動画は専門ではないのですが、野鳥を撮っている時に稀に地鳴きや囀りを記録しておこうと思うことがあります。記憶力が悪いので、鳥の鳴き声はすぐに忘れてしまいます。備忘録のつもりで数年前からちょこちょこ動画も撮影します。
マイク
一眼レフにもミラーレス一眼にもカメラボディにマイクはついていますが、とても離れた野鳥の声をひろうのに適したマイクではありません。
一眼レフのD500を使っている頃からこんな目的でちょこちょこ録るために外付けマイクを購入しました。
仕事用ではなく、単に自分の記録のためなので、次の条件で探しました。
- 小型(カメラに取り付けた時に静止画撮影の邪魔にならない)
- 軽量(ただでさえ重い超望遠レンズ付きカメラに取り付けるので、軽いほど良し)
- 単一指向性(いわゆるガンマイク。周囲の音はひろわず、前方の狭い範囲の収音。パラボラ型の集音器は場所を食うので不可)
- プラグインパワー(電池は管理が面倒、重い、予備を持ち歩きたくないので嫌)
- 低価格(1万円前後)
- 面倒くさくない(面倒な設定や調整をしたくない)
とにかく前方の野鳥の声を録音するだけなので、音響専門家が使うような重装備ではなく、誰でも簡単に扱えるものを探しました。たまにしか使わないので、電池が必要ないプラグインパワーが使えるマイクが私のような用途には適しています。そんな条件でヒットしたのが、RODEのVideoMic Goというマイクです。
プロ向けの高性能マイクではありませんが、野鳥の声を記録として残すには十分です。重さも73gで、カメラに取り付けても重量増は感じないほど軽量です。価格も一万円強で許容範囲です。
それでもカメラ内蔵のマイクとは雲泥の差でした。
Z9との相性
D500からZ9に完全移行して、マイクもそのまま引き継ぎました。Z9のファームウェアがVer. 3.00になって動画機能も大幅に向上したので、眠っていたVideoMic Goを持ち出してみました。Z9との相性の確認です。
Z9でもそのまま取り付けてプラグを差し込むだけで使えました。
ホットシューに取り付けられる仕様ですが、光軸上はレンズフットに取り付けたドットサイトで使うので、カメラのホットシューは使えません。L型ブラケットを買った時に、将来マイクのマウントに使えると思ってコールドシューもオプションで購入していたのが正解でした。マイクはL型ブラケットのそのコールドシューに取り付けています。
動画の世界は、映像よりも音声が難しいと言われています。機器との電磁的な相性や取り付け方法などによってノイズや録音状態はかなり変わるようです。知り合いの音響専門の人からは、プロ用の機器になるほど素人が手を出すと泥沼に陥ることが多いと聞いているので、自分は首を突っ込まないように気を付けています。
そういう沼にはまりたくない人にとって、このRODE VideoMic Goはおすすめできます。もっと音声にこだわりを持っている人はプロ用録音機器をつかって沼にはまっていただくとして、そこまでこだわらず、遠くの野鳥の声を記録したいだけであれば、このマイクをホットシューに取り付けて、プラグをマイクコネクタに差し込むだけで使えます。プラグインパワー対応なので、カメラ側の設定でプラグインパワーをオンにするだけで、電力はカメラから供給されます。電池も必要ありません。らくちん。
録音レベルもオートで使っています。静止画のこだわり方とは正反対ですが、自分の動画に対する考えも知識もそんな程度です。とにかく面倒くさくなく、何も考えずに簡単に音声がひろえれば満足です。VideoMic Goはそんな用途にピッタリです。
しかし、実際に使ってみると思いのほか収音性能が高く、単一指向性で正面の狭い範囲の音だけをひろってくれます。レンズ光軸と平行に設置しておけば映している野鳥の声を良くひろいます。
買ってきて差し込むだけで使えるという手軽さの割りにバッチリ音をひろってくれるので、コストパフォーマンスと言うか、労力に対するパフォーマンスはかなり高いのではないでしょうか。労力はほぼゼロですから。
音声が入っていますので再生環境にご注意ください。
オプション(死んだ猫)
どんなマイクでも、フィールドで使うと風切り音が結構気になります。マイクは微細な空気の振動をひろえるように、非常に薄いダイアフラムの振動を電気信号に変換するデリケートな機械です。そのため、ダイアフラムに直接風があたると簡単にダイアフラムを動かしてしまい、それが電気信号に変換されて「ボーボー」という独特な風切り音を発生してしまいます。一度でも屋外で録音すると分かりますが、「えっ、こんな風でも拾っちゃうんだ」と思うほどの軽い風でもマイクは拾ってしまうものです。フィールドで音をひろうのは難しいですね。
しかし、ご安心ください。VideoMic Goにはご親切にもDeadCat Goというオプションが売られています。ネーミングもセンスありますね。死んだ猫です。
いわゆるウィンドジャマーと呼ばれる細かい毛が生えたカバーです。屋内では必要ないと思いますが、屋外では必需品です。見た目もカワイイので、フィールドではずっと付けっぱなしです。野鳥の声を録音する目的でしたら、本体と一緒に購入されることをおすすめします。
自分は野鳥の録画のために買いましたが、普段の動画撮影でもおすすめできます。例えば、子供の運動会や文化祭、発表会などの行事でも活躍できるでしょう。
RODEのVideoMic Goは、気軽さではおすすめできる外部マイクです。より高性能なマイクはたくさんあると思いますが、仕事ではないので、自分のレベルでは今のところこれで十分です。他の機種と比較はしていませんし、専門ではないので、これ以上のことは分かりません。単にZ9で音響素人でも問題なく使えました、という報告です。
追記:死んだ猫の効果
VideoMic GoとDeadCat Goは同時に買ったので、今まで特にDeadCat Goの効果を純粋に検証したことがなかったのですが、「その毛むくじゃらのものは何」とよく聞かれることもあり、これじゃいかんと思い直してウィンドジャマーの比較をしてみました。こんなに効果があって、単に可愛いからつけているのではない、ということを言えるように。
効果が実感できるように、人工的な風の前で風切り音を収録してみました。
卓上の扇風機を正面に置き、VideoMic Go素の状態、デフォルトのスポンジカバー、DeadCat Goを装着した状態をワンカットで録画しました。純粋に風切り音の低減効果を確認したかったので、ファンノイズは除去しています。
- 最初は何もつけない状態です。かなりボーボー言う風切り音が発生しています。
- 次はデフォルトのスポンジカバーです。風切り音はいくらか低減されますが、風に対してはあまり効果があるとは言えません。
- 次はDeadCat Goです。取り付けた瞬間から風切り音がほぼ完ぺきになくなることがお分かりいただけると思います。
- 最後は再度すべて取り外した状態です。ボーボー音が復活します。
このように、風に対してDeadCat Goは劇的な効果があることが分かります。フィールドでの収音には必需品です。
追記2
上の動画をわが家のボロいスマホやタブレットで見たら、ボーボー言う風切り音がまったく再生されていないことに気付きました。スマホやタブレット本体のスピーカーは低音が出ないので、風切り音が再生されないのでしょう。より再生周波数特性が良いヘッドフォンやイヤホンで聞くと再生されます。
同じようにスマホやタブレットで再生された方は、上記比較のウィンドジャマーの有り無しや種類の違いの比較がほとんどわからなかったと思います。特に低周波の再生特性が良いヘッドフォンなどでお聞きいただくと顕著な違いが出てくると思います。
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