Nikon Z8+NIKKOR 800mm f/6.3 VR S:ファーストインプレッション

家内のZ50からのステップアップとして導入したZ8ですが、ファーストインプレッションとしては大変良いようです。一番心配していた重量増も許容範囲なようです。機能面ではZ50からだとあまりに進化の度合いが激しすぎて戸惑っているようですが、よりユーザーフレンドリーな方向への進化なので、写真を撮るという意味ではより使いやすく、簡単になっているはずです。あとは慣れるだけでしょう。

Z50からZ8にステップアップした家内のインプレッションをまとめてみました。

良い点

ファインダー

家内が最初に感嘆の声を上げたのは、ファインダーでした。最初の頃はNikon1J1、Nikon1 V2を使って撮影を始め、その後は本格的に野鳥撮影を始めるにあたって一眼レフのD5600に切り替えました。Nikon1の頃のEVFの出来はあまり良くなく、撮影設定が反映されないという、EVFなのに致命的な仕様でした。D5600は小型軽量で良いカメラでしたが、一眼レフの唯一の欠点、露出の過不足が事前にわからないことを家内はどうしても克服できませんでした。露出補正は経験が重要なため、にわかにはじめた家内にはハードルが高かったようです。

そんなとき、世の中の流れがタイムリーにミラーレスへと移行してきました。NikonからはZシリーズが発表され、一眼レフで克服できなかった露出補正が直感的にできるのでZ50が発表になったときにミラーレスに移行しました。これは正解だったようで、小型軽量のZ50は期待以上の仕事をしてくれました。これでミラーレスの扱いに十分慣れたようです。特に露出の過不足が反映されるミラーレスは、一眼レフに較べて劇的に露出の失敗がなくなりました。

その間に、縁あって図鑑やカレンダーの仕事をいただくようになり、野鳥写真家として本格的に撮影することになって行きます。Z50は3年半使用しましたが、仕事用としては機能面で不足してきたこともあり、最新の被写体検出機能が搭載されているカメラの必要性を感じていました。
一度私のZ9のセットを持たせて見ましたが、「こんな重いもの持てない」と一瞬で却下されました。

そこにちょうどZ8が発表されました。Z9の被写体検出機能を盛り込んだ小型軽量のカメラはまさに待ち望んでいた仕様です。

Z50のファインダーも悪くはありませんが、比べると雲泥の差です。Z9と同じなので、明るく、大きく、細部まではっきりと見えます。露出補正も断然やりやすくなります。

AF

Z50には動物を検出する機能がありません。必然的に手動で野鳥の目にフォーカスポイントを合わせてAFを作動させます。その間、一瞬遅れるのですがその一瞬でチャンスを逃すことが多いのです。それで随分と悔しい思いをしてきたようです。

Z8にはZ9譲りの被写体検出機能があります。この機能を使いたいがためにZ8に移行したので一番期待していた機能です。

結果は期待通りでした。野鳥に向けると瞬時に鳥を認識し、目が見えていれば目にフォーカスポイントを設置してくれます。目へのピント精度も上がり、何よりもシャッターチャンスが圧倒的に上がります。

手ブレ補正

ボディ内手ブレ補正がないZ50で使っても、863自体に5段分の手ブレ補正があったので1/80秒くらいまで手持ち撮影が可能でした。NikonのウェブサイトにはZ9と863の組み合わせでシンクロVRで5.5段の補正と書かれています。Z8との組み合わせも同様であれば、5.5段分の手ブレ補正が実現されるはずです。静止した被写体だったら1/40秒くらいまで手持ち撮影ができる計算になります。現実的には被写体ブレが起きるので1/100秒前後までが実用域だと思いますが、今までよりも歩留まりは上がることでしょう。

悪い点

重さ

Z9の機能をそのままに小型軽量化したのはあっぱれですが、純粋にカメラ単体としてみると910gは結構重いカメラです。「Z9の機能が使える」と言う色眼鏡がかかっているために多少のことは許せてしまう感がありますが、小柄な女性が持ち歩くには難があるとは思っています。今のところぎっくり腰や腱鞘炎にはなっていませんが、長期の使用ではちょっと心配です。本人はまだ興奮状態なので「へっちゃらー」とは言っていますが、1年くらい使ってみないと何とも言えません。

ただ、私が試した感じではZ8+NIKKOR 800mm f/6.3 VR Sとの組み合わせは、野鳥撮影においては理想的に感じます。野鳥撮影で縦位置はあまり使わないので、縦グリップは必要ありませんし、適度な重さは800mmとの組み合わせでバランスが良く、重心がレンズ中央付近に来るので持ちやすくなります。5.5段分の手ブレ補正機構と相まって、800mmの野鳥手持ち撮影システムとしては他社システムでは構築できない最高の組み合わせではないでしょうか。

コネクタ位置

これはNikonが悪いわけでもなんでもないのですが、Z9とHDMI端子とマイク端子の位置が変更になっていたため、今までのコネクタが使えませんでした。Z9ではマイク端子とHDMIが上下に並んでいたので、どちらもL型のプラグで差し込めたのですが、Z8ではHDMI端子の前にマイク端子があるため、干渉してしまいました。コネクタの出によりますが、手持ちのコネクタではマイクを刺すとHDMIの端子が最後まで刺さらない状態になります。
HDMI側をストレートにするか、逆折れのL型プラグにすれば解決できます。
Z9からZ8に乗り換える人もいると思いますので、注意が必要です。

ファーストインプレッション動画

1ヵ月ほど863との組み合わせで使用した家内のインプレッションです。

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Nikon Z 8 ボディ

Nikon Z9の縦位置グリップをなくして小型軽量化を実現したカメラです。
Z9の機能をほぼそのまま継承しているので、野鳥撮影にも最適です。もちろん、鳥を認識して目にフォーカスを合わせてくれます。縦位置を多用しない方にはおすすめです。
重さもZ9の1340gからZ8は910gと軽量化されています。フィールドで持ち歩くには最適で、女性にもおすすめです。

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NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S

位相フレネルレンズ採用の通称ロクロクサンと呼ばれる600mmF6.3の単焦点レンズです。
全長278mm、重量1470gで、600mmの焦点距離からは想像できないほど小型軽量です。レンズ単体で5.5段、Z9やZ8との組み合わせではシンクロVR機構によって6段分のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると900mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで840mmF9、1200mmF13、DXで1260mmF9相当、1680mmF13相当となります。
最短撮影距離が4mなので、野鳥が近い公園などでは有利となります。

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NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S

位相フレネルレンズ採用の通称ハチロクサンと呼ばれる800mmF6.3の単焦点レンズです。
800mmの超望遠レンズとしては驚くほど小型軽量で、全長385mm、重量2385gしかありません。レンズ単体で5段分、Z9やZ8との組み合わせでは、シンクロVR機構によって5.5段のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。 最短撮影距離が5mあります。野鳥が遠い公園や小型の野鳥を大きく写したいときに有利となります。
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著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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