鎌倉に大好きな箸専門店がありました。もともと箸に対しても並々ならぬこだわりがあったので、そこはマニア心をくすぐるマニアックなお店でした。昔は運動のために毎週鎌倉を練り歩いていたので、ほぼ毎週のようにそのお店で箸を眺めていました。店主にも顔を覚えていただいたのか、色々と教わりました。店主は箸店をやっているだけあって、素人の私などは及びもしない箸マニアです。

角箸

そこで紹介されたのが、角箸です。六角箸でしたが、黒檀と紫檀で作られた美しい箸です。何も装飾はないのですが、シンプルなものが好きな自分にとっては理想的でした。
箸は経年変化で曲がらないよう、木材の段階で十分にエイジングをしてから切り出すことや、紫檀、黒檀、鉄刀木(たがやさん)の材質の特性、漆の特性など、色々と学びました。
色々と見ているうちに、自分にとって理想的な箸が決まってきます。店主に誘導されているのかもしれませんが、客の好みを読んで正しい方向に誘導されたと思います。
日本人は、毎日必ず箸を使いますので、気に入ったものを使いたいものです。箸が自分に合っていなかったら食事の時間はダイナシです。

ポイント

その店主にすすめられたのは、六角箸です。鉛筆と同様、断面形状が六角形の箸です。その店主曰く、角箸選びのポイントは、先端まで角があるかどうかだということです。先端まできっちりきれいな六角形にするのは難しいので、ほとんどの角箸は、先端は丸くなっていると。そう言われて世の中の箸をみると、何角形であろうと、先端は角がなく、丸く削られています。
店主が紹介してくれた箸は、先端まできっちり六角形でした。前から見ても、後から見ても正確な六角形です。これは気持ちが良いものです。先端まで角があるため、丸い豆などもつまみやすい、と実演してくれました。優れものです。早速購入して10年以上毎日使っていました。

しかし、さすがに劣化してきたので、買い替えようと思って久しぶりに尋ねたら、そのお店はもうなくなっていました。残念です。しかし、その店主に教わった箸へのこだわりは私の中で生きています。

四角、五角、六角、七角、八角などが作られています。四角、六角、八角は一般的ですが、五角、七角はマニアックな角数です。箸の製造過程では、一度丸箸を作り、辺を削って角箸に仕上げて行きます。そのため、平行な面がある偶数角形よりも奇数角形の方が難易度が高くなります。
今まで使っていた六角箸の代わりに、五角箸、八角箸を購入してみました。個人的に図形として五角形は好きな形なのですが、六角箸よりも角が鋭角になるため、角が痛いと感じます。思ったほど手になじむ感じではない気がしました。八角箸は大変持ちやすく、手になじみますが、八角形にもなると、今度は丸箸に近く、あまり角箸のメリットがありません。

究極の七角箸

そんな中、こだわりの箸を探していて出会ったのが、七角箸です。五角、六角より手になじみ、八角よりも角が鋭角なので丸いものや滑るものもつまみやすくなります。七角箸を販売しているところはたくさんありますが、箸先まで七角形の箸を作っているのは1社しかありませんでした。箸久さんという会社です。職人さんが丹精込めて七角形に仕上げた箸は、シンプルですが、職人のこだわりが詰まった究極の箸です。現在愛用している箸は箸久さんで購入した夫婦箸で、自分は黒檀、家内は紫檀の七角箸です。もちろん、箸頭から箸先まできっちりと七角形に仕上げられています。これはおすすめです。良い箸を持つと、食事が楽しくなります。

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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