Nikon Z9:受け入れ準備

本体が2021年12月24日に届くのかどうか分かりませんが、これだけの人気機種なので、その他の関連商品も品薄になる可能性があります。本体がないのに関連商品だけ到着するのもなんですが、発売日に来なくてもいつかはくるはずなので準備だけはしておきます。

本体以外に必要なもの

FTZ II

仕事は医療現場と野鳥写真がメインなので、とりあえず105mmマクロと500mmは今まで使っていたFマウントレンズを使用します。そのため、FマウントからZマウントに変換するアダプタが必要になります。初期のFTZは持っていますが、FTZの無駄な出っ張りのためにZ9では縦グリップが使えなくなります。Z9で使うにはFTZ IIが必須となります。何かと金がかかります。

バッテリー

かなり性能が上がったようですが、フィールドでは充電できないので、バッテリー切れは致命的です。しかし、以前、Z50を購入したときは、一眼レフに比べて圧倒的に消費電力が大きいという予想から、付属のバッテリー+3つ購入し、計4個準備したのですが、Nikonの電池は公称値よりも遥かに持ち、電源をこまめに切る撮影スタイルでは一日フィールドで撮影して1回バッテリー交換する程度でした。Nikonのカメラはミラーレスでも立ち上がりが瞬時なので、待機中はオフにしています。カメラに付属の電池+予備1個で十分でした。
そんなこともあったので、今回は1つ追加で購入して様子をみようと思います。Nikon Li-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL18d ブラックです。足りなそうであれば追加します。高価なので、最初にたくさん買うのはちょっと躊躇します。

しかし、安いからと言ってサードパーティのバッテリーはおすすめしません。バッテリーだけは発熱や発火、粗悪品は爆発などの可能性が否定できないので、純正品以外は使いません。

付属のバッテリー1個で一日撮影してみれば様子が分かるでしょう。Z9はモバイルバッテリーからの給電もできるので、万が一足りなくなった場合は急場しのぎとして手持ちのモバイルバッテリーを試してみます。

バッテリーカバー

バッテリーとバッテリーカバーは別売りです。バッテリーカバーは使いまわしてバッテリーだけ交換すれば良いのですが、医療現場も野鳥も一瞬が勝負なので、バッテリーカバーごと準備しておいて交換した方が圧倒的に早いのです。Nikon バッテリー室カバー BL-7です。3千円程度のものなので、ここはケチらない方が良いと判断しました。

メディア

Nikon Z9で使用するメディアはCFexpress Type Bです。XQDも使えますが、Z9本来の性能を遺憾なく発揮するためにはCFexpress Type Bのメディアが必須です。
写真を仕事にしている人にとってメディアは重要で、長年の実績がある信頼性の高いメディアを選びます。
ProGrade DigitalのCOBALTやLexar社のメディアがおすすめです。

問題発生(2022年7月)

梅雨明けして猛暑日が続くと、HOT CARDの警告が出るようになってしまいました。個体差の可能性も大いに考えられますが、発熱量が少ないと言われている ProGrade DigitalのCOBALT シリーズに変えても警告が出ます。

この警告は不用意にメディアを触ってやけどをしないように注意を促すもので、仕様のようです。

カードリーダー

Z9、Z8のCFexpress Type Bと他のカメラのSDカードもよく使うので、ProGrade Digital 【CFexpress Type B/SD】 USB3.2Gen2 ダブルスロットカードリーダー を使っています。両方使えて大変便利です。商品写真には本体しかありませんが、ちゃんとUSBケーブルも付いています。

レンズ

医療写真では今までNikonの名玉と言われている70-180mmマクロを使用していました。大変便利なレンズだったのですが、このレンズはボディ側モーター駆動のAFなのでZ9では使えなくなってしまいます。似たような焦点距離でZの70-200がありますが、マクロ撮影ができないので術創を撮ることはできません。

もはや通常光学ガラスの球面レンズ(白)の方が存在感が薄く、これでもかと言うほど最新の光学材料と切削技術を駆使して研磨された特殊レンズを多用したこだわりの設計であることがうかがえます。

悩んでいたら、丁度よく24-120mmが発表になりました。最大撮影倍率0.39倍で、DXクロップすれば0.58倍ほどの換算になるので、結構なマクロ性能になります。普段の医療現場撮影では十分に使えそうだと判断して注文してみました。発売は2022年2月なので、それまでは70-180マクロをマニュアルで使ったり、FTZ IIを介して105mmマクロを使ってしのげます。

24-120mmという焦点域はかなり無理な設計のように見えますが、レンズ構成を見るとただならぬこだわりが見られます。13群16枚(EDレンズ3枚、ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコート、アルネオコート、最前面のレンズ面にフッ素コート)の構成です。昔は3倍ズームが光学的には限界と言われていましたが、それは通常の光学ガラスの球面レンズでの設計の話しで、EDガラスと非球面レンズを多用すれば性能を維持したままこんな5倍ズームが可能になったのでしょう。一般的に良く使う 24、28、35、50、70、85、120mm の焦点域を包含しています。
F4ですが24mmの広角端から120mmの望遠端までF値に変化がない設計は見事です。 写りが良ければ仕事にも旅行にもオールマイティに使えるレンズになるでしょう。

フィルター

ニコンが推奨するARCRESTは他のフィルタとは一線を画するフィルタです。いつも「ガラスを入れ忘れたんじゃないか」と思うほど、ほぼ何も見えません。驚異的な反射率0.1%のゼロワンARコートにより、枠だけのように見えてしまいます。フィルタによる像の悪化などの影響はほぼないと思って良いでしょう。

動物の医療現場は意外なほどカメラは汚れます。毛刈りすると毛は舞うし、消毒や強制給餌の後に動物が暴れると色々なものが飛んで来ます。そのため、必ず保護フィルターを付けます。フィルターによる画質の劣化を避けるため、NikonのARCRESTを使用しています。ちょっと値が張りますが、これは感動するくらい「目に見えない」フィルターです。反射率0.1%、λ/4以下の平滑面精度は伊達ではありません。
Nikon レンズフィルター ARCREST PROTECTION FILTER レンズ保護用 77mm ニコン純正 AR-PF77です。

ライカMマウント→ニコンZマウント変換アダプター

義理のオヤジの形見であるライカの資産を有効活用するためにマウントアダプターを購入しました。実はすでにMマウントからZマウントに変換するアダプターは持っているのですが、今回購入した銘匠光学のTTArtisan M-Z の方がかっちょいいのです。口径の差を単純な円錐形で吸収するデザインで、無駄がなく、ロゴもシンプルです。
Z50やZ5で検証済みですが、ミラーレスでもピーク表示にしておくとマニュアルフォーカスが大変やりやすく、違和感なく使えます。明るいライカレンズをポートレートで使う時などには重宝します。ミラーレス一眼は、マニュアルフォーカスレンズを積極的に使いたくなるほど、実はMF向きカメラです。加えて露出もファインダーで確認しながら調整できるので、フォーカスも絞りもシャッター速度もフルマニュアル操作が大変直感的で楽です。オールドレンズフリークにはたまらない仕様なのです。


TTArtisan M-Z
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TTArtisan 銘匠光学ライカ M-Z アダプタリング
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TTArtisan M-Z

ライカMマウントレンズをお持ちでニコンのZマウントカメラで使いたい方にはおすすめです。ライカMマウントの方がフランジバックが長いので、ほぼすべてのライカMマウントレンズがZマウントカメラで使用できます。
もちろん、マニュアルフォーカス、マニュアル露出ですが、ミラーレスでの操作性は大変良く、フィルムカメラで育った人たちには違和感なく使えるでしょう。

L型プレート

医療撮影では影のコントロールや深部の撮影のため、ストロボの位置を調整します。そのため、ストロボはカメラからブラケットを介して設置します。基本、左上光源に統一して撮影するため、左側に離したり、深部や眼科撮影ではほぼ光軸と同軸になるようにレンズ先端側近から発光させます。
スピーディにブラケットの着脱ができるように、アルカスイス互換のプレートが必要になりますが、カメラの保護と、三脚や一脚に横位置、縦位置で使えるようにL型ブラケットを使用しています。Z9用のL型プレートはなかなか発売されなかったのですが、ようやくSmallRigから予約が開始されました。迷わず注文。
現在はSmallRigのウェブサイトでの予約購入しかできません。(←追記:量販店やAmazonでも販売開始されました)
同社からカメラケージはすでに発売されていましたが、静止画主体の用途にはいささか大仰でL型プレートを待っていました。動画主体で使う方にはカメラケージの方がモニターやマイクを付けるのに便利かもしれません。

Anchor Links:ストラップ着脱用クイックコネクタ

以前からピークデザイン(PeakDesign)のアンカーリンクスは使用していますが、ニコンダイレクトでニコンオリジナルの黄色のコネクタが売っていたので購入しました。通常は赤の丸い縁がニコンカラーの黄色になっただけなのですが、ニコンフリークはそれだけでテンション上がります。

左は一般的な赤のコネクタ。右はNikonDirectのニコンオリジナルコネクタ。

液晶保護フィルム

一応背面液晶保護のために保護フィルムを貼ります。
ハクバ HAKUBA 液晶保護フィルム III Nikon Z9 専用 DGF3-NZ9 4977187347555 超低反射 全光線透過率95.6% 表面硬度 3H 貼り直し可能 日本製です。

こんなところでしょうか。
これでいつ届いても充電さえすればすぐに使える体制が整いました。
わくわく。

12月22日:Z9を注文している大型店に別件で行ったので馴染みの店員さんに発売日に入手可能かどうか聞いてみました。「まだ搬入されていないので、まったくわからない」との回答でした。2日前なのに大型店でも入荷数が把握できていないようです。当日届くのを待つか、「出荷しました」のメールが届くのを待つしかないようです。
店員さんも、「このZ9フィーバーは異常」と言っていました。自分もそう思います。それだけNikonのミラーレスフラグシップを待っていた人が多かったということなのでしょう。

12月24日0時35分(23日深夜過ぎ):注文していた大型店から私のZ9が出荷された旨のメールが来ました。何とかゲットできたようです。バンザーイ!!!

Nikon Z9:レビュー(総論)
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Nikon Z 9 ボディ

野鳥撮影にも最強のパフォーマンスを発揮するミラーレスフラグシップです。被写体検出機能で野鳥も認識して目にフォーカスを合わせてくれます。本格的に野鳥撮影をする方にはおすすめです。
FTZ-IIを介して今までのFマウントの超望遠レンズも問題なく使えます。ZマウントのNIKKOR Z 800mm f/6.3 VR Sとの組み合わせは5.5段のVRが効き、800mm(DXで1200mm)ながら手持ち撮影が可能になります。


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全長278mm、重量1470gで、600mmの焦点距離からは想像できないほど小型軽量です。レンズ単体で5.5段、Z9やZ8との組み合わせではシンクロVR機構によって6段分のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると900mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで840mmF9、1200mmF13、DXで1260mmF9相当、1680mmF13相当となります。
最短撮影距離が4mなので、野鳥が近い公園などでは有利となります。

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NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S

位相フレネルレンズ採用の通称ハチロクサンと呼ばれる800mmF6.3の単焦点レンズです。
800mmの超望遠レンズとしては驚くほど小型軽量で、全長385mm、重量2385gしかありません。レンズ単体で5段分、Z9やZ8との組み合わせでは、シンクロVR機構によって5.5段のVRにより、手持ち撮影が可能です。
DXフォーマットで使用すると1200mmF6.3相当となります。野鳥撮影に威力を発揮します。
1.4倍、2倍のテレコンを使用しても画質の劣化が少なく、FXで1120mmF9、1600mmF13、DXで1680mmF9相当、2400mmF13相当となります。 最短撮影距離が5mあります。野鳥が遠い公園や小型の野鳥を大きく写したいときに有利となります。
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著者
Yama

大学卒業後しばらくは建築設計に従事。その後人工知能の研究所で知的CADシステムやエキスパートシステムを開発。15年ほどプログラマをしていましたが、管理職になるのが嫌で退職。現在は某大学の非常勤講師(情報学)、動物医療系および野鳥写真家、ウェブプログラマ、出版業などをしながら細々と暮らしています。

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