Nikon D5600による野鳥撮影-2

D5600 + AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR

最初のD5600ダブルズームキットをしばらく使用すると、野鳥撮影もかなり上達してくるでしょう。家内もフォーカス、構図など、失敗と調整を繰り返すうちに、状況を見ただけでどう対処すればよいか、感覚的にわかってきたようです。何より、鳥の探しかたが分かってくるため、鳥との遭遇確率が飛躍的に上がることが実感できます。半年ほど野鳥撮影をしていると、「今まで気づかなかったけど、世の中にはこんなに沢山鳥がいたんだ」と思いはじめていることでしょう。特に遠くの鳥まで見えるようになるので、そうなると遠くの鳥を大きく写したいという欲がでてきます。野鳥撮影をはじめると、誰もが通る道です。

ダブルズームキットは、家内が野鳥撮影の楽しさにのめり込むきっかけを与えてくれた大変優れたキットですが、慣れて来ると望遠ズームの望遠端300mmは遠くの野鳥を撮影するには、いささかもの足りなくなってきます。小型の野鳥を写すにはどうしても500mm以上の望遠レンズが欲しくなってきます。

AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR

丁度その頃、タイミングよくNikonからコストパフォーマンスに大変優れた超望遠ズームレンズが発売になりました。500mmF4の単焦点レンズが130万円ですが、この200-500mmズームは、約1/10の価格で購入できます。もちろん、単焦点レンズと比べたら画質は相当落ちるのでしょうが、500mmまで使えるNikon純正レンズとしては、破格です。

問題は彼女が持ち歩けるかどうかです。70ー300ズームが415gですが、200ー500ズームは2090gあり、その差約5倍です。例えるなら、少し飲んだ500mLのペットボトルから、満タンの2Lペットボトルに持ち替えることに相当します。果たして大丈夫なのでしょうか。

さっそくカメラ量販店に行き、持たせて見ました。数年前でしたら、「絶対ムリー」と即答していたと思いますが、彼女の頭の中はもうすでに野鳥写真家になっていたので、「持てる!」と言うのです。「ぜんぜんヘイキー」とまで言っていました。

こういうものを買うときは興奮状態なので、あまり鵜呑みにはできませんが、見た感じはそれほど違和感無く使えそうに見えました。ダメだったら私が使うこともあるかも知れないと思い、とにかく買って見ました。

この重さになると、さすがにボディのストラップだけでぶら下げるのは不安感があったので、速写ストラップを購入し、レンズフットに取り付ける方式にしました。どことなくランボーを彷彿とさせ、かっこよく見えます。
知り合いからは「レンズが歩いているみたい」と言われていました。確かに身長150㎝の彼女のかなりの範囲をカメラとレンズが占めているように見えます。

長時間持ち歩いてみないとわからないので、今まで通り10kmほど歩いてみました。速写ストラップとの組み合わせが良かったのか、途中で音を上げることもなく、5時間ほどぶら下げていたことになります。さすがに今までと遜色ないとは言えませんが、撮れる映像を加味すると、多少無理をしてでも、この200-500の方を持ち歩くことでしょう。体はまだまだ鍛えられます。

かくして彼女のNikon D5600 + AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRという撮影システムができあがります。三脚は使わず、常に手持ち撮影です。このセットを使いはじめて二年目になりますが、特に腱鞘炎になったり、腰痛に悩まされるようなことも起きませんでした。

Nikon AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
500mmまでの超望遠レンズが15万以下で手に入るという、コストパフォーマンスに極めて優れたレンズです。純正の安心感もあり、このレンズが発表されてNikonに変えたというバーダーも多いと聞きます。500mmF4が130万円ですから、その約1/10の価格で500mmの世界を楽しめます。しかも、ズームレンズなので、必要に応じて引きの写真を撮ることもできます。フィールドでも使用しているバーダーが多いので、定番になっているようです。
クイックリリースプレート アルカスイス互換 100mm 1/4″ネジ付
カメラの取付器具をすべてアルカスイス互換にしたので、レンズフットも全てアルカスイス互換に変更するか、アルカスイス互換プレートを装着しています。これはアルカスイスプレートです。これを付けて、速射ストラップに付けたアルカスイス互換クランプに取り付けます。脱落防止のストッパーネジもついているので安心です。必ずつけたまま使いましょう。
アルカスイス互換レンズフット
上記のようにレンズフットにプレートを付けると部品が増え、重量も嵩み、高さも高くなるのが気になる方は、レンズフットごと交換してしまう手もあります。200-500のレンズは、レンズを支えるリングとレンズフットが一体柄なので、それごと交換します。レンズフットはもちろんアルカスイス互換です。
BlackRpidの速射ストラップ。
右グリップ用と左グリップ用の2種類がありますので、お間違いなく。グリップという表現が分かりにくいのですが、カメラが体のどちら側に来るかということのようです。彼女は右利きなので、カメラが体の中央やや左に位置していた方が右手が届きやすいので、「左グリップ用」を購入しました。左グリップ用が、右肩から左わきに斜めにたすきになるタイプです。カメラが右側か左側かは好みが分かれると思いますので、間違いのないように事前にイメージしておくことをおすすめします。
普通のレンズが付いたカメラでしたら、右利きの人が右側にカメラをぶら下げるのは違和感ないと思いますが、超望遠レンズだとボディのグリップで持ち上げるような持ち方はせず、左手でレンズを持つ形になるので、左側にあった方が使いやすく感じました。
アルカスイス互換クイックシュー
レンズフットにアルカスイス互換プレートを付けたので、速射ストラップに取り付けるクランプもアルカスイス互換にしてあります。このクランプはネジだけではなく、レバークランプも付いているので、瞬時に取り付けられて便利です。価格も安く、強度も十分あります。

写り

十万円台で買える超望遠レンズとしては最高のパフォーマンスだと思います。百万円を超える単焦点と比べたら差が出るのでしょうが、その比較をする意味がありません。作例を見て頂ければわかる通り、500mmの焦点距離の優位性を遺憾無く発揮していると思います。

タゲリ
まるで宇宙人です。警戒心が強く、あまり近寄れませんでした。こんなときは500㎜の焦点距離が威力を発揮します。

カワセミ
近寄れる野鳥は500㎜だとかなりアップの構図で撮れるようになります。特に気になる収差などもなく、画質としてはかなりコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

総合

重さが問題にならなければ、手軽に使える500mmとしてはイチオシのレンズです。手ブレ補正も良く効き、500mmの超望遠レンズの手持ち撮影としてはかなり歩留まりが良いと思います。ダブルズームキットの望遠端300mmの焦点距離が足りないと感じ、ステップアップをお考えの方にはおすすめです。ただし、持ち歩くための工夫は必要です。ボディのストラップだけでぶら下げるのは持ちにくいし、危険だと思います。レンズ自体を支えるストラップを検討されることをおすすめします。

不満点

2kgオーバーのレンズなのに、なぜレンズにストラップが付けられる構造になっていないのかが疑問です。このサイズのレンズであれば、ボディにレンズを付けるのではなく、レンズにボディが付いている感覚です。持つときも、撮影するときも、レンズが主体なので、ストラップもレンズ側につけるべきでしょう。デフォルトではレンズにストラップを付ける場所がありません。

仕方なく、レンズフットにクイックシューを付け、速写ストラップに取り付ける方法でぶら下げるようにしていますが、収まりはあまり良いとは言えません。次期バージョンアップではぜひ改善していただきたいポイントです。

追記

家内の野鳥撮影への入れ込みが尋常ではなくなり、本当に野鳥写真家になってしまいました。写真を仕事としている私から見ても、短期間でよくこれだけ撮れるようになったな、と思う程です。一緒に撮影していても、女性ならではの視点で、私とは違う絵を切り出すところが興味深いと思っています。

「こんなに楽しいことを皆にも教えてあげないと罪だ」と思いはじめたようで、昨年から野鳥撮影に関するブックレット(たかちゃんの鳥さんこんにちは:20ページの小冊子)を作ったり、ブログをはじめたりしています。

たかちゃんのトリトリ~(ブログ)

そんな中、野鳥図鑑作成の話が舞い込み、彼女の写真も採用されることになりました。さらに2020年の野鳥カレンダーにも写真が採用され、名実ともに「野鳥写真家」になってしまいました。大変喜ばしいことです。

野鳥の世界に引き込んだのは私の責任ですが、野鳥撮影にはまることによって、足腰は丈夫になり、ボケ防止にもなり、結果的には良かったのでしょう。歩けなくなったり、レンズが持てなくなるまで続けるつもりです。

作例

たかちゃんのトリトリ

彼女の野鳥写真の紹介ページです。つたない内容で、不定期の更新ですが、徐々に作り上げていく予定です。野鳥撮影をはじめたい方や、躊躇されている方々のヒントになるかもしれません。ご参考までに。


Nikon 望遠ズームレンズ AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR

パフォーマンス(追記)

Nikon D5600とNikon AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRの組み合わせで、十分仕事として売れる写真が撮れることが証明されました。野鳥カレンダー「身近な野鳥カレンダー2020」が好調だったようで、2021年版も依頼されました。2020年版は20cm四方ほどの小型カレンダーでしたが、2021年版はB4サイズの大型のカレンダーです。プロの仲間入りです。
フラグシップのボディと明るい単焦点レンズの組み合わせだと数百万円になりますが、普及機のD5600と200-500ズームでも十分活躍できます。お値段1/10で、遥かに軽いシステムです。その方がフットワークも軽くなり、総合的に鳥との遭遇確率も上がる、というメリットもあるのかもしれません。健康にも良いし。

最近は自分よりも家内の方が良い絵を撮るようになってきました。がんばらねば。

さらなる進化(追記)

家内の野鳥熱がエスカレートして、Z50500mm単焦点の組み合わせにまで発展してしまいました。ここまではまるとはまったく予想していませんでした。

さらに、2021年版カレンダー写真にも採用されました。鳥もどんどん見えるようになり、いつも私の方が教えられています。まいった。

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ニコン D5600 ダブルズームキット
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著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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