Nikon Z9+NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+Z TELECONVERTER TC-2.0x:野鳥実写テスト

テストパターンで十分な画質であり、手ブレ補正も静物であれば1/60 sくらいまでは手ブレ補正が効果を発揮してくれることが分かりました。生きた野鳥では拡大される分、被写体ブレも2倍になるので、おそらく1/200 s前後が限界でしょう。
フィールドでテストしてみました。
2400mm手持ち撮影は未知の世界です。

実写

Nikon Z9+NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S:テレコンなし

Exposure Time : 1/320
F Number : 6.3
Exposure Program : Manual
ISO : 2800
Exposure Compensation : -1/3
上の画像の中央1920×1280切り出し。

Nikon Z9+NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S+Z TELECONVERTER TC-2.0x:テレコンあり

Exposure Time : 1/160
F Number : 13.0
Exposure Program : Manual
ISO : 3200
Exposure Compensation : -1/3
上の写真の中央部1920×1280ドット切り出し。

感度を下げるために1/160 sまでシャッター速度を下げましたが、運よく静止していてくれたので、ブレずに撮れました。DXフォーマットなので、2400mm相当ですが、ボディとのシンクロで5.5段の手ブレ補正はかなり効果的です。それでも感度は3200にまで跳ね上がってしまいました。

光学的な劣化はほとんど感じないと思います。中央部1920×1280ドットの切り出しをみても羽毛の細部まで解像していますし、コントラストの低下も見られません。エッジの色付きなども皆無です。
個人的には等倍に拡大して目の周りのツブツブが解像されていれば仕事に使えると判断しています。F13で扱いにくくなりますが、十分に明るい環境であれば2400mm相当の画角を活かすことができます。

撮影時のファインダーイメージ

800mmに2倍テレコンを装着してホオジロを撮影している時のファインダーログです。DXフォーマットで撮影しているので、画角は2400mm相当になります。望遠鏡なみの焦点距離なので、そもそも手持ちでファインダーに導入するにも慣れが必要ですが、すぐに慣れるでしょう。

画面が時々飛ぶような動きをしますが、撮影後のVRのセンタリング動作です。スポーツモードにすればよりスムーズなファインダー像になりますが、ノーマルモードの方が効きが強力なので、長焦点ではノーマルモードで撮影します。
しかし、2400mm相当ともなると、VRのセンタリングの動きもかなり大きく、ファインダーからはみ出しそうになるくらい移動します。できるだけ動かさないようにすればセンタリングの動作も小さくなるので、もう少し訓練する必要があります。
手すりを利用したり、木に寄りかかったり、一脚を使用すれば成功率も上がるでしょう。

十分な明るさがあれば、AFは多少遅くはなりますが、F13でも普通に動作します。一眼レフではAF不能なF値ですが、ミラーレスでは最終的にはコントラスト検出AFで合わせるので、精度も問題ありません。2400mmF13という無謀とも言えるセッティングでも期待にこたえてくれます。さすがです。
さらに、動物検出AFに設定しているので、ターゲットのホオジロを認識し、頭部を検出し、さらに目が見える時は目にピントを合わせてくれます。正直、ここまで期待していなかったので、驚きでした。もちろん、速度は遅くなっていますが、日中の明るい環境では、上の動画のように、実用レベルの速度です。
驚くべきはZ9との組み合わせ時の手ブレ補正です。上のファインダー像の通り、VRのセンタリング以外では安定して狙い続けることができます。静止した被写体では1/60 s程度まで効果があるはずですが、野鳥は被写体ブレが発生するので、実際は1/200 s前後が限界です。上のサンプルは1/160 sで撮影していますが、三脚なしで、2400mmの焦点距離のレンズを1/160 sで使用できてしまうところが新鮮です。

ただし、F13は野鳥撮影には暗過ぎ、晴天日中の限られた条件での使用となるでしょう。晴天日中以外はシャッター速度が半分になるので、手ブレや被写体ブレが発生しやすくなります。もしくは感度が2倍になりますので、高感度耐性があまりよろしくないZ9ではすぐに画像が荒れてしまいます。
したがって、常用するようなものではありません。どうしても光学的に拡大したい場合で、十分な明るさがある場合のみの使用となるでしょう。条件さえあえば、上記サンプル程度の画像は手持ち撮影で得られます。

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FTZ-IIを介して今までのFマウントの超望遠レンズも問題なく使えます。ZマウントのNIKKOR Z 800mm f/6.3 VR Sとの組み合わせは5.5段のVRが効き、800mm(DXで1200mm)ながら手持ち撮影が可能になります。


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DXフォーマットで使用すると900mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで840mmF9、1200mmF13、DXで1260mmF9相当、1680mmF13相当となります。
最短撮影距離が4mなので、野鳥が近い公園などでは有利となります。

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位相フレネルレンズ採用の通称ハチロクサンと呼ばれる800mmF6.3の単焦点レンズです。
800mmの超望遠レンズとしては驚くほど小型軽量で、全長385mm、重量2385gしかありません。レンズ単体で5段分、Z9やZ8との組み合わせでは、シンクロVR機構によって5.5段のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。 最短撮影距離が5mあります。野鳥が遠い公園や小型の野鳥を大きく写したいときに有利となります。
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著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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