつも階段側を通るように心がけています。

4段登り、数m進んでまた降りるだけです。
タイル貼りのしっかりした作りで、ステンレスとガラスで専用に作られたおしゃれな手すりも付きます。
脇にショーウィンドウがありますが、登ると足元で余計見にくくなるので、
そのための階段でないことは明らかです。
真横から見ると、すりガラスを通して階段の様子が分かります。
純粋に登って降りるだけの機能です。

ニラハウス

某薬科大学でもたびたび仕事をしていました。最寄り駅からの経路の途中の坂を登りきったところにニラハウスは建っていました。赤瀬川原平さんの家です。昔は建築屋だったので、当時話題になったニラハウスの存在は知っていましたが、こんなに近くにあるとは夢にも思っていませんでした。発見した時からすでに屋根のニラはメンテナンスされていないようで、建設当時の面影はないのですが、確かにニラハウスでした。
(以前写真を撮ったのですが、見つかりません。見つけ次第アップします)

赤瀬川源平さんのおすすめの本

とにかく日常の面白いことを見つけて文章にすることの天才です。最も感銘を受けたのが「超芸術トマソン」と「新解さんの謎 」です。読んだことがない人にはぜひおすすめできる名著です。世の中の見方が変わって、人生が楽しくなります。

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