Nikon Z9:センサーシールド

Z9は大胆にもメカニカルシャッターレス仕様で登場しました。ミラー機構もシャッターユニットもない仕様は、機械的に壊れる部品がないというだけで、仕事でカメラを使う上で大変安心感があります。カメラマンは1日に数千~数万枚単位で撮影するので、耐久試験10万枚をクリアしているとしても、そのオーダーにはすぐに到達してしまいます。フラグシップモデルは100万回くらいの耐久試験はしていると思いますが、機械部品には必ず寿命があり、ミラー機構かシャッターユニットがまず壊れます。撮影中に壊れると死活問題なので、サブカメラを持ち歩く必要がありました。
しかし、Z9では物理的な落下とか水没以外、通常の使用で壊れる部品がほどんどなくなったのです。これはプロカメラマンにとっては大変ありがたい仕様です。

しかし、ミラーもシャッターもなくなると、レンズ交換時にレンズをはずすとセンサーがむき出しの状態になります。特にZマウントの規格は大口径の上、フランジバックが16mmなので、マウント面からすぐの所にフルサイズのセンサーがあります。つまり、他のどのメーカーよりも簡単にぶつかったり触れてしまう位置にあるのです。

センサーシールド

どことなくバットモービルのシールドを連想します(古いか?)

センサーむき出しのままでは大変危険なので、Z9には親切にもセンサーシールドなるものが装備されています。

見た目はまるでメカニカルシャッターのように見えますが、シャッターとしての役割はなく、その名の通り純粋にセンサーを防御するためだけのシャッター様カバーです。

設定で電源と連動して閉める・閉めないを選択できます。個人的には電源オフに連動して閉める設定がおすすめです。

電源と連動させると、電源のオンオフ時に「シャコッ」とシールドの開閉音が聞こえるようになります。うるさい音ではなく、いかにも「開閉しています」というイメージの小気味よい音で、シールドに守られている感が得られます。Nikonはこういう音作りが上手です。一眼レフの頃はシャッター音やミラーの作動音による「撮った感」の演出が上手でしたが、それらが失われてしまった今、機械的な作動音はセンサーシールドくらいになってしまいました。シールドの作動音まで考えて調整しているのかどうかは分かりませんが、「安心感」の演出としては成功だと思います。

防御機能

誤ってセンサーに触れないように防御するのが主な目的と思いますが、ダストの付着防止にも大きく貢献していそうです。センサーシールドの物理的な強度や気密性は分かりませんが、むき出しよりも埃などに対する防御もあると考えるのが自然でしょう。

センサーへのゴミの付着はカメラマンにとっては致命的です。フィルム時代はフィルムにゴミが付いても1コマで済みましたが、センサーのゴミはすべての画像の同じ位置にゴミが写りこむことになるので、大変な被害となります。

野鳥撮影では途中でレンズ交換をすることがありませんが、テレコンを装着したり外したりすることはあります。風が強い乾燥した日のフィールドでのレンズの着脱はかなり気を使います。

動物病院での撮影は、頻繁にレンズ交換を行います。動物病院は、実はカメラにとってはあまり良くない環境です。毛刈りをしたりするので、かなり毛だらけなのです。特にウサギやチンチラなど毛が細い動物を扱っていたので、1日撮影すると、全身毛だらけになっていたりします。カメラバッグの中に毛が溜まっていたりします。そんな環境では可能な限りレンズ交換はしたくないのですが、必要であれば仕方ありません。そのため、ブロアーは必需品でした。
それでも、一眼レフの頃はセンサーダストにずいぶんと悩まされました。すぐにゴミが付着する上、かなり奥まった場所にあるので、クリーニングが困難でした。

Z9は1年以上使用していますが、センサーへのゴミの付着が今のところありません。思うに、一眼レフでのゴミ付着が多かったのは、ミラー機構やシャッターユニットのメカニカルな部品から出るダストが大半を占めていたのではないでしょうか。
Z9はまだ一度もセンサークリーニングを行っていません。 大切な撮影の前に何度か「念のため」にブロアーで吹いた程度です。

これはセンサーシールドのお陰なのか、イメージセンサークリーニング機構(超音波でふるい落とす仕組み)が優れているのか、表面のコーティングの恩恵なのか、Zマウントレンズのシーリングが優れているのか、ミラーレスでさらにメカニカルシャッターレスにしたからそもそもダストがでないからなのか分かりませんが、覚悟していた割にまったくゴミ問題が発生しないので、いささか驚いています。

購入以来、電源オフと連動してセンサーシールドを閉めるように設定しているので、少なからずその恩恵を受けているのでしょう。

もっとも、このセンサーシールドの作動によって機械的なダストが発生したら本末転倒ですが、購入してから1年以上使用してダスト付着が見られないことから、ダストの発生源になっていることはなさそうです。

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DXフォーマットで使用すると900mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで840mmF9、1200mmF13、DXで1260mmF9相当、1680mmF13相当となります。
最短撮影距離が4mなので、野鳥が近い公園などでは有利となります。

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DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。 最短撮影距離が5mあります。野鳥が遠い公園や小型の野鳥を大きく写したいときに有利となります。
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著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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