インプラント(Dental Implant )

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AIにインプラント手術で描かせたらこんな絵を描いてくれました。文章とは関係ありません。
背景イメージと雰囲気はばっちりですが、手に持っているインプラントはどう考えてもデカすぎでしょう。

家系だと思いますが、若いころから歯が悪く、騙しだまし使っていましたが、下顎臼歯が次々となくなってしまいました。きちんと歯磨きはしていますし、ジェットウォッシャーなる水流で洗う装置も使ってケアしていましたが、ダメでした。
かかりつけの歯科医に自分の何がダメなのか聞いたら、「あなたは噛む力が強すぎるのです」と即答されました。噛み合わせが悪く、嚙む力が強い人はたいてい歯がダメになるそうです。
スポーツ選手なども歯を食いしばって練習するので、奥歯がダメになる人が多いそうです。

そんなわけで、奥歯が徐々になくなり、片側のときは何とか部分入れ歯で対応していました。しかし、両側ともなると面倒くさがり屋の自分には性に合わず、思い切ってインプラントにすることにしました。下の左右の奥歯2本ずつ計4本です。同時にはできないため、左は部分入れ歯のままで右を先にインプラントにして、そちらで咀嚼できるようになったら左もインプラントにするという計画です。安定するまでに時間がかかるのと、仕事との兼ね合いで2年計画です。

右下奥歯2本インプラント

奥歯がダメになって抜歯した際、将来インプラントをするかもしれないと思い、造骨処理をしてもらっていました。その甲斐あって手術自体はスムーズに終了しました。
抜歯と同じくらいの痛みがあると説明を受けていましたが、術中はもちろん、終了後も痛み止めを服用する必要がないほど普通に生活できました。抗生物質と痛み止めを処方してくれましたが、抗生物質の服用のみで大丈夫でした。
これが普通なのか、その歯科医がうまいのか、自分が特別に痛みを感じない特異体質なのか疑問に思い、次の診察日に「全然痛くなかったけど、先生が上手なのか、自分が鈍感なのか、どちらなんでしょう」と質問しました。すると、「中には大変痛がる人もいるので、あらかじめ痛いと伝えていますが、多くの人はあまり痛くなかったと言います」とのことでした。念の為術前には「抜歯程度の痛みがある」と伝えるそうです。人によるのでしょう。
考えてみると骨に穴を開けてネジをねじ込むのですから、痛くないはずはないと思うのですが、自分の場合は予想に反して痛みがなかったので驚きでした。
インプラント技術取得のためにドイツまで研修に行かれた先生なので、上手だったからということも少なからずあったのだとは思っています。

何はともあれ、右下のインプラントは無事に終了し、3か月後にはセラミックの歯が入り、無事咀嚼できるようになりました。

天然の歯には骨との間にクッションの役割をする歯根膜などがありますが、インプラントは骨に直結なので、咀嚼感に最初は違和感を感じます。せんべいなどをかじった時は、音がダイレクトに耳に響きます。最初は驚きますが、慣れれば問題ありません。

左下奥歯2本インプラント

自分のX線画像。歯がついている右下臼歯インプラント(画像左の赤2本)とまだ歯をつけていない状態の左下臼歯インプラント(画像右の赤2本)。
歯がボロボロで公開するのは恥ずかしい。焼死体で発見されたときの歯型照合で役立つかな。

右下インプラントから1年後、左下臼歯2本のインプラントを埋設しました。何か問題が起きて話せなくなったりすると授業ができなくなってしまうので、前期に集中して行う授業が終了してから実行しました。そのため、1年後になりました。

今回も術中、術後とも痛みはほとんどなく、処方された痛み止めを飲むまでに至りませんでした。2回実行して2回ともそれほど痛くはなかったので、そういうものなのかもしれません。今回は痛いかも、と覚悟していたので、拍子抜けの感じもしますが、なにはともあれ、痛くないことは自分にとっては大変ラッキーなことです。

良い点

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AIにインプラント手術のテーマで描いてもらいました。文章とは関係ありません。
患者なのか術者なのかよくわかりませんし、インプラントの器具とは異なりますが、きれいなお姉さんだったので採用。

とにかく入れ歯の煩わしさから開放されます。日々洗ったりする煩わしさもさることながら、時々咀嚼中に外れたり、粘着質の食物を食べられないなど、日々不便なことがありますが、それらから開放されるだけで幸せに感じるものです。

人によっては入れ歯と歯茎の間に硬い食渣が挟まって痛い思いをすることがあるようです。これも食事に対して大きな不安感につながることでしょう。

食べるときに不安がない、というだけで食に対する考えや対応も変わるのです。例えば、お餅を食べたいとか、ナッツ類を食べたいと思ったとき、おそらく入れ歯があるだけでかなり躊躇しますし、不安を抱えながら食べることになります。そういう不安がなくなるだけで食に対して積極的になれます。

インプラントの方が自分の歯で噛んでいる感覚に近いので、食べ物がおいしく感じるという人が多いようですが、個人的には食べ物の味への影響はあまり感じず、入れ歯の咀嚼時の不安感の払拭が一番の良い点だと感じます。

悪い点

勇気が必要です。歯茎を切って、顎の骨を露出させ、ドリルで穴を開けてインプラントをねじ込んで歯茎を縫い合わせるという処理を行うので、考えてみると大変な手術です。「痛そうだし、骨に穴を開けるなんて考えただけで嫌」な人には向かないでしょう。
決断するまで、相当ハードルが高いのも事実です。万人におすすめできることではありません。自分も根性なしなので、ずいぶん悩みました。

手術ですから、もちろん成功率100%ではないでしょう。個人差もありますし、骨の状態や免疫力の違いなどによって痛みや成功率も違うでしょう。医者の技術や経験値の違いもあります。
そういったリスクを踏まえて、それでも入れ歯は嫌だ、という人向けです。
自分の場合は片側の奥歯だけなら何とか部分入れ歯を使っていましたが、両側となると二つ管理しなくてはならなくなるので、それは耐えられないと思い、決断に至りました。

それと費用です。保険適用ではありませんので、かなり費用がかかります。
自分はちょうどタイミング良く大きな仕事をこなしたので、何とかなりました。

寿命

インプラントを一生使える人工の歯と思っている人が多いようですが、一般的には10年程度と考えておいた方が良いようです。個人差が大きいようで、メンテナンスが悪い人は5年程度のこともある一方、20年、30年と使えている人もいるようです。歯周病なども大敵なので、日々の歯磨きだけではなく、歯科での定期的なクリーニングがすすめられます。

私は噛む力が強すぎて奥歯がなくなってしまったので、そういう人はインプラントもあまり長持ちはしないよ、とあらかじめ警告されています。クリーニングだけではなく、定期的な咬み合わせの調整をすると良いと言われています。マウスピースも効果的だと言われましたが、それも性に合いそうもありません。

長持ちするようにがんばってみます。インプラントが先にダメになるか、体が先にダメになるかのせめぎあいになるのかもしれません。

総評

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こちらもちょっと間違ったイメージですが、お姉さんがきれいなので採用。歯のインプラントはこんなに大きくはありません。

日々の生活の中で、「食」が占める割合はかなり大きいと思います。若い頃はあまり食にこだわりはありませんでしたが、歳とともにだんだん食にこだわるようになってきました。老い先短いのでうまいものを食っておこうと思うのでしょうか。
様々な欲の中でも、多くの人にとって食欲はかなりのウェイトを占めているようです。生きるための欲ですから、一番強い欲望であってもうなづけます。若いころはジャンクフードでも満足なのに、歳とともにグルメになる人が多いようです。

それなのに歳とともに歯がなくなってしまうのは人生においてのかなりの損失です。入れ歯で食べる度に不安感があったり、痛みがあっては台無しです。食べる楽しみが半減します。また、メンテナンスも面倒です。

現代は入れ歯の他に、インプラントという選択肢ができただけでも幸せなことです。人によって入れ歯が合う人、インプラントが合う人がいると思います。費用はかかりますが、入れ歯が合わない、痛い、入れ歯で食べるのは精神的な不安感があるなどといった問題がある方は、インプラントを検討してみるのも良いかもしれません。万人向けではないと思いますし、個人の骨の状態や性格によっても向き不向きがありますので、安易にお進めするものでもありませんが、自分は勇気を出して実行してみて良かったと思っています。

5年後、10年後元気で生きていれば再度レポートしましょう。

そのうち、iPS細胞で歯を作れるようにならないのでしょうか。抜歯したあとに培養した歯に分化する幹細胞を植えると、そこから新たに歯が芽出するようにできると最高なのですが。山中教授に期待しています。

著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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