

Nikon Imaging https://www.nikon-image.com/
贅沢に3枚もEDレンズ(黄)を使用しています。

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 MTF曲線を見ると、 10本/mm(赤) のS(サジタル:放射方向)のグラフが極めて1に近く、M(メジオナル:同心円方向)の値も悪くないので、コントラストが高く、抜けの良いレンズであることが分かります。しかし、解像感の指標となる30本/mm(青)のSの値は像高とともに下がり、Mの値はかなり急激に低下していることが分かります。中心付近ではどれも1に近い値なので、コントラスト、解像度も極めて高く、良像であることが分かりますが、周辺に行くほどコントラストは維持されながら解像度が低下することが分かります。特に周辺に行くほど同心円方向の解像度が失われて行く傾向なようです。
FXフォーマットの場合の隅の像高は約22mm、DXフォーマットで使った場合の隅の像高は15mmほどなので、FXの場合の隅は上のグラフの右端、DXの場合の隅は15mmのグラフの値を読みます。FXでもDXでもあまり変わりはなく、M30は0.6近くまで落ちてしまうことが分かります。 
しかし、実写した感じは悪くはなく、コストパフォーマンスを考えると、野鳥撮影用超望遠レンズとしては極めて優秀なレンズだと思います。500mmの超望遠レンズが15万円以下で手に入るので、それを理由にニコンでセットを組む人も多いようです。
絞り値による画質変化
ほぼ望遠端しか使わないので、500mmの状態しかテストしていません。
 - F5.6 
 - F8 
 - F11 
 - F16 
 - F22 
 - F32 
開放F5.6はやや甘く、F8付近で最もシャープになり、F22付近から回折による像の悪化が見られます。野鳥目的であれば、F6.3あたりからF11くらいが実用域だと思います。
色補正は極めて優秀で、パープルフリンジなども発生していません。また、ズームレンズでありがちな広角側で樽形、望遠側で糸巻き型が出やすいディストーションなどもほとんどなく、四角いものがきっちり四角く写ります。ズームレンズとは思えない、優れた描写です。
F5.6
F8
F11
F22
MTF曲線のM30が像高とともにかなり急に低下していますが、テストパターンの角の放射方向、同心円方向のコントラストの違いはDXフォーマットの条件では分かりませんでした。
実写サンプル
適宜トリミングしています。
ボディはNikon D5600です。





総評
500mmF4 FLの完璧なMTF曲線と見比べてしまうと、すごく性能が劣っているように見えてしまいますが、1クリックか2クリック絞ると実写ではほとんど区別がつかないほどの優れた描写をします。もちろんF4を活かしたボケやピントが合った部分の解像感は別次元ですが、趣味で野鳥撮影をする上では、価格差10倍を考慮すると最高のコストパフォーマンスです。人気が高いのもうなづけます。
ズーミングでF値が変化しないのも素晴らしい設計です。野鳥撮影ではほぼ望遠端でしか使わないと思いますが、望遠端でもF5.6を維持しています。そのため、AFも実用上問題ない速度と精度で作動します。
VRの効きも公称4.5段で、よく効く印象です。手持ちで安心して使えます。
ただし、重量が2300gもあるので注意が必要です。ボディにもよりますが、撮影時の総重量は3kg前後になってしまいます。長時間水平に構えたり、真上の鳥を狙うときはかなり厳しいでしょう。使いこなすには筋トレが必要かもしれません。鍛えていない人は肘の腱鞘炎に注意しましょう。家内は週に2日、10km以上持ち歩いていて、一度腱鞘炎になりました。鍛えれば何とかなる範囲です。
持ち歩く場合も工夫が必要でしょう。2.3kgもあるレンズを、ボディのストラップだけでぶら下げる気は起きません。軽量のD5600では、マウントがもげてしまいそうな不安感にかられます。レンズフットに速射ストラップを取り付けてそちらで重量を支えるようにしました。
このレンズはサイズ的にも重さ的にも重量級のレンズなので、ボディにレンズが付いているというよりも、レンズにボディが付いているという見た目になりますし、使い方も左手でレンズを支えて右手はボディに手を添えるような使い方になるはずです。ニコンの社内の基準がどうなっているのか分かりませんが、2kgを超えるレンズは、2Lのペットボトル以上のものをぶら下げるイメージですから、レンズ側にストラップ取付金具が欲しいところです。
VR機構に力を入れていることから、手持ちでの使用を前提としていると思いますが、フィールドで持ち歩くことがあまり考えられていません。もしバージョンアップすることがあれば、ぜひレンズストラップ対応にしていただきたいと思います。
| Nikon純正品で、ズームとはいえ500mmまでの超望遠レンズとして使え、手振れ補正機構もついているレンズとしては破格の値段です。 収差を抑えるEDレンズが使用され、画質も満足できる画質です。 このようなコストパフォーマンスが高いレンズは他社にはなく、このレンズを使うためにニコンユーザーになっているバーダーたちも多いようです。 | 
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